●本日のお稽古
システマは古代ルーシの格闘技ですが、現代日本において格闘技を学ぶ意義はどこにあるのでしょうか?
若い時は、「喧嘩に強くなりたい」という理由が一番でしょう。あるいは「心身ともに強くしたい」という理由もあるかも。
しかし、私のように50歳を目前になってくると格闘技(システマ)を学んでいる理由も変わってきます。
今では、「自分自身を知ること」と「体をより自由に動かしたい」ということでしょうか。
私たちが科学の恩恵を受けて近代的な豊かな生活を享受するようになってから、150年足らずしか経っていません。(日本の場合)
それまでは、身の丈に合った生活をして自然と共存してきました。
産業革命後、科学技術の力で自然をコントロールし、必要以上の豊かさを身につけることができました。
また、わずか十数年でインターネット環境が整備されて、莫大な情報をコントロールするようになりました。
しかし、それは本当にコントロールできているのでしょうか?むしろコントロールされているのでは?
私たちは自分自身の身体すらまともにコントロールできていないのではないでしょうか。
情報に踊らされ、物質文明に肩までどっぷりと浸かり、自分の身体を蔑ろにしてきているとしか思えません。
昔の人の方が自分自身をよく知っていたのではと思うことがしばしばあります。
システマに限らず、ヨガや操体、太極拳、能、歌舞伎、舞踊などは身体にアクセスする方法論を持っています。
以前、システマと平行して韓氏意拳を半年ばかり学んだことがありますが、中国武術の精華も自然との調和を重要視していました。またご縁があれば学びたいですね。
自分の体は小宇宙であり、まず自分自身の体にアクセスすること、それが宮本武蔵の「彼を知り己を知れば 勝すなわちあやうからず 」「 天を知り地を知れば 勝すなわちまっとうすべし 」に通じるのではないでしょうか。
普段はあまり深いことなど考えていませんが、時々初心にかえることも必要なのかもしれません。
とはいえ、システマをこうして続けていられるのは、私よりも年上で優れたシステマ使いの方や、若くても熱心にシステマを学んでいる仲間がいるからかもしれませんね。 感謝。