今日は旦那も年末で仕事、ワシもバイトでした。
子供には可哀想だけどもうすぐ冬休みでずっと休めるんだし。
ま、親の勝手なのでしょうな・・・
さて、昨日より書き始めたベタなヴァネさん編
本日2回目です。
さて、何回続くんだろ?自分でもまだ決まってません。
どぞ・・・・
「Novenber Rain」 その2 -ヴァネさん編ー
雨の中偶然バス停で出会ったヴァネスとの再会の日あたしは気だるい体で仕事をしていた。
あの雨の中さすがに濡れたせいか風邪をひいたらしい。
それでもあたしはこの3日間がとても待ち遠しかった。
彼から預かったあたしには大きすぎるリングを無くしてはいけないと自分のネックレスに通して
いつも身につけていた。
「ちょっと・・・空。あんた顔色悪いけど・・・平気?」
「ん?うん。大丈夫。今日は用事があるから。でも用事済ませたらゆっくり休めば大丈夫。」
「調子悪そうだけど・・・そんなに今日の用事って大事なの?」
「どうしても今日じゃないとね。会って返さないといけない物があって。今日じゃないと会えないし。」
「そうなんだ?でもあんまり無理しないでよ。」
「ん。ありがと」
あたしはそう友人に言いながら胸のネックレスのリングを確認した。
大事な用事があるときに限って残業が長引くのは何故なんだろう・・・
あたしは仕事をようやく終わらせて急いで会社を飛び出した。
「やだ・・・もう10分も遅刻してる・・・」
時計に目をやりながら必死に約束のバス停まで走った。
バス停に近づくと既に彼は来ていた。
「ハァ・・ハァ・・すいません!遅くなって・・・」
「走ってきたの?大丈夫だったのに。俺もついさっき来たばっかりだよ。」
「こ、こんばんは。お待たせしました。」
「こんばんは。顔真っ赤だ・・」
ヴァネスはあたしにそう言いながらニッコリ笑った。
「あ、久々に必死に走ったから・・・あ、そうだ。
これ・・・忘れないうちにお返ししますね。預かっていた大切な指輪。」
そう言いながらあたしはペンダントからリングを外して彼に手渡した。
「そんなところに付けてたんだ?大したリングじゃないのに。
大事に持っててくれてたんだな・・・サンキュ。あ、俺の方も忘れないうちに返さないとね。」
「傘ありがとう。助かった。それから・・・バスタオルは・・・」
そう言いながら彼が大きな手提げ袋をあたしに手渡した。
「え?何ですか?これ・・・」
あたしは袋の中を覗き込んだ。中にはラッピングされたハコが入っていた。
「ごめん。あのバスタオル俺が使ったら泥だらけになっちゃって・・・
同じの探したけど無かったんだ。」
「え?わざわざ新しいのを?そんな良かったのに・・」
「俺がセレクトしたタオルだから空が気に入るかわからないけど・・・
良かったら代わりに受け取って。」
「何かかえってスイマセン。普段使ってるバスタオルだったのに・・
せっかくなので遠慮なく頂きます。ありがとうございます。」
「いいえ。どういたしまして。」
「そうだ・・・これから時間あるかな?」
「え?特にこの後の用事ないですけど・・・」
「一緒に飯でもどうかな?俺今凄い腹ペコなんだ・・・」
「あ・・・でも・・・」
あたしはあまり体調が良くなかったしこれ以上彼に悪いと思っていた。
「駄目かなぁ・・?俺一人で飯食うのあんまり好きじゃないんだ・・・
それにこの前のクリーニング代も返してないし・・・
そのクリーニング代でお互い飯代払うってのじゃ駄目かな?」
そう言いながらあたしの顔を見て目の前でお願いと手を合わせている。
「あ・・・そういう事でしたら・・・ハイ。」
「良し!それじゃ行こうか!空は好き嫌いある?」
「いえ、特にはないですけど・・・今日はちょっと脂っこいものは・・・
でも男の人って脂っこいもの好きですよね・・・」
「あ、俺?俺もあんまり脂っこいもの得意じゃないから。平気。
この近くに知ってる美味しい店あるから行こう。」
そう言いながらあたしの前に手を差し出した。
「ホントは空に直接タオル選んで貰おうと思ったんだけどね。
きっと空はそれじゃ受け取らないだろうと思ったんだ。」
そうニッコリ笑って言いながらヴァネスはあたしの肩からタオルの入ったバッグを外して手にした。
町を歩くあたしたち二人はどう見ても周りから見て不釣合いだと思った。
彼はとてもファッショナブルで街行く人たちの中で注目を浴びていた。
本人といえばその視線を気にすることなく楽しそうに何かの曲を歌いながらも
歩幅の会わないあたしに合わせてゆっくりと歩いてくれていた。
荷物を持ってくれたりこういう何気ない心使いをさらりと自然にできる人だとあたしは感心していた。
「ん?まだ走ってきて暑い?何か顔まだ赤いけど・・・ダイジョブ?」
「あ、大丈夫です。普段走ったりほとんどしないんで・・」
後から歩くあたしのほうを向きながら歩いたままあたしの顔を覗き込んでくるので
あたしの顔はますます赤くなりそうだった。
「この先に野菜を色んな方法で上手く食わせてくれる店があるんだ。
そこで良いかな?今ちょっと身体絞っててそれに付き合わせちゃうけど・・・」
「あ、ハイ。あたしも野菜好きなんで。」
「なら良かった。凄い野菜料理のバリエーション多くてね。結構イケるよ。
あ、ここの地下に入ったとこだよ・・・」
あたしたちは入り口から地下へ入って店へ向かった。
店内へ入ると中はとても落ち着いた雰囲気だった。
あたしたちはその店内の奥のさらに落ち着いた席に通された。
「この辺結構来るんですけどこんなお店あるなんて・・・知らなかった・・・」
「でしょ?意外と知られてないんだ。良い店なのにさ。でもちょっとした隠れ家的な店で
俺にとってはかえってこの位のほうがありがたいけどね。」
「さて・・・何にしようか・・・空は何か食べたいものある?」
「あ、あたし初めてなので・・お任せしてもいいですか?」
「OK.じゃ俺に任せて貰うかな。」
ヴァネスが軽く手を挙げると店の店主がやってきた。
「あら・・・ヴァネス今日は一人じゃないんだ?珍しい。
へぇ・・・初めてだよね?アンタが女の子ここに連れてくるなんて・・・」
「あ、この人ここのオーナーのマキさん。俺の知り合いなんだ。
うるさいなぁ・・・マキさん。
いつものと適当にお勧めあったら持って来てよ。とりあえず肉ならチキンでね。」
「悪かったわね・・・うるさくて。はいはい。どうぞごゆっくり。」
そう笑って言いながらあたしにもニッコリ笑いかけてマキさんは料理の用意に行った。
「マキさんて素敵な方ですね・・・」
「ん?そうかな?ああ見えて結構大胆な人だよ。昔からの知り合いでさ。
俺が食えない頃良く世話になったんだ。」
「そうなんですか・・・優しい方なんですね・・・」
「ん。口は悪いけどねぇ・・・良い姉さんてとこかな・・・俺にとっては。」
「・・・・口が悪いは余計でしょ・・・ヴァネス。お待たせしました。」
そう言いながらマキさんが料理を運んできた。
「ほら。いつもの温野菜の盛り合わせと今日のチキンはサムゲタンにしておいたわよ
チキンはじっくり煮込んであるから軟らかいし。油落ちてるからスープをあんまり口にしなければ
ヴァネスにも大丈夫よ。」
そう説明した後にあたしの方を見ながら説明を続けた。
「それに風邪気味の人には身体の中から暖まるしね・・・」
「あ・・ありがとうございます。」
そのやりとりを見たヴァネスはハッとした顔をしてあたしを見た。
「あ・・赤い顔してたのって・・・・ゴメン!
やっぱりあの雨の中傘取りに行ったから・・・風邪ひいてたんだね?
俺気づかないでこんな所に誘っちゃって・・・・うわぁ・・俺最悪だぁ・・」
そう言いながら頭を抱えてテーブルに突っ伏していた。
「ちょっと・・何?こんな所って・・・ヴァネス・・・あんたねぇ・・・」
マキさんがヴァネスに向かってそう言った。
「あ、大した事ないんですよ。ホントに。」
「何言ってんの?そんなに赤い顔して・・普通気づくでしょ・・
ヴァネスあんたも気づかないとはねぇ・・・
ま、これ食べれば暖まって少しは良くなるわよ。さぁ召し上がれ。」
「美味しそう!早速頂いていいですか?」
「どうぞ。暖かいうちに・・・」
あたしはマキさんにお礼を言った。
「・・・・マキさんサンキュ。助かる。食べようか!」
「・・・美味しい・・・身体の中から暖まりますね。」
「大丈夫なの?ホントゴメン。俺全然気がつかなくて・・」
「あ、ホントに大丈夫です。寝れば治っちゃいますよ。
何かかえって心配かけちゃったみたいで・・ ゴメンナサイ。」
「いや・・それは良いんだけどさ。」
「あ、そういえば・・・あの後ちゃんと服買って着替えました?
ヴァネスさんこそ風邪ひきませんでしたか?」
「ん?俺?大丈夫だったよ。全然平気。」
「そういえば・・身体絞ってるって言ってましたよね?確か。
ダイエットですか?全然ダイエット必要には見えないけど・・・」
あたしは野菜を口にしながら尋ねた。
「あぁ・・・こう見えても・・・俺脱いだら凄いんだ」
「・・・え?」
「う、嘘だよ・・・今体絞ってるっていうのは贅肉を落としてるんだよ。」
「あ・・・なるほど・・ビックリした・・」
あたしの顔を見てヴァネスは笑いながらそう答えた。
「だから毎日のように野菜ばっかりの食生活なんだ。
ま、ここのお陰で野菜でも飽きずに美味しく食べれてるってことさ。」
「なるほど・・・でも確かに本当に美味しいですよね。ここのお料理。」
「そう?喜んでもらってよかったよ。
それに一人で食べるより誰かと一緒に食べるのも更に料理を美味しくさせるよね。」
「そうですね。」
あたしたちは話をしながら食事を楽しんだ。
ヴァネスは話も上手であたしは体調のことなど忘れて食事をしていた。
「マキさんごちそうさま・・・またね。」
「どうもご馳走様でした。」
「ヴァネスいつもどうもね。空ちゃん今度は一人で遊びに来てね。
空ちゃんとゆっくり話したいから。女同士の話ね。」
「あ、ハイ。是非またお邪魔します。」
「マキさん・・・二人っきりって何だよ?俺はのけ者?」
「あのね・・・女同士でしか解らない話ってもんもあるの。ね?空ちゃん。」
マキさんはそうあたしに言って笑いながらヴァネスをからかった。
「それじゃ・・又!」
「寒いから気をつけてね。空ちゃん。ヴァネス!ちゃんと送るのよ。」
「はいはい。解ってますって。マキさん又ね」
あたしたちはマキさんに別れを告げて店を出た。
「ご馳走様でした。何かクリーニング代よりもかえって高くついちゃったんじゃないですか?」
「ん?とんでもない。マキさんもオマケしてくれたしね・・・散々通ってるし。」
「ホントご馳走様でした。良い店紹介してもらっちゃいました。」
「いえいえ。 あ、寒くない?」
「あ、ハイ。スープのお陰で体ポカポカです。」
「でも・・・さっきより顔赤いけど・・・」
そう言われてあたしは頬に手を当ててみた。
「え?そうですか?体が温まってるからですよ。」
そう慌てて答えていたけれどあたしは周りの景色が少し歪んで見えていた
彼に気づかれないようにあたしは彼より少し前を歩いていた。
「ちょっと・・・こっち向いて」
「はい?」
あたしが振り向くと彼の大きな手があたしの額に当てられた。
その手は冷たくとても気持ちが良かった。
「・・・・熱ある・・・かなり高いよ・・・」
「あ、だから、さっき食べたから・・暖まったからです。」
「タクシーで送る・・・」
「あの・・・平気ですから・・・ホントに。」
「平気じゃ無いんだ。空が平気でも俺が平気じゃないから。」
「・・・・はい・・・」
あまりの迫力でヴァネスがそう言ったのであたしは大人しく彼とタクシーに乗り込んだ。
「家どこ?」
「あ・・ハイ。」
あたしは運転手に行き先を告げた。
「そこに先に寄ってください。その後そのまま俺乗りますから。」
運転手は車を走らせた。
「ゴメン・・ヤッパリ無理して付き合わせた・・空の体調悪いの気づかなかった俺の責任だ。」
そう言いながらあたしの頭を自分の肩に抱えるようにして
あたしの体重を自分のほうへ預けるようにした。
あたしは心地よくその感覚を感じていた・・・
「スイマセンでした。かえって迷惑かけちゃって。送って頂いてありがとうございました。
あ、タクシー代今度マキさんに預けておきますから。」
あたしはタクシーの中のヴァネスにお礼を言った。
「そんなの良いから。早く家に入って。すぐに休むんだよ?良いね?お休み!」
あたしはタクシーが見えなくなった後家の鍵を開けてすぐにベッドに潜り込んだ。
着替えることもつらくてとにかくそのまま眠った。
眠りながらあたしはほのかに自分の服に残るヴァネスの香りを感じて幸せな気持ちでいた・・・