フジテレビのとくダネ! 特捜部 忘れられた日本2006冬 テーマ「火」 つづき | 九代目七右衛門の徒然日記

フジテレビのとくダネ! 特捜部 忘れられた日本2006冬 テーマ「火」 つづき

4000字を超えてしまったので、前の記事の続きです。



CM:ここまでの放送はごらんのスポンサーの提供でお送りしました。

ナレーション:長野県白馬村に建つ囲炉裏のある民宿「マル七」年に一度大勢のお客さんが集まる大晦日を迎えていました。そして新年のカウントダウン。

お客さん:ごー。よん。さん。にー。いち。わーい。おめでとーございます。かんぱーい。おめでとう。パチパチパチ。

ナレーション:いつも台所仕事で忙しいおばあちゃんも囲炉裏も周りに出てきました。しかしおじいちゃんの姿はありません。

お客さん:あけましておめでとうございます。

母:おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

熊谷:おばあちゃん。おじいちゃんはいないの。

母:おじいちゃんは、ゆっくりお休みになっています。でもあのおじいちゃん幸せな人だよね。大勢お客さんが来てくれて、何もしないで話をしているだけで、お客さんがみんなやってくれるから。幸せな人だと思う。

ナレーション:主(あるじ)抜きで盛り上がる囲炉裏。

毎年変わらぬマル七の大晦日が過ぎていきました。

ナレーション:迎えた元日の朝、

火の消えた囲炉裏の前に最初に現れたのはおじいちゃんでした。今年最初の囲炉裏の火入れです。

父:ストーブやヒーターも温かいけれども、年寄りはじかにこうやって(囲炉裏の)火を見ないと堪能しませんね。


父:この石は先祖代々伝わる囲炉裏の守り神です。

ナレーション:そこでおじいちゃんが囲炉裏の片隅に置かれていたまるい石を見せてくれました。

父:まるいでしょ。

熊谷:ほんとだ。まんまる。すごーい。

父:昔はね、この囲炉裏で味噌汁も作り、おかずも火にかけてね。でもひとつの村に大抵ひとりか二人は囲炉裏に落ちて火傷をした子供がいたんですよ。

その身代わりにこの石が転げ落ちて焼けるということで、囲炉裏の隅に置かれているのですよ。

熊谷:あー。だからまるいんだ。

父:そう。囲炉裏の守り神っていう事ですよね。

ナレーション:小さな神様は人々の生活に囲炉裏が欠かせなかった頃の名残(なごり)です。

お客さんの子供たち:あけましておめでとうございます。

父:はい。あけましておめでとうございます。

ナレーション:民宿マル七のお正月。元日の朝はおばあちゃん特性のお雑煮を頂きます。

母:同じ火でもストーブの火と囲炉裏の火では全然違いますよね。お餅だって、今便利だからレンジにかけてもいいし、オーブントースターで焼いてもいいんだけど、やっぱりこんがり囲炉裏で焼いたお餅の方が、みんな喜ぶしおいしいと思いますね。

父:まあ私の一生のうちは絶対に囲炉裏の火を消しはしないし、

守り続けていきたいと思います。

ナレーション:その頃、外には母屋の茅葺き屋根についた氷柱(つらら)を、

丁寧に落としているお客さんがいました。

マル七の夫婦は高齢で屋根の雪降ろしが出来ません。

長男の学さんがお客さんと一緒に汗を流します。

ナレーション:そしてマル七のお正月を締め括るのが記念撮影。毎年おじいちゃんがシャッターを切ります。

父:はい。写ったー。

ナレーション:これを合図にお客さんが帰り始めます。おばあちゃんのお土産を手にして、ひとり、またひとりと、お客さんたちが帰っていきます。

嫁:気をつけてねー!またねー!

ナレーション:おじいちゃんは、お客さんの姿が見えなくなるまで見送ります。

ナレーション:忙しい正月が過ぎ、また静かな毎日が戻ってきました。「マル七」そこは、囲炉裏のぬくもりと、温かい人々が迎えてくれる民宿です。


スタジオより

小倉:まあ、あれだけ立派な囲炉裏があるお宅っていうのは裕福な家庭だと思いますよ。地方でも。

佐々木:すごい立派でしたね。

小倉:私の実家は秋田ですごい田舎でしたけど、囲炉裏なんか無かったですよ。火鉢だけ。前田さんの家は北海道ですけど、囲炉裏はありましたか。

前田:ありません。ありません。まず、土間っていうのが無かったですね。ですから「マル七」は相当すごいですよ。

熊谷:薪を使った囲炉裏というのは白馬村で「マル七」だけだそうです。炭(置き火)を使ったところはまだあるそうですけれど。非常にめずらしいですよね。囲炉裏に守り神っていうのが居るのは知りませんでした。四隅に神様がいるから、またいではいけないとかいう掟があって、端っこにいっこ丸い石があって、それが子供達が火傷をしたりするのを守ってくれるという事なんですね。

小倉:囲炉裏には座る場所とかもちゃんと決まっていて、家長がこことか、あるんでしょう?

熊谷:そうですね。ちゃんと鉄瓶の向きも北と西はいけないということで、今回は東に向いていましたけどね。やっぱり皆さんがおっしゃっていたのは、暖房器具はストーブとかコタツとかありますけど、本当の火を見ないと暖かいっていう感じがしないっておっしゃっていたのと、夏だと人の近くに寄りたくないですけど、冬だと寄りたくなりますよね。で、この囲炉裏のまわりに集まってくるっていうのがいいみたいですね。

ぴーこ:私は家が横浜だったので囲炉裏のある家に住んでいないんですよね。こういう火鉢はありましたけど。

小倉:東京でも囲炉裏のあるお宅っていうのはあったんじゃないですか。ちょっと郊外にいったりすると。昔はあったと思いますけどね。

前田:埼玉はありましたよ。昔は。

佐々木:本当にヒーターで部屋中暖めてもみんな集まって来ないですよね。一箇所囲炉裏だけが暖をとる場所だからみんな集まってくるんでしょうね。

熊谷:そうですね。炭とか薪を、様子を見ていじってみたりすると、本当に飽きないですね。

小倉:まあごくごく普通の一般的な家庭っていうのは、ちっちゃな土間があって、そこにかまどがあったくらいでね。こういうお宅って言うのは、馬屋があって、広い土間があって、流しがあって、それでああいうふうに大きな囲炉裏がまんなかにどーんとしつらえているんですよね。

前田:曲がり家みたいなやつですよね。

小倉:そうそうそう。

前田:そうすると馬も同じ屋根の下に居るんですよね。

小倉:そういうお宅でないとああいう経験は出来ないって思うから。今、あれだけのものがあるから民宿になって残っているっていうのが、すごいですよね。

ぴーこ:囲炉裏って炭じゃ駄目なんですよね。やっぱり薪だから、あの薪をたくさん使うっていうのが、今でいうとお金がかかっちゃうんですよね。

小倉:ここのお宅も玄関先に薪が積んであったでしょう。あれ冬支度はみんな薪を割って、薪を積んどくわけですから、大変ですよね。

佐々木:いつから支度をするんですか。

熊谷:夏のうちから、お客さんたちが薪割りをしてくれるそうですよ。

ぴーこ:薪って乾いていないと火がつかないんですよね。

熊谷:煙が出やすかったりするんですよね。

熊谷:それでこのあとなんですけれども、この「マル七」なんですけれども、息子さんの学ぶさんがいずれは帰って来たいというふうに思っていて、囲炉裏のあるおうちも守って行きたいと思っているんですけれど、民宿を続けていくとなるとやっぱり色々と大変なことがあるようで、そんな事を悩んでいましたね。

小倉:今の若い人達は民宿とか、ペンションまでもが古いっていう感覚でしょう。で、ホテルに泊まるのが一番良いって言うイメージですから、それなりの施設が整っていないと駄目なんですよね。きちんとしたものが無いとね。そうすると民宿は苦しくなりますよね。本当は良いんだけどね。

熊谷:そうですよね。これだけくつろげるっていうのはなかなか無いですよね。

小倉:野沢菜食べながら、囲炉裏で一杯っていうのがいいんだけどね。(我が家のお餅をひっくりかえしながら)なかなか焼けないね。

ぴーこ:どうして年寄りってみんなすぐに食べたがるの。

熊谷:おいしそうに焼けてますもんね。