会長の3110です。
もう年末。年末年始はどんな感じで更新しようか考え中。
ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ
『おまえうまそうだな』
2010年 89分 監督:藤森 雅也
とりあえず、宮西達也さんの絵本を読んだことない人は何も言わずに読みましょう。
読んだことなくても、タイトルくらいは聞いたことあるでしょう。ちなみに、映画は『おまえうまそうだな』ですが、原作の絵本は『おまえ うまそうだな』と、スペースが入ります。
話の内容は、宮西さんの絵本、『おまえ うまそうだな』,『あなたをずっとずっとあいしてる』,『きみはほんとうにステキだね』の3つをもとに構成されています。
川を流れるひとつの卵。偶然それを見つけた恐竜のお母さんは、肉食いに食べられたら大変だとその卵を拾い、自分の卵と一緒に温めます。
いろいろと困難をくぐり抜け、残ったのは自分の卵ひとつと拾った卵の2つだけに。
やがて、2つの卵が同時に孵った。拾った卵から産まれたのは、ギザギザした牙をもった赤ん坊だった。
群れの長老にその子を捨てるよう言われたお母さん。しかし、お母さんは自分の子として育てることを決意し、群れと決別します。
自分の卵から産まれた子をライト、拾った卵から産まれた子をハートと名付け、お母さんと子供たちは3人で暮らしていました。
ある日、本能的に草原を訪れたハートは、肉食いの群れが草食いを襲い、捕食する場面を目撃してしまいます。その肉食いが以前聞かされたオオアゴだと気付いたハートは、急いでライトの元へ戻りますが、後を追ってきたオオアゴのリーダー・ゴンザに襲われてしまいます。
ハートが自分たちと同じオオアゴだと告げ、更にライトを食べようとするゴンザ。ゴンザと闘い、追い払ったハートは、ライトの前から姿を消し、肉食いとして生きる道を選ぶのでした。
大人になったハートは、ある日ひとつの卵を見つけます。「おまえ、うまそうだな」。産まれた赤ん坊を食べようとしたハートでしたが、「ウマソウ」を自分の名前だと勘違いした赤ん坊に、父親だと思われてすり寄られてしまうのだった。
あらすじが長いよ!
私は映画のあらすじを書く時、100%自分の文章で書くようにしています。Wikipediaとか結構適当に書かれているので。
文章書くにあたって一番時間取られるのがあらすじですね。
さて、こちらの映画は宮西さんの絵本を3冊ブレンドして製作されています。主に「おまえ うまそうだな」と「あなたをずっとずっとあいしてる」の2作ですが。
ハートがウマソウのお父さん。映画ならではの改変、私はいいと思います。……これってネタバレ?
だから、お父さんに原作にはなかった設定が追加されることになります。それは、草食いに育てられた過去をもつこと。草食いに育てられた肉食いが草食いを育てるということですね。
原作で描かれなかった、ハートの苦悩が描かれます。
家族と別れて以来、草食いは“食べる対象”でした。それが、ひょんなことから草食いのお父さんに。
お母さんとライトのことを思い出すハート。“家族”と“食べる対象”の線引きは本来存在せず、ハートはその特殊な身の上から、肉食いとして,草食いの子として,草食いの親として,多大な苦悩を背負うことになります。
ウマソウとずっと一緒にはいられない。
昔の自分の姿と重ね合わせ、ハートはそう考えます。
一人で生きていけるよう、ハートはウマソウを教育します。
ウマソウが十分育ったと判断したハートは、「2人で一緒に生きていくことはできない。お前は俺みたいになっちゃいけない」と告げます。
かけっこで勝ったらずっと一緒にいてやる。そう言ってハートは、走るウマソウの背中を見送るのでした。
そして、原作ファンも予想しなかった衝撃の展開が!