空海を高野山まで道案内した狩人が、矢の根を研いだとされる

「狩場明神矢根研石」

を、「わかやま歴史物語スタンプラリー100」の冊子で紹介されていたので知りました。

 

蟻通神社から車で10分ほどの距離で近いし、

どのような石なのか興味が湧いたので訪れました。ニコニコ

 

県道109号線、丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)に向かう途中で、

左側の道沿いに鳥居が見えてきました。

 

こちらに史跡 狩場明神矢根研石があります。

 

もともとこちらに石があったわけでなく、

昭和57年9月に、県道新設ために現在地より西北5mの所より掘り出し、

昭和59年1月に現在地に移されています。

 

鳥居に掲げられている神額には「狩場明神」とあります。

 

ご存知の方も多いと思いますが、狩場明神(かりばみょうじん)とはどんな神様なのか?

それは弘法大師(空海)と関係があります。

 

弘仁7年、僧の空海が唐で修行を終え、

日本に帰国して真言密教の根本道場にふさわしい地を求めていました。

 

たまたま大和の宇智郡犬飼山辺りに来たときに、白と黒の犬を連れた狩人と出会い、

2匹の犬に導かれて高野山に達し、ここに真言宗の一大霊場を開きました。

 

この狩人こそ、丹生都比売大神の御子である高野御子大神(狩場明神)の化身であったといわれています。

 

鳥居の奥には、石と小さな祠がお祀りされていました。

 

狩場明神は、現在のかつらぎ町大字宮本あたりを根拠とし、四方に猟をして楽しみ、

常にこの石で矢の根を研いでいたと云われ、その跡が石にあります。

※矢の根とは、矢柄(やがら)の先端にあり、射当てたとき敵を突き刺すように作った部分。鏃(やじり)。

 

その跡はすぐ分かり、はっきりと石に切り傷のようなものが見られました。

周りが少し青緑のような色になっています。

 

紀伊風土記高野山の部には

 

「八幡の森又は御社の森は教良寺村の南に在り内に狩場明神矢根研石と云あり

方一尺許りにて矢の根を研ぎたるやうの跡あり」

 

と記されているそうです。

 

昔からの言い伝えによると、婦人がこの石に触れば安産の霊験があるそうです。

石に勝手に触れていいものなのか?と思ったのですが・・・

触れてみると、研ぎ跡の周辺はツルツルとしていました。

 

2匹の犬に導かれた空海のように、高野山麓の歴史遺産をめぐってみるのも楽しかったです。