少年少女 -3ページ目

Gate Keepers

見上げる程の鋼鉄の扉の前には七つの椅子があり、
横一列等間隔に並べられたそれには独立した七人が座っている。
男、女、大人、こども、少年、少女、獣。
彼らは日々目の前の広間に投げ込まれる物事に各々の判断を下す。
全てはこの磨かれた大理石の上で始まり終わる。

侵入者を拒み、逃亡者を阻む。
門番はそのどちらの為にも在る。

家庭

長年、私の中にある結婚や子供を持つことに対する拒否感は、
自分の自由が制約されるからだと考えていた。
己の身ひとつならばすぐに行動できることも、
家庭をもてばそうはいかない。それが厭なのだと。

もちろん、それも大きな原因ではあるのだが、
更につきつめれば、家族、殊に子供を犠牲にしてしまうことが恐ろしいのだ。
自分の自由を優先することによって、その存在をないがしろにしたり、
制約によって「この子さえいなければ」と思ってしまうのではないかという危惧。
そして不完全な私の感情によって、与えるべき愛情が途切れたら。

はじめから完璧な妻も親もいないことは分かっている。
けれど、どうしてもこの不安感はぬぐいされない。

夢

イギリスには
"子供が空想の楼閣を創るのは構わないが、そこに住まわせてはならない"
というような内容の格言があるそうだ。

私は昔から空想好きな人間ではあったが、それらを現実と混同することはなかった。
むしろ現実世界とは意識的に区別していたように思う。
小さい子供にありがちな、
"もしも私が…だったら"というようなパラレルワールドを夢見ることは一度もなかった。
全くかけ離れた世界を0から自分で作り出すほうが面白かった。
現実に即した夢を見なかったのは、仮定でも「楽しい現実世界」を思い描けなかったからかもしれない。

眠りにつく前、退屈な授業中、私はそれらの世界に遊びに出かけた。
魅力的で開放的なその世界は、私にとって大きなものではあったが、
あくまで遊びにいく場所であり、私が住める場所ではないと感じていた。

稀にそのうちのいくつかを思い返すときがあるが、
どの世界にも私以外の人間は存在していない。