先日、平目のムニエルのお話をしましたが・・・

ムニエル:粉屋の娘から生まれた、バター香る魚の定番料理

1. 粉屋の娘の偶然の発見から生まれた「ムニエル」

ムニエルは、白身魚などの魚介類に小麦粉をまぶしてバターで焼いた、フランス料理の定番調理法です。シンプルな調理法ながら、外はカリッと、中はふっくらとした食感と、バターの豊かな風味が特徴です。

このムニエルという名前の由来には、興味深い逸話があります。フランス語で「ムニエル」は「粉屋の娘」という意味であり、

ある日、粉屋の娘がうっかり魚を小麦粉の入った桶に落としてしまったところ、慌てて取り出した魚は小麦粉まみれでしたが、娘は捨てることなく、そのままバターで焼いてみたのです。すると、なんと小麦粉の衣がカリッとした食感と香ばしさを生み出し、魚本来の旨味を引き立てたのです。とても美味しかったことからこの調理法が広まったと言われています。

2. 長い歴史を持つムニエル

ムニエルの起源は古く、17世紀頃にはフランスの家庭料理として広く親しまれていたようです。当時はバターの代わりにラードが使われていたこともあったようですが、19世紀頃になるとバターを使ったムニエルが主流となりました。

ムニエルはフランス料理だけでなく、ヨーロッパ各地で楽しまれるようになりました。イギリスでは「ソール・ムーニエール」と呼ばれる舌平目のムニエルが人気で、アメリカではレモン汁やケッパーを加えたソースで仕上げるムニエルもよく作られています。

3. 美味しいムニエルを作るためのポイント

ムニエルはシンプルな調理法ですが、ちょっとしたコツでさらに美味しく仕上げることができます。

  • 新鮮な白身魚を使う: ムニエルは魚の鮮度が味を左右します。可能であれば、活魚または当日中に釣れた魚を使用しましょう。
  • しっかり下味をつける: 塩コショウでしっかり下味をつけることで、魚の旨味を引き出すことができます。
  • 余分な水分を拭き取る: 魚の表面に水分が残っていると、衣が剥がれやすくなります。キッチンペーパーなどでしっかりと水分を拭き取りましょう。
  • 薄く、均一に小麦粉をまぶす: 薄く、均一に小麦粉をまぶすことで、カリッとした食感に仕上がります。
  • バターは焦がさないように注意する: バターは焦げやすいので、弱火から中火でゆっくりと焼きましょう。
  • レモン汁で仕上げる: 焼きあがった魚にレモン汁をかけると、爽やかな風味を加えることができます。