観桜の旅(2/7) 四日市あすなろう鉄道 | michyのブログ

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ダラダラした日常で興味を持ったことを、ぼちぼちと書きなぐります。

土曜日朝に尋ねた四日市あすなろう鉄道。
この4月1日に近鉄内部線と八王子線が分離された会社で、鉄道施設の保有事業者と
列車の運行事業者を分ける上下分離方式の「公有民営方式」で発足した。

近鉄時代から、内部線と八王子線は高架化した近鉄四日市の他の路線とは道路を隔てた
別の建屋にある。案内が別になっただけで、一気に別会社になった感じにも見える。


近鉄四日市改めあすなろう四日市から西日野へ。
「土曜の朝だから通学客が見られるなあ」と思っていたおいら。
何のことは無い、春休みだった。orz


しかし、朝の客の流れは四日市方面に偏っていると思ったので、逆方向の西日野行きの
乗客が座席定員の半分以上なのを見てちょっと驚いた。

「言葉の意味は解りませんが、『ジョシコーセイ』というどこか甘酸っぱい響きを持った言葉が、
ふと…脳裏をよぎるのです(ボルトカッツェさん談)」


西日野から日永まで戻るのに、今乗った電車に乗るのはちょっと気が引ける。
そんなに長くない距離だし、歩くことにした。
並行して三重交通のバスが通っている。郊外にもかかわらず、5分ほど遅れていた模様。


日永から内部へ。八王子線より路線長が長い内部線、少し時間が経ったこともあり
結構な乗客数だった。


内部から四日市に戻る。南日永でほぼ席が埋まった!



以下、考察と雑感。
四日市あすなろう鉄道の語源は、ナローゲージの「ナロー」に「明日」と「あすなろ」を
かけた名前。ナローゲージとは、762mという線路幅のことで、日本の営業路線では
ここと三岐鉄道北勢線、黒部峡谷鉄道のみ。
冬に撤去する前提の黒部峡谷鉄道は別にすると、はっきり言うと時代の遺物だ。
(近代化への投資を怠った近鉄を糾弾するブログを見たこともある。
それほど順風満帆ではなかった近鉄の経営状態を加味するとちょっと言い過ぎでは
とも思ったが、伊賀鉄道&養老鉄道のこともあるし、ある意味事実ではある。)

最初に内部線と八王子線に乗ったのは15年ほど前。そのときは休日の昼間
だったためか、もっと客が少なかった。その頃はまだ路線廃止の話は出ていなかったが、
内部線と八王子線のどちらも三重交通バスが並行しており、設備の老朽化も含めて
バス転換もやむを得ないのかなあと言う印象を持っていた。
だが、今回客の多い時間に乗ってみると、バスで捌くには結構な増便を考慮しないと
いけないなと思った。
BRTへの転換を提示した近鉄に対し四日市市が反対。紆余曲折を経て、
今回の四日市あすなろう鉄道設立となったわけだ。
確かに乗客が減り続けて最盛期の半分以下にはなっている。
が、両線あわせて7.0kmの短い距離に、1日当たり約1万人は少ない数ではない。
おいらが乗った内部行きだとバス1台では足りなかった。
とはいえ、今や変則的な狭い路線幅で車両も独自規格を強いられ
それ以上に老朽化した地上設備の更新をどうするかの課題が残る。
BRTにして本数を増やすと言うのは、地上設備への投資を減らす意味では
一見現実的に見える。が、ここで線路幅の狭さ=車両限界の小ささが邪魔をする。
もっとも専用道化したい四日市駅付近の空間断面積が狭く、本当に大型バスが
通るのか(ちゃんと近鉄は検討してBRT化を持ち出したのか)甚だ疑問に感じる。
残すにしても、廃止するにしても、なんとも悩ましい。

ともあれ、四日市市は公設民営方式ででも鉄道を残すという選択を取った。
何とか成功を祈念する。

(つづく)