以前の蛭川立先生のシャーマニズム分類によると↓

https://ameblo.jp/97116455/entry-12846001274.html 


日本文化には、(儒教的な)祭司と、イタコなどの憑霊型シャーマニズムはあるが、従来、脱魂型シャーマニズムの発想は表に出にくいか、そもそもないようである。

蛭川先生によると、脱魂型シャーマニズムは向精神性植物を高確率に使用する、つまりサイケデリックスの事である。

少し「サイケデリックスと文化-臨床とフィールドから-」武井秀夫、中牧弘允編から引用する。↓

 日本では最近まで幻覚キノコを初めとした幻覚植物が社会問題化することはなかった。せいぜい誤って食べ、急性幻覚症状から生じたパニック状態で精神病院に運ばれるケースが時々報告されるにすぎなかった。私たちも、幻覚キノコが日本に自生することを口外するのを避けてきた。ところがここ一〇年で事情が変わってきた。若者たちの間で、幻覚キノコやサボテンなど幻覚植物の乱用が急速に広がっている。今、幻覚キノコは脱法ドラッグの代表として話題を呼んでいる。

それではなぜ現在の若者が幻覚植物の虜となるのであろうか。もちろん、幻覚植物を聖なる植物として、宗教目的で利用する文化は日本に存在しない。グアテマラの子どもが、内戦や極貧の生活の中で傷ついた心を癒すため、幻覚キノコを使用していたように、日本の若者も傷ついた心を癒すために脱法ドラッグに溺れているように思える。


やはり下線部の通りである。そしてこの論調自体が、つまり脱法ドラッグに溺れているという見方自体が脱魂型シャーマニズム的な発想に慣れていない人間の物の見方に過ぎない。結論、日本人のサイケデリックへの考え方にはそもそも欠落があったのである。日本人が無い事にしたがる思考の欠落に気付いてそれを実践してのけたのはサイケデリックス文化に染まった若者の方である。私がサイケデリックスを全面的に支持するのはこのためである。

因みに脱魂型シャーマニズムの発想が日本に根付きにくいように荘子も日本人が真に認めたがらない筋書きである。してみると、荘子は脱魂型シャーマニズム的なのかもしれないと少し思った。(詳しく調べたわけではないから違うかもしれない。)

また、臨死体験、体外離脱やヘミシンク、宇宙人遭遇などの形で少し日本にも脱魂型シャーマニズムの発想が入ってきている。それを推進するのが良いだろう。