「ハンニバル」 トマス・ハリス著 高見浩訳

「羊たちの沈黙」の続編です。 レクター・ハンニバル博士はやることがえげつないねえ。  というか、トマス・ハリスの想像力の自在さ、考えつく限りの悪徳。 人間の観念の実験だね。 どなたにでも、と勧められる本ではありませんが……。

 

 

「窓から逃げた100歳老人」 ヨナス・ヨナソン著 柳瀬尚紀訳

この本も、著者が考えつく限りのホラ吹き本で、笑いっぱなしの本だ。 老人ホームを逃げ出した100歳老人はなんとドラマティックで自在な一生を送ったんだ。 嘘だろう!! 著者のおじいちゃんは幼い著者に「まじめな話は面白くないだろう」と、ホラを吹きまくったらしい。 人間の精神の自在な飛躍に乾杯! どなたにもおすすめできる本です。

 

 

 

「イギリス式 おばあちゃんの知恵」で心地よく暮らす 井形慶子著

「イギリス 気ままカレンダー」 マークス寿子著

お友達のみばちゃんがイギリス人と結婚しているので、興味を持って手にした本です。 第二次世界大戦後、イギリスは戦勝国にもかかわらず国力が低下して、10年もの間、配給制生活を余儀なくされた。 その間にヴィクトリア女王時代からの質素倹約の生活態度が引き継がれ、古くからのおばあちゃんの知恵が代々途切れることなく主婦に伝わった。 それはすべての家事が手作業で、今あるものを最大限活用し、丁寧に暮らす。 エコで合理的な、でも豊かな暮らしです。 イギリス人にエコロジスト、動物愛護者、ヴィーガンが多いのが納得できます。これを読んで母ちゃんは紅茶にはお茶帽子をかぶせ、牛乳はミルク入れに入れ、カップにはソーサをつけようと思いました。 だって、ひと手間かけると、きちんとしてだんぜん感じがいいでしょう。

 

 

「最後は自宅で 30の逝き方」 高橋浩一著

広島で先進的に「在宅療養診療所」を開き、自宅緩和ケアを実践してきた高橋医師の実践記録です。 思えば、少し前までは、終末期は病院で死ぬ以外、選択肢はなかったのです。 入院すれば必ず「生かされ」、その後に長い寝たきりの日々が続きます。こういった医療の進歩により今はピンピンコロリはありえなくなっているのです。  しかしながら、ここに描かれた30ケースを読んで、「医療とかかわりたくない」「好きなものを食べて死にたい」「家で死にたい」、こう願う老人の願いをかなえるために、家族がどれだけ犠牲になっているか、という現実も垣間見られ、「う~む」と考んじゃいますね。 「一人で死ぬ」 難しいなあ。 これらの関連の本をもう少し読んでみましょう。