鸞鳳 / 高田裕三 | michyのブログ

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ダラダラした日常で興味を持ったことを、ぼちぼちと書きなぐります。

先日3×3 EYESの続編 の話を書いたが、
CAPTAINアリス (これはこれで非常に面白かった)完結後にもう1作あったのを
正直知らなかった。


浅草を舞台としたオカルトというかダークファンタジー。この人の得意分野で、
しかもさらっと(でもないか)集団的自衛権云々まで出てくる。
連載開始時が安倍首相の集団的自衛権の容認発言以前だけに
非常にタイムリーっちゃあタイムリー。
ただ、この作者、下手に社会ネタを盛り込んで、ブッキングライフ(心臓移植)や
CAPTAINアリスの1エピソード(某在日外国籍一家)などで失敗しているが・・・
この作品ではそこまですら行かなかったな、残念ながら。
(3つとも、特定の思想に偏ってなくて考えさせられる話を作っているのは評価する。)

1巻は面白い。
多方面に風呂敷広げ捲くった感じで、事件のあらましも、
主役を含んだ登場人物の正体も、周囲の思惑も、
色々と想像を駆け巡らせることができた。
出だしのエピソードが解決しても、それが非常にいろんな立場の人間の
複雑な事情が絡んで問題化していくだろうなあとワクワクさせられた。

ところがなあ・・・2巻の途中で一気に風呂敷畳み掛ける。
せっかくの謎めいた登場人物が一気に心変わりして主人公に味方するし・・・
伏線を張り巡らそうと用意しているうちに打ち切りが決まったんだな。

3×3 EYESは6巻以降は約半分で纏めれば大傑作と思ったが、
この作品は逆、これじゃあ食い足りないわ。
2巻最終シーンから数話連載で雑誌終了、大幅加筆して3巻発売のつもりだったらしいが、
結局作者の考えや出版社の都合やらで、今のところ3巻発売予定は無いらしい。
もったいない。

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