"SBCスペシャル" 『体感!北アルプス 発見!田舎暮らし』~白馬山麓二人旅~ | 九代目七右衛門の徒然日記

"SBCスペシャル" 『体感!北アルプス 発見!田舎暮らし』~白馬山麓二人旅~

SBCスペシャル" 『体感!北アルプス 発見!田舎暮らし』~白馬山麓二人旅~という番組で我家が紹介されました。放送局はSBC信越放送、放映日は平成14年7月4日、ロケ日は平成14年6月15日でした。初夏を迎えた白馬山麓の白馬村と小谷村を画家でタレントの城戸真亜子と丸山隆之アナウンサーがふるさとの原風景と田舎暮らしの魅力を求めて旅する様子が放映されました。ロケの後、囲炉裏での集合写真です。

城戸「わー! すごい景色ですねー。」

丸山「見てくださいこれ。」

城戸「ほんものこれ?手前だけが本物で、背景は貼り付けたみたいに見えますね。」

丸山「本物です。この風景をお見せしたくて、ここへお連れしました。白馬の旅。」

城戸「ウエルカムって、迎えてくれた気がしますね。うれしいです。」

ナレーション「この日の宿は、白馬山麓でただ一軒、今でも毎日囲炉裏の火を絶やさないという、茅葺き屋根の民宿です。」

城戸「大きな家。あっマル七って書いてある。」

丸山「ここです。マル七さん。」

城戸「わー。立派なおうちですね。」

丸山「こちらがマル七さんで。あっ、伊藤さんですか。」

父「はい。伊藤でございます。」

ナレーション「ご主人の伊藤さんが家の角で迎えてくれました。」

丸山「よろしくお願いします。」

城戸「あーどーも。よろしくお願いします。このちっちゃい家も茅葺きですね。」

丸山「これは、離れですか?」

父「今の人に話しても分からないでしょうが、農家では必ずお便所は外にありまして、夜中でも、冬の雪が深い時でも、このお便所に来たわけなんです。」

城戸「へぇー。トイレですか。」

父「私どものこんな家を写真に撮ったり、絵描きさんがよく描きに来るんですけど、ある時、この小屋が無ければ我家が絵にならないと言われまして、絵描きさんのために残してあるようなものなんです。もう崩れそうになっていたのをいくらかお金をかけまして、維持しています。」

城戸「使ってはいないのですか。」

父「今は使ってはおらず、農機具置き場になっています。」

丸山「さー。じゃあ家の中におじゃましてよろしいですか。」

ナレーション「お客さんを家の角まで迎えに出て、また角まで見送る。ご主人はおばあさんから教わった事を、40年におよぶ民宿経営の中で守ってきました。そして必ず、囲炉裏の火が暖かく迎えてくれます。」

城戸「こんにちは。わーなつかしい感じ。」

丸山「こんにちは。お世話になります。」

母「どうも。ようこそ。こんにちは。」

ナレーション「奥さんの郁さんは、春は裏山の山菜、そして初夏から秋にかけては、家の畑で作った採れたての野菜でもてなしてくれます。昔この地の神様が、里芋の葉で滑って転び、ごまの葉で目を突いてしまいました。」

ナレーション「だから畑には里芋とごまだけはありませんが、丹精を込めて作った野菜はどれもおいしそうです。」

ナレーション「囲炉裏のまわりには、自然と人が集まるそうです。」

ナレーション「そして初対面同士でも不思議とうちとけて話がはずむのだそうです。」

ナレーション「食事もまたこの囲炉裏のまわりです。畑からの野菜がおいしそうに並びました。」

(グリーンアスパラの塩ゆで)

ナレーション「そして奥さんの自慢の料理が、この茶碗蒸です。お味噌が乗っていますが、中身もちょっと変わっています。」

城戸「お味噌。」

丸山「お味噌の味がしますね。」

城戸「えっ。なんでしょう。あれっ。お豆腐の味がしますね。」

母「お豆腐はお豆腐ですけれど。」

城戸「湯葉ですか。」

丸山「とろっとして、もちもちっとした、この食感。これは伊藤さん、何ですか。」

母「ごま豆腐です。」 城戸「あっ。ごま豆腐。香ばしいですね。」

丸山「うん。」

丸山「この囲炉裏がまた、年期が入っているじゃないですか。」

父「そうですね。この家を建てた時の物では無くて、前の家のものを持ってきたようです。」

丸山「はー。」

城戸「それはいつ頃なんでしょうか。」

父「いやー。ちょっとそれは分からないですね。江戸時代でしょうね。」

父「私の家は、私で8代目。今年で288年目になります。」

城戸「さっきから気になっていたんですけど、囲炉裏の角にまあるい石がありますね。」

父「これは囲炉裏の守り神です。子供が囲炉裏に落ちないように、身代わりになって囲炉裏の中に落ちて、これが焼けて子供を守るというためのものなのです。」

城戸「子供が囲炉裏に落ちないようにという事なのですか。」

父「そうです。」

城戸「子供の頃からずっとこの囲炉裏の思い出というのはあるのですか?」

父「私は最後の徴兵で、42日間の帝国軍人ということで、終戦後、鳥取の原隊から丸一昼夜かかって帰ってきたのです。」

父「今思い出しても涙が出てきますが、夜9時半頃最終列車を降りて、10時過ぎに玄関をあけて入ってきたら、まあ父はその前に戦死していたのですけれども、母も祖父も祖母も兄弟もみんながここに飛び出してきて、すぐに囲炉裏の火をつけてくれたのです。あの時の囲炉裏のありがたさは、一生忘れる事ができませんね。」

丸山「当時のパチッパチッと言う火の音も覚えていますか。」

父「ええ。」

城戸「家に入ってきた時に火が燃えていて、ご主人も表まで迎えてくださったし、迎えてくださる気持ちがすごく強いように感じて、とてもうれしかったです。」

ナレーション「ご主人は、火の消えたような家とはよく言ったものだと、しみじみと囲炉裏端の人のぬくもりの話をしてくれました。」