参考
ちなみに作詞、作曲、編曲は同じ方による同一楽曲である。
原盤番号 K226
1957年(昭和32年)11月
作詞 南条歌美 ナンジョウ ウタミ
作編曲 細川潤一 ホソカワ ジュンイチ
太平記に登場する後醍醐天皇と児島高徳(こじま たかのり)の忠義桜の伝承が元ネタの流行歌。
歴史ネタの歌は独特の雰囲気があって重たいですが、結構好きです。
桜ほろ散る院の庄
遠き昔を偲ぶれば
幹を削りて高徳が
書いた至誠の詩(うた)がたみ
君の御心(みこころ)安かれと
闇にまぎれてただ一人
刻む忠節筆の跡
めぐる懐古に涙湧く
「天、勾践(てん こうせん)を空(むな)しうするなかれ
時に范蠡(はんでい)なきにしも非(あら)ず。」
風にさらされ雨に濡れ
文字はいつしか消えされど
つきぬほまれの物語
永久(とわ)に輝く花のかげ
途中の漢詩(詩吟)は、古代中国の故事に基づき「此処にも貴方を御救いする忠臣がいますよ」と隠岐に流刑に処せられる後醍醐天皇を慰めたもの。
【大意】天は、呉との戦いに敗北し捕らわれた越王・勾践を見捨てなかったように、先帝を見捨てることもありません。勾践に范蠡という忠臣がいたように、先帝を助け出す忠臣が必ず現れましょう。
高徳が天皇を慰めるために漢詩(白桜十字詩)を書いた桜(正確には跡地)は岡山県津山市院庄の作楽(さくら)神社にあるという。