平野啓一郎の同名小説の映画化。
バツ一で男の子の母親である里枝(安藤サクラ)が営む文房具屋に画材道具を買いに来る無口な青年。
彼は伊香保温泉の旅館の息子で実家を離れ林業に従事している“ダイスケ”(窪田正孝)。
ほどなくして里枝とダイスケは付き合うようになり再婚して娘が生まれます。
伐採中に倒木の下敷きになりダイスケはあっけなく死亡します。
死んだ後、ダイスケは伊香保温泉の旅館の息子でないことを知った里枝は、知り合いの弁護士に調査を依頼します。
弁護士の城戸(妻夫木聡)は関西弁の中北(小籔千豊)と共同で弁護士事務所に働いています。
刑務所に服役中の詐欺師(柄本明)が戸籍の交換の仲介をしていたことを知り面会に行きますが翻弄される城戸。
「先生は在日でしょう。顔を見たらいっぱつですよ」
「先生は朝鮮人のくせに私を見下しているでしょう」
城戸も妻(真木よう子)の両親から「三代経ったらもう日本人よ」と暗に出自を咎められています。
“ダイスケ”の正体が徐々に明らかになるにつれ、城戸も自分自身が何者なのかわからなくなってきます。
私たちにまとわりついている外見や肩書が全部はがれた後に残る個人とは一体何者なのでしょうか。