「そうか……秦さんは悪いやつだったのか……」
山本は玲奈からさっき電話で珠理奈の件を聞いた。
「スパイグループのやつだったんですか?」
美優紀が聞いた。
「あぁ……山田も居なくなっちゃったし……松井副組長には生きててほしいな……」
「ですね……ん?」
美優紀が何かに気づいた。窓のそとを見ている。
「どうした?美優紀?」
「そこに珠理奈さんがいます……」
美優紀が答えた。
「ホントだ、中にいれてあげよう」
「アレ、朱里と早紀は?」
李奈はトイレから帰ってきて、明場組の部屋を見渡した。
「あぁ、さっき帰ったよ」
篠田が襲撃されたあとを片付けながら言った。
「そう……アレ?何で指原さんが?」
李奈はいつのまにか居る指原に近づいた。
「あぁ、どうも、さっき朱里さんから連絡をうけまして……襲撃されたうえに、人まで殺されたと……だから、葉片組皆さんとあなたたちじゃ、片付けをするのに人手が必要そうだったんで来ちゃいました」
「ありがとうございます!!」
李奈はお礼を言った。
「指原さんね、優しいんだよ、遙組長が死んだってことを話したらスッゴい心配してくれたんだよ~」
中西が言った。
「うんうん、しかもちゃんと真実を突き止めるって言ってくれた~」
宮脇が言った。
「本当に優しいかたですよ」
大島も同意する。
その時、指原の携帯が鳴った。
「あ、電話だ!ちょっとすみません」
指原はそう言って一旦部屋を出た。
「松井副組長、逃げたんじゃないんですか?」
山本が聞いた。
「そうですよ、でも、一応難波組の皆さんにもお別れを言おうと思いまして……」
珠理奈が答えた。
「そうですか、わざわざありがとうございます」
「いえいえ……」
「松井さんは、このあとはどうするんですか?」
美優紀が聞いた。
「そうですね……とりあえず、点々としますよ」
そう言って、珠理奈は笑った。二人も笑った。
「それじゃ、私はこれで……連絡はできたら、いや、必ずします」
「……分かった、生きててくださいね、必ず」
山本が言った。
「そうですよ、絶対ですよ!!」
美優紀はそう言うと泣き出した。
「泣かないでください!!死ぬ訳じゃないんですし……」
珠理奈は二人にハグをして、部屋を出た。
「私たちも二人になっちゃったね……」
山本が言った。
「……頑張らないとね……」
美優紀が呟いた。
珠理奈は難波組のビルを出て、またあるきだした。
その珠理奈の後ろをつけてくる者がいた。
高橋朱里である。
続く