今日のリハビリ -7ページ目

確定診断25ヵ月目理学療法評価

ご無沙汰しております。


自分の病状(ヘルニアのことやら皮膚炎からくるリウマチ症状悪化と思われる騒ぎになったことやら)やリウマチ学会や講演会で聞いたことなどネタはあるのですが、時間をかけて記事を投稿できる状況ではありません。ごめんなさい。


そうこうしているうちにリウマチ確定の診断(2010.4.30)から2年余り経ったので、自分なりに評価しようと思いました。同業者寄りの記事になりますが、ご容赦を。(日時記載のないものは、2012.6.1評価)



筋力

MMT(徒手筋力テスト)は自分ではできないので省略。全て3以上(重力には逆らえます)。

握力:スメドレー握力計で右22kg、左20kg(2012.5.2)


関節可動域(自動):制限部位のみ 制限因子:全て痛みによる制限ではない

右肩関節屈曲 170°(参考可動域180°他動では180°)

左右前腕回外 110°(同90°)

左手関節橈屈 15°(同25°)

今日のリハビリ 画像では15°より頑張ろうとして示指MPが屈曲(代償)



左右手関節掌屈 75°(同90° 他動85°但し尺屈方向に逃がすと90°

ちなみに背屈は80°で参考可動域75°を越えている)
今日のリハビリ 掌屈(前腕回内位)
今日のリハビリ 背屈(前腕回内位)

右手中指PIP伸展-5°(他動0°1年以上放置したPIP滑膜炎、背側軟部組織腫脹による制限)


今日のリハビリ

左右足関節背屈 10°(参考20°・・・元からかたいんです)


あと、制限とは言わないですが、両肘関節伸展0°(参考5°。元から過伸展無し)


痛み:

安静時痛:両前腕腹側部(1ヵ月中2~3日程度 把握時にVAS6~8に増悪)

圧痛:腫れていない時は無し

荷重時痛:右足第1指IP(1ヵ月中ほぼ毎日)、左足MTP(1ヵ月中20日程度)

動作時痛:階段昇段時と床からの立ち上がり時に両膝関節軽度の深部痛。(1ヵ月中20日程度)

       両肩関節屈曲及び伸展内旋時に軽度の深部痛(1ヵ月中15日程度)


VASスケールでは1~8の間で日内変動、月内変動あり。

      

感覚:自分ではできないので省略。異常感覚なし。


神経学的テスト:(2012.5.2)

深部腱反射:左上腕三頭筋(+) 

錘体路徴候:(-)

ヘルニアの経過観察のため、元主治医が実施。頸部MRI画像は著しく改善している。


基本ADL(日常生活活動):

FIM(機能的自立度評価法):運動91/91 認知:35/35 計126/126(・・・と思うけど・・・)

(2010/12/27評価 運動89/91 認知32/35 計121/126、と上司に送ったメールより。認知、おい!)



赤字はリウマチの影響を否定できないものです。


今のところは関節構成体の要因よりも軟部組織(主に尺側手根屈筋、腕橈骨筋、回内筋)と、それによる橈骨の腹内側偏位(正確には遠位は背側、近位は腹側)によるものかとは思いますが、今後注意が必要。(ゼロバリアントかどうかは画像撮影していないので不明)


手指や手関節(手首)の腫れている時はもちろん重量負荷はかけないように気を付けているのですが、わたくしの場合、「手の痛み」は手内筋や前腕の筋肉の「筋性疼痛」であることの方が多いです。そこで動かさないと手指の小さな筋肉や靭帯はすぐ固くなるので、痛みの質を見極めた上で、関節可動域訓練はまめに行った方がいいように思います。但し、正しい方向と方法で行うのが重要と思います。



ちなみに血液データ的にはRF100IU/mL前後、3ヵ月に1度ぐらいASTとALTの上昇があります。

DAS28(CPR)は概ね1~2.6(今日は1.6)、機能的寛解と言えるレベルですが、痛みは常にどこかにあります。


投薬はリウマトレックス4mg/週(肝機能障害のため発症時の6mgより減量)、4mgでは効果が若干弱いのでフォリアミンはほとんど飲んでいません。セレコックスは痛みがある時のみで、ここ2週間ぐらいはほぼ飲んでいません。(追記:書いた直後から痛み増強してほぼ毎日飲んでます・笑)



改めてわたくしのリウマチ確定診断についてですが、米国リウマチ学会基準(1987)の7つの基準は、(6)RF陽性、の1つしか満たしていませんでした。臨床症状的には朝のこわばり超軽度(5分以内)、大関節動作時痛1~2、腫脹関節時々1ぐらいだったのでこの時点ではリウマチと思いませんでした。


しかし、早期関節リウマチの診断基準(2010)での、A.腫脹・圧痛は大関節1か所(1点)、小関節1~3か所(2点)、B.RF,抗CCP抗体のいずれかが強陽性(3点=わたくしは両方とも強陽性だった)、D.罹病期間6週以上(1点)の、計7点で確定されました。


特に抗CCP抗体(正常値<5U/ml)が86.5U/mlと強陽性であることが決め手になりました。現在の臨床症状を見ると、診断は合っていたのでしょう。血液データ的には予後良好と言えない割に、症状も機能面も保てているほうではないかとと思います。


今のところ、最大持続歩行距離は少なくとも8km、階段歩行9階までの昇降可能(某所のエレベータが節電で停止しているんです)、1時間半程度の立位での電車とバス通勤は可能です。


★本日のリハビリ

最近ジムは週に1~2日ですが、本当は3日ぐらい行きたいなあ。

リウマチ・肩と膝の痛み

やはり続き記事は挫折しているPT(並)ですこんにちは。


おまけに今日の記事は思い切り同業者向けに書きました。

患者さんにはわからないことが満載と思いますがご容赦ください。



一昨年末からじわじわ痛かったり腫れたりの症状が続いており、「そういう病気だから」とあきらめてはおりました。しかし昨年末からは更に痛みが増強し続けてきたので「治験を中止して強い治療に切り替えようか」と悩みましたが、先週から若干ですが細かい痛みは改善傾向です。



治験のドクター(リウマチ指導医)は「多くの場合は、悪い時期もあればいい時期もある病気だから細かいことをくよくよしないように」とおっしゃいます。客観的にPTとしてのわたくしはその通りと思います。それでも状態が悪い時期には、積極的治療をしていないので治療内容が不安になります。素人の方なら尚のことと思います。そのぐらい痛みが増強するということは気分を萎えさせることだと実感しました。



とは言えわたくしもPTですから、自分でできることは自分で治療します。


その結果、肩周囲は痛めることが多いものの大概1~2日で疼痛を解消できています。

下手に関節包を痛めると痛みは1ヵ月ぐらいに及ぶので(経験済みです。あれは下になっている肩の痛みのために眠れなくなるから本当に辛い)早めに対応せざるを得ません。でも時々腱を痛めて1~2週間同じ痛みで苦しんだりしてます。


あくまでわたくしの場合、とお断りしておきますが、肩関節そのものは軽度の滑膜炎はあると思われますがはっきりとした腫脹になることはなく、大概インピンジメントが原因の疼痛になります。


何らかの原因で痛みが出はじめると、大胸筋やらbicepsやらの過剰収縮が出現してマルアライメントになり、痛みを増強することが多いようです。RAが原因でない疼痛が発端であっても、関節内の炎症を呼びおこして肩関節包内の遷延する疼痛になることがあります。



一方、1年余りに長引いた左膝関節の軽度の深部痛ですが、現在は深屈曲位からの荷重伸展時に残存するぐらいになりました。非荷重時の痛みは月に2-3日しかありません。それでも体調が悪くなると滑膜の炎症がくすぶる鈍痛は頻繁に出現します。



初期は膝関節滑膜の炎症が原因と思われましたので、筋トレは整形リハの本に従って、オープンでの筋トレを行っていました。。現在ではkneelingしても圧痛はありませんので(厳密には圧痛がある時は関節包内よりはクワド腱付着部、強圧迫で軽度の鈍痛)レッグプレスマシンを使ってクローズドで筋トレしています。


VMとRFを把持して収縮を促し、痛みが出ないのを確認しながら軽度の負荷からはじめ、体重程度の負荷でレッグプレスを行います。いわばDYJOCです。筋トレ前にpatellaと膝関節内外旋の動きは出しておきますが、患者さんに行うよりうまくできていません。方向的に自分では牽引が難しいです・・・


このトレーニングを始めてから、膝の痛みはかなり改善しています。


トレーニング当初は伸展最終域ではVMだけでなくRFが突然すこーん、と力が抜けることにかなり驚きました。RA患者の場合、内反膝より外反膝の方が多いらしいので、一般にVMよりVLが働かない方の方が多いかもしれませんがわたくしの場合はVMが駄目でした。


特に伸展から屈曲、屈曲から伸展の切り替え時は、hemiかってくらいにRFが機能しないことが動作時痛の原因となっていました。



あまりの左右差にこうまで働かなくなるものかとびっくりしました。何せレッグエクステンション(オープン)では片側15キロ挙がるのに、片側プレス10キロでラグこそありませんが、最終伸展域でRFがまともに働かないのです。現在ではほぼ修正されていますが、そのまま放置していたらOAになるかもしれません。


RAのOAの場合は骨棘ができないのが特徴らしいので、RAの炎症のせいか、機能的な原因か、どっちが変形の主因なのかはっきりしない(できない)気がしますが、全てが器質性の痛みではないと思われますので安易に安静を強いるのはどうかと思います。機能評価が必要なのは他疾患と変わりません。


RAの場合、日内、週内、月内変動があり、その時々で違う場所が腫れる可能性が十分ありますので、痛みの場所と原因はいつも同じとは限らないかもしれないです。そこが普通のOAと一番違いそうです。


整形リハの本ではRAにはオープンの方が関節を痛めないと書いてありますが、RAでも疼痛が出る局面というのは荷重時が多いと思います。


あくまで自分の体感ですが、疼痛がでる局面はコンセントリック、しかも初動時のように思います。逆に言うなら、エキセントリックでは痛みが出にくいので筋トレには使えそうです。



オープンですら痛みがでるようではクローズド訓練の適応外かもしれません。しかし、RAであろうと荷重時の痛みは、やはりクローズドで対応するのが適当、というのが実感です。・・・当たり前な結論ですみません。



★今日のリハビリ

電車の中で、吊革で体重負荷を調節しながら片脚立位での脚伸展-屈曲運動です。ちょっと怪しい(笑)

痛みについて

先日は、リウマチという病気だからといって、同病の患者さんの痛みをわかったつもりになってはいけないと、自分を戒める意味で「他人の痛みがわからない」という記事を書いたつもりでした。


が、「理学療法士は他人の痛みがわからないんだ!」と思われると全国80000人前後(協会登録は60000人程度)の理学療法士に対して全力で詫びねばなりません。今日は痛みについて整理しておこうと思います。


神陵文庫の『理学療法評価法』を写して註を入れていきます。

頑張ってなるべく註をいれますが、元文献が理学療法の専門書なのでわからなかったらごめんなさい。


痛みの存在意義


・はじめの1つは省略。(自然療法的にわかりやすくてよい説明がここに書いてあります。民間セラピストの方、ぜひこの本を買ってください)←ステマじゃなくて著作権のためです・笑。全部写しちゃダメですよね。



・痛みは、障害の分類では機能障害(impairment)の1つに位置付けられるが、関節可動域制限や、筋力低下などの誘因にあげられる以上、ただ単に機能障害の1つとして位置付けるには問題があり、慢性痛にいたってはそれ自体があたかも疾患のようにとれることがある

(註:痛みは通常疾患や受傷等の原因により起こる機能障害だが、慢性痛はそれ自体が可動域制限や筋力低下を引き起こす“疾患”とも言える)


・痛みがあると運動療法を円滑に進められず患者の治療や訓練意欲を低下させる。つまり、患者の訴える痛みの評価なくしては痛みそのものの治療はもちろんのこと、その他の治療・訓練が円滑にできない。



痛みの分類


(1)性質から見た分類


①1次痛(first pain):速い痛み(fast pain)

・痛みの原因となる刺激(侵害刺激)が加えられている間、刺すような鋭い痛み(鋭痛)として知覚される。

・局在性が明瞭である。(註:指で差せる)

・主にAδ線維により中枢に伝えられる。(註:太さと伝達速度は比例)

・末梢刺激または心理的要因で修飾されることはない。すなわち、慣れの現象は起きない。

(註:その痛みには馴れることもなければストレスによって増強することもない

・主に急性期の痛みを反映している


②2次痛(second pain):(slow pain)

・痛みの原因となる刺激(侵害刺激)が加えられて1秒後にうずくような鈍い痛み(鈍痛)」として知覚される。

・局在性が不明瞭で拡散する傾向をもつ

・主に2m/secの興奮伝導速度をもつC線維により中枢に伝えられる

・末梢刺激または心理的要因で修飾される。

・主に慢性期の痛みを反映している。

・理学療法場面で遭遇する痛みのほとんどはこれに属する。(註:理学療法の対象になるのは2次痛が多い。1次痛は理学療法としての対応は基本的にはRICE=安静・冷却・圧迫・拳上)


(2) 部位からみた分類


①表在痛

・皮膚に発生する痛みをさす。1次痛、2次痛ともに起こり得る。


②深部痛(deep pain)

・骨格筋、関節、靭帯、骨膜などに発生する痛みをさし、鈍く疼くような鈍痛(2次痛)が起こる。


③内臓痛(visceral pain)

・内臓に起こる痛みで鈍痛である。(註:内臓には痛み受容器はないはず。隣接する腹膜や胃の大網に炎症が及ぶと死ぬほどの激痛になると思うのでこの分類はわたくしとしては疑問)


(3)理学療法場面における一般的分類


①運動時痛

・自動運動あるいは多動運動時に起こる痛みをいう。

・痛みの原発部位から拡散するように、あるいはまったく異なる部位に痛みが生じることがあるが、それを放散痛(irradiating pain)あるいは関連痛(referred pain)という。

(註:原因以外のところに起こる痛み。多いのは内臓の痛みを皮膚の痛みと感じる関連(連関)痛)


②安静時痛(rest pain)

・安静時に起こる痛みをいう。


③夜間痛(night pain)

・夜間時に起こる痛みで、安静時痛として考えてよい。(註:活動性の高さを表すと言われる)


④圧痛(tenderness)

・痛みの部位を決定したり、痛覚過敏部位を探索したりするために圧迫刺激を用いるが、そのときに出現する痛みをいう。特に圧痛が強いところを圧痛点という。

・放散痛、関連痛を伴うことが多い。


⑤放散痛

・痛みの原発部位を視点としてその周囲に放散する痛みをいう。(註:神経痛は、末梢へ向かう放散痛が特徴)


⑥関連痛(連関痛:投射痛

・痛みの原発部位から飛び離れた部位に起こる痛みをいう。

例:狭心症発作の際に認められる左肩からその上肢にかけての表在痛の出現

中殿筋の後部線維の中枢側の圧痛点を強く圧迫すると、同側の坐骨結節から大腿後面一下側にかけて痛みが生じるなど。


評価方法については割愛します。


理学療法士は細かく問診してこのように分類して評価して、治療戦略を立てていきます。

そのため、文章で教えてくださっても一生懸命伝えようとしてくださることだけはわかるのですが、原因はわからないことも多いです。ご理解いただけると何よりです。


整形のドクターや、PTと話す時には、場所の他に痛みの質を「ぴりぴり」とか「じわーっと」とか「がんがん」とか擬態語を使うと、案外ヒントになったりします。ご参考までに。



★今日のリハビリ

ストレッチ40分、筋トレマシン3種20分、ウォーキングマシン35分。

運動学習により、膝関節伸展時のパテラのクリック音消失。1年以上続いた鈍痛はまだ残っているけど、この分だと消えるかも!