延命治療する?しない?
今回も、延命治療について考える![]()
前回↓
今日は『胃ろう』について学ぼう。
海外では認知症の患者さんの末期で、胃ろうなど延命的な処置をすることは【虐待】だと考えるようだ![]()
口から食べられなくなった段階で、それ以上の治療を行うことはない。
北欧などの社会福祉先進国は、胃ろうなどの延命処置を選択しないため、寝たきりがないといわれているそうだ。
そもそも胃ろうとはなんだ?
どうやって造るの?![]()
口から食事ができなくなった場合やうまく食べられない人に、直接胃に穴を開けて管を通し、そこから栄養を入れるのが【胃ろう】です。
『装着のしかた』
胃ろうをつくるには、内視鏡を使います。
お腹に5〜6㎜程度の穴を開け、そこから胃まで管を通します。
手術は出血もほとんどなく、5分から10分程度で終わります。
このとき弱い麻酔を使うので、苦痛は軽減されますが、穴を開けたあとは多少痛みが残ります。
しかしこれも自然に消えていきます。
胃ろうに入れた管は簡単には抜けないようになっています。
管から入れる栄養液を送るスピードは、調節ができるようになっていて、通常は1時間あたり200c c程度のスピードで注入されます(点滴のように高くつるした入れ物から注入します)。
『メリット・デメリット』
胃ろうに入れた管は異物なので、約4ヶ月から半年に1回くらいは定期的に交換する必要があります。
しかしこうしたメンテナンスのほかは、穴の消毒などもふだんは必要ありません。
このように、胃ろうをつくるメリットは、管理が楽であるということでしょう。
また、胃ろうは完成さえしてしまえば、苦痛をともなうことがほとんどありませんし、服を着ていれば、見た目にもわかりません。
当然ながら、食べたものはお腹から出てきたりはしませんし、シャワーはもちろん、お風呂にも普通に入れます。
経管栄養のように管がはずれる心配もないので、認知症の患者さんが管を抜いてしまうような危険も少なく、手足を縛らなければならないようなこともありません。
胃ろうをつくったあと、全身状態がよくなれば、口からふつうにご飯を食べることもできますし、鼻に管が入っている場合より、食べるリハビリもしやすいため、回復が見込める人には胃ろうは適していると言えるでしょう。
このように、胃ろうは栄養を腸から吸収させる方法としては、非常に優れた方法です。
しかし、優れた方法であるからこそ、認知症の末期や、脳卒中で寝たきりの人に胃ろうをつくると、状態が変わらないままずっと生き続けることになったり、先同様、口から食べ物を味わって食べるという、喜びが得られなくなるというデメリットがあります。
子どもに迷惑かけたくなければ死の迎え方は自分で決めておきなさい 米山公啓
口から食べられなくなった患者さんが栄養をとる手段として、胃ろうほどすぐれたものはない。。
しかし。。。余命いくばくもない患者さんや、意識状態が悪い、かなりの認知症が進んだ方にも、本当に胃ろうは必要なのだろうか?
本人が胃ろうを造ることに同意していなくても、胃ろうは造られる。。
胃ろうはすぐれた技術だが、問題なのはその使われ方なのだ![]()
ここからは、こちらの本↓
から、まとめる![]()
僕が胃ろうの問題について真剣に考えはじめたのは、十年ほど前、老人介護施設をたずねたときです。
胃ろう患者さんばかりが集められた部屋を初めて見たときは、あまりのショックに言葉が出ませんでした。
ベッドの上には寝たきりのお年寄りがたくさんいます。
認知症が進んで意思表示もできず、目を開けたり閉じたりする程度で顔には表情がありません。
声をかけても反応がありませんから、診察のために身体を横に向かせようと動かすと、ごろんと向こう側に転がっていきそうです。
手足の関節が硬直して、まったく身体が動かせないのです。
三十年くらい前まではお年寄りは寝たきりが当たり前でしたが、その後リハビリ技術の進歩により、寝たきりは少なくなってきました。
しかし胃ろうが造られるようになって口から食べられなくなっても長期に生き続けることが可能になってから、再び寝たきりの方が多くなってきたといいます。
関節を動かさない状態が続くと、周囲の筋肉や靭帯も硬くなって関節の動きが悪くなります。
この状態が長く続くと、関節が動く範囲はどんどん狭くなり、最後には本当に動かなくなってしまいます。
これを『拘縮こうしゅく』といいますが、介護施設を訪問すると、胃ろうをつけられたお年寄りにはかなりの割合で拘縮が見られます。
拘縮は予防が大切で、進行すればするほど、回復は難しくなります。
しかし、生きる意欲や動く意欲のないお年寄り一人ひとりに予防対策をするのは、人手不足に苦しむ現在の看護や介護の現場では困難です。
本人もつらいでしょうが、介護する側の負担も増します。それでなくても忙しい介護スタッフに、改善のためのケアができるとは思えません。
拘縮は進む一方、つまりこの方々は息を引き取るその日まで、自分の身体をまったく動かすことができないまま、ベッドの上で寝たきりで過ごすしかないのです。
しかも、胃ろうによって栄養だけは補給され続けるので、場合によっては何年もこの状態で過ごすことになります。
その原因はさまざまですが、一つには病院の事情があります。
1990年代後半の診療報酬の改定によって、長期入院患者の診療報酬は引き下げられました。
それまでは病院を介護施設がわりにして何ヵ月も入院しているお年寄りが少なくありませんでしたが、現代の診療報酬体系ではそんな患者さんばかりでは病院は赤字になってしまいます。
病院としては、治療がすんで危険な時期を脱した患者さんには、どんどん退院してもらわなくてはなりません。
そもそも大病院のほとんどは『急性期病院』、つまり緊急・重症な患者さんのための場所ですから、病態が安定した患者さんにいてもらうわけにはいかないのです。
ところが、「そろそろ退院を。。。。」と言う医師の言葉を喜ぶ家族はほとんどいません。
ほとんどの方が「こんな状態で退院させられては困る」と言います。
お年寄りの場合、元気になって退院する、なんてケースはほとんどなく、たいていは入院する前よりも弱々しくなります。
だから本当はお年寄りを安易に病院に連れて行ってはいけないのです。
急性期病院は設備もしっかりしたいわゆる「いい病院」ですので、家族としてはできるだけ長く「いい病院」に入院していてもらいたいのです。
では、退院をしぶる家族に納得してもらうためには?
医師は退院後、療養型病院や介護施設に入ってもらうことを考える。
そしてこのとき、施設側から「胃ろうを入れること」を受け入れ条件にされるケースが多い![]()
高齢になったり脳の病気になったりすると、ものを飲み込む力(嚥下えんげ)が弱くなることがあります。
お年寄りが入院したとたんに体力や筋力が低下したり、歩けなくなったりすることはよく言われますが、同時にものを飲み込む力も衰えます。
病気の治療をしている間に、あっという間に衰えます。
ものを飲み込む力が低下すると、食べ物や唾液が食道や胃に行かず、気管に入り込んでしまうことがあります。
健康な人なら気管の入り口に入ったところで、むせて排出することができます。
ところが飲み込む力が弱まっているとむせるだけでは出すことができなかったり、むせること自体ができなかったりします。
こうして食べ物や唾液が肺に流れ込んで起きる肺炎を、『誤嚥性肺炎』といいます。
これを防ぐために、ものを飲み込む力が衰えた場合には、とろみをつけて「とろみ食」や食材を細かく刻んだ「刻み食」が用意されます。
施設側にとっては、用意するのも大変ですし、食事介助にも手間がかかります。
患者さんがむせ込まないように、ゆっくり時間をかけて少しずつ口に運ばなければならず、慢性的な人手不足に苦しむ療養型病院や介護施設にそんな労力がさけるはずもありません。
チューブで栄養を流し込むだけの胃ろうのほうが、ずっと効果的です。
こうして家族と病院と施設の都合が絡まり合い、本人の意思とはまったく関係ないところで胃ろうが造られていく。。。![]()
著者・萬田さんは、胃ろうはすぐれた技術ではあるが、絶対に安全なわけではないと言っている。
胃ろうは、栄養を点滴のようにチューブに入れて注入するが、胃に入れた栄養が喉まで逆流してしまったときに、肺炎を起こす可能性がある![]()
咳をしても気管の痰や分泌物を出すことができない状態では、逆流した栄養が気管に入りやすいからだそうだ![]()
だから胃ろう患者さんには吸引器がセットになることが多いが、吸引器があっても、すべての分泌物をスタッフが吸引することは不可能らしい。。。
【実は誤嚥性肺炎にならないために胃ろうにした患者さんのほうが、誤嚥性肺炎になりやすいという考え方もあります。少なくとも「誤嚥性肺炎を起こしやすいから胃ろうにしましょう」という言葉は、胃ろう患者さんを多く診ている医師からは出てこない説明です。】
。。。![]()
胃ろう。。。私は断固拒否したいです。。![]()
最後まで読んでくれてありがとう![]()
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