突発性難聴になってちょうど一年経ちました。

そもそも、このブログは突発性難聴の入院生活の記録として始めたものだけど、今となってはすっかり、雑記に成り果ててます😅。

私の場合、発症三日で受診し、入院までしたのに全く治らなかった😭。

幸い、難聴は軽中度だったので生活に大きな支障はないものの、治らないことを受け入れられるまで、随分とブログで気持ちを吐き、いろんな方からの温かいコメントに助けられました☺️。

一年経った今、あれはあれで自分にとって必要な経験だったなと感じています。


気になって仕方なかった耳の閉塞感(水が入ったような感じ)は、半年くらいで和らいだ気がします。

慣れただけかもしれないけど。

退院して数ヶ月ほど辛いと感じていた、複数の方向から音が聞こえる場所での聞きづらさも、だいぶ気にならなくなりました。

ただ、冬になって寒さが強い日は少し、閉塞感や音がくぐもる感じが強くなるような。

テレビの砂嵐みたいな耳鳴りは常時してますが、当たり前になってさほど気にならない。

聞こえる側の耳が補聴するようになったからだと思うけど、難聴側の耳の後ろから首にかけてがすんごく凝るんです😭。毎日カチカチ。

今、辛いのはそれくらい。


先日から仕事でやり取りをしているFさんは全盲の70代男性。

ご病気により40代になった頃に失明され、50代で「障害のある当事者の声を直接届けたい」と自ら市議会議員に立候補された経歴を持つ方。

当時、盲導犬を伴って議会に出られた姿が話題を呼んだので知ってはいましたが、直接お話をしたことはなかった。


年末から、仕事で相談を受け、3回ほど打ち合わせをさせていただいた。

正直、全盲の方とご一緒したことがなかったのでどのように接したら良いか、未だに戸惑います。

途中までご家族から送っていただくそうだけど、打ち合わせ場所にはお一人で来られることも多く、資料もご自分で作ってくるし、打ち合わせでは点字でメモをとっていらっしゃる。

なんでもご自分でされるので時々、全盲ということを忘れてしまいそうになる😅。


そんなFさん。とっても明るく、前向きで、地元出身の作家さんの個展を開きたいと、たくさんの署名を集め、様々なところにかけあい、連日、ご尽力されていらっしゃいます。

それだけでは飽き足らず、先日は「コロナ禍で高齢世帯の皆さんが元気をなくしてるようなので。私のマジックなどを出張で楽しんでいただけたらと。」と企画書まで持ってこられました😳❗️

そう、全盲のFさんは数年前にマジックもマスターし、ボランティアでマジシャンもされている。

全盲と聞くと「助けてもらう側に」かと思いきやその対局にいるような方。

実際にお会いしてみて、その明るさと前向きさに本当に脱帽しています。


たかだか片耳の難聴でさえ、当初は治らないことを受け入れられず落ち込んだ私にしてみれば、視力を全て失ったFさんが、超パワフルな「人を助ける側の人」になられた、これまでの道のりはどれほど厳しいものであったろうと察せずにはいられません。

ある紹介記事には、病気になり徐々に視力が失われて、それまでの仕事を辞めざるを得なくなり、ついに失明し、「死のうと思ったこともある」と書かれていました。

今の明るくて、朗らかで行動的なFさんからはとても想像できませんが、その立場に置かれたらむしろそう考えてしまう方が自然だったはず。


突発性難聴になってから一年。

私なりに色々と乗り越えて、受け入れることができた今、このタイミングでFさんとお仕事をさせていただけることに、またしても神様からの種明かしなのでは😳⁉︎と感じています。


人生には、自分の力ではどうしようもできない事が起きるものだけど、それをいつまでも嘆くのではなく、受け入れて起き上がり、前を向いて歩いて行くことが大事なんですね。

もしかしたら、つまづいた足元にとてつもないヒントがあるからこそ、神様はそこに石を置いたのかもしれない。

そのつまづきを生かすかどうかは自分次第。

それに気づくことができたなら、ただ前を向いて歩けば良い。明るい光の差す方へ。


人は自分のなりたいものになるのだそうです。