映画「芸州かやぶき紀行」を観に行ってきました。
私の腰椎椎間板ヘルニアの経過なのですが、昨日の午後から第2回目の神経根ブロック治療を行い、夕べからすっかり痛みがなくなったので、主治医の先生の許可をもらって本日この「芸州かやぶき紀行」の映画を病院から30分ほどのところにある横川シネマへ見に行ってきました。この映画を上映していることを知ったのは、同じ病室の方から見せてもらった8月4日付の中国新聞の10面に、広島市西区の横川商店街で、シンポジウム「かやぶき職人大集合」が行われたとの記事の中に載っているのを偶然見つけたからでした。
このシンポジウムは現在、横川シネマで上映されている映画「芸州かやぶき紀行」の上映に合わせて行われたもので、茅葺き職人5人がパネラーとなって茅葺きの魅力を語ったそうです。京都美山の茅葺き職人塩沢実さんは、茅葺き屋根は「自然と共生する住宅」であり、オランダやイギリスでも人気が高まっていることを紹介されたそうです。私の所属している日本民家再生リサイクル協会からも数名の方が参加されたとの事でした。県内の茅葺き職人のドキュメンタリー映画「芸州かやぶき紀行」の上映は今日、8月9日までということで、昨日ブロック治療を行って一時的に痛みを止めてくれ、この映画を観る機会をつくってくれた主治医の先生に感謝しながら行ってきました。
この映画の撮影、構成、語りは広島市在住で新聞記事のシンポジウムにも参加されたという青原さとしさんです。明治の後期から昭和30年代まで広島県の茅葺き職人は「芸州屋根屋」と呼ばれて、西は山口、福岡から東は京都、滋賀まで出かけて茅葺き屋根の葺き替えをやっていて高い評価を得ていたそうです。この映画は、現役を引退した職人さんや、現役の職人さんが自らの体験を語ったドキュメンタリー構成でした。下の写真は入口で販売していた映画のパンフレットの表紙です。青原さんが自費出版されたもので、通常1200円のところ映画館販売のみ1000円ということで早速購入しました。
特にすごいと思ったのは、芸州の茅葺き職人さんは、「カマバリ」と呼ばれる道具を使って一人でも作業ができるようにしているのです。この「カマバリ」は、長さ1mほどの樫の木の棒の先端に直径3cm程の穴が開いていて、反対側の先端は鎌になっているのです。穴の開いている方は、茅を縄で垂木に結束するときの針に使い、鎌はその縄を切ったり、茅を整えるために使うのです。この道具を使うと非常に効率よく作業ができるという事でした。よく考えたものです。以前このブログでも紹介したように、私の実家のほうでは「針取り」といって屋根裏に人が入り、外から刺した針についた縄を屋根裏で受けて屋根の外へ返してやるのですが、出稼ぎで一人で仕事をすることが多かった「芸州屋根屋」の一人で作業するための知恵の道具のようです。あとから出てきたのですが、広島でも豪雪地帯の屋根の傾斜が急な地方では白馬と同じく長い針を使って「針受け」という作業をしていたようです。屋根の傾斜が緩く、茅の厚さが薄い平地の民家だから使うことができた道具のようでした。
映画が終わると、後ろから出てきた一人の男性が舞台の前で話を始めました。なんとこの映画をつくられた青原さとしさんでした。最終日の上映ということで、挨拶に立たれたとの事でした。この映画にまつわる話で、京都の美山の茅葺き屋根では琵琶湖のヨシを使っているとの事で、琵琶湖のヨシを刈ることにより残った株のフィルター効果で川の水がきれいになっているお話しなど、楽しい話を20分ほどお聞きすることができました。映画館を出ると外に青原さんがおられたのでパンフレットにサインを頂きました。色々お話をしたかったのですが、私の後ろにサインを求める方が並び始めたので、お礼を言って帰ってきました。
久々に外出して気分転換ができましたし、良い映画を見ることができ最後に舞台挨拶も聞くことができて本当に良かったです。でも、明日からまたあの痛みが戻ってくるかと思うと少し憂鬱です。