「・・・・・・・・・・・これでミッションコンプリートか?」


水蓮寺と酷似した容姿の持ち主の少女は、携帯電話の通話口に向かって呟いた。




『ええ。完璧ですよ、光葉さん』

電話からは、妙にスカした野郎の気に食わない声が返ってくる。

「・・・・・・・・・・・、」


『・・・・・・・・っと。そういえば、「水蓮寺」さんとお呼びした方がよろしかったですか』

「うるせーよ」

男の、人を見下したような笑みが目に浮かぶ。




「(・・・・・だからこいつは嫌いなんだ)」


光葉は、先ほどまでの水蓮寺達を近くの公園から観察していた。



「でもまさかあれほどまでとはな・・・・・・・・、」

『・・・・・・・・・・・・・、』

通話口から返ってくるのは、沈黙。


「・・・・・いや。これも計算通りか?」

『・・・・・・・・く、くっ、くっ』

次に返ってきたのは、嘲笑だった。

堪えていたものが、我慢できずに溢れ出てしまったような、そんな笑いだった。

だが意外にも光葉の反応は。


「ふん。まあいいさ。で、次は何だ?」

光葉はこの男が必要最低限のこと以外は何も語らないことをよく知っていた。

『お話した通りです』

「・・・・・・・・・・・・・、」

『後で私も行きますからあなたはその間に、探しておいて下さい』


光葉は軽く溜息をついた。

「(ったく。下働きは全部人に任せておいて、テメーはいいとこ取りってんだから世話ねぇよな)」

『まあそう気を揉む必要もないでしょう。・・・・今の彼女なら、自然と我々の元へいらっしゃるはずです』

光葉は電話の声を最後まで聞かずに電源を切った。



そして、ただ闇の一点のみを見据えて、



「・・・・・・ああ、確かにそのようだよ」


その視線の先にいるものはやはり。








「待ってたぜ。・・・・・・『お姉ちゃん』?」