ACPと看取りについては、何度かお話したことがあります。今回は高齢者介護施設に勤められている方に向けての研修資料を作成しましたのでご覧ください。

高齢者を多職種で支える① ACPと意思決定の方法②見取り介護を理解するについてです

ACPとはアドバンスケアプランニングの頭文字をとってACPと言います

アドバンスとはあらかじめという意味で、

ケアは、医療、看護、介護を意味します

プランニングとは計画を立てるという意味です

自身で意思決定ができなくなった場合に備えて自分の望む医療処置をどのように選ぶかをあらかじめ計画することです

その内容には事前指示と代理意思決定者を決めておく必要があります

それではACPをいつ行うのか

状況は変化します、入所時、病状が変化したとき、回復の見込みがないと判断したときおいてACPを行う必要があります

事前支持とはアドバンスディレクティブズと言い、高齢者が自身の医療やケアに関する希望や拒否を文章化したものになります。

人工呼吸器や人工栄養の使用についての意思、心肺蘇生や延命治療の希望などを

事前指示として文章化します

 

代理意思決定者について

高齢者が自身の医師を表明できなくなった場合にその代わりに

医療やケアの意思決定を行う人のことです。

通常は家族や親しい関係者が代理士決定者となります。

人生の最終段階における医療ケアの決定プロセスについてお話します

十分な情報の提供を行った後に患者の意思が確認できる場合

患者と医療従事者が話し合い意思決定を行います。そして人生の最終段階における

医療とケアの方針を決定します。

患者の意思が確認できない場合、家族などが患者の意思を推定できる場合には

患者の意思を尊重し最善の治療方針を取り医療とケアの方針を決定します。

家族などが患者の意思を推定できない場合、患者にとって最善の治療方針を

医療ケアチームで方針を決定しますが、医療内容の決定が困難であったり家族で

意見がまとまらない場合に、専門家で構成する委員会を設置して検討助言を行います。

厚生労働省の令和4年度人生の最終段階における

医療ケアに関する意識調査報告書では人生の最後を迎えるにあたり

重視する点、一般国民3000人の回答では第5位家族と十分な時間を過ごせること43.4%

4位自分らしくいられること48.7%

3位経済的な負担が少ないこと55.9%

2位体や心の苦痛なく過ごせること60.2%

第1位は家族の負担にならないこと、これが71.6%で

最後を迎えるにあたり重視する点の1位は、家族の負担にならないことでした

人生の最終段階において望む医療処置

7位は胃瘻作成で7.6%、胃瘻はほとんどの人が望まない処置でした。

6位は人工呼吸器11.6%

5位は経鼻栄養で11.8%

4位は中心静脈栄養で19.4%

3位が心肺停止の時に心肺蘇生をしてもらうが20.7%でした。

2位は口から水を飲めなくなった場合の点滴56.2%

そして人生の最終段階において臨む処置一般国民3000人の回答の第1位は

病気にかかった場合、抗生剤を飲んだり点滴すること57.2%で

やはり最低限の治療として病気になった場合に抗生剤を飲んだり点滴することは

望むという結果でした。

明日に続きます。