ー第26回ー 『ロープ』 (感想) | 3110 - 映画研究会

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 会長の3110です。

 今日、ようやく映画研究会の存在が正式に公認されました。祝! いやー、長かった。

 

   ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

  なんにしようか非常に迷った結果、今回はこちらの映画の感想を書かせていただきます。

 

   『ロープ』 

  

 1948年 80分 監督:アルフレッド・ヒッチコック

 

 ※画像をお借りしています。

 

 私の初ヒッチコック作品にして、初ジェームズ・ステュアート作品。

 勤労感謝の日だから、なんか勤労に感謝する感じの映画にしようと思ったのですが、特に思い浮かばなかったので、こちらに。

 

 80分というかなりの短尺。しかし物語は現実と同じ速度で進行していくので、体感的にはあまり短く感じませんでした。

 

 この作品の特徴は、なんといってもノーカット……に見せかけた撮影方法。

 当時使用されていたテープは、せいぜい15分くらいしか続けて回すことができませんでした。そんな時代によくノーカットなんて思いつきましたねぇ。

 本当のノーカットは不可能なので、時々人物の背中とかをどアップで映し、映像の繋ぎ目を分かりにくくしています。

 

 つまるところ、この映画は80分の出来事を描いています。当然複雑すぎるシナリオにするわけにはいかないため、話はシンプル。

 

 

 とあるアパートの一室。いきなり殺人の場面から始まります。

 ブランドンは自分たちが他より優れていることを示すため、フィリップと共に友人のデイヴィッドを殺害します。

 更なるスリルを味わおうと、ブランドンはデイヴィッドの父や恋人,自分たちの大学時代の寮監であるルパートらを招き、殺害現場のアパートでパーティを開きます。

 デイヴィッドが姿を現さないのをみんなが不思議に思う中、彼の死体が入ったチェストにごちそうを並べて……。

 

 

 最初から観ていた私達は事情を知っているため、これはサスペンスというよりも、人間の心理をピックアップした作品ですね。

 

 ブランドンは調子に乗って、殺害に使用したロープで本を縛ってデイヴィッドの父親にプレゼントします。

 対するフィリップは徐々に正気を失い、調子に乗るブランドンの言動にいちいち不安を覚えます。

 

 二人の様子がなんか変なことに気づくルパート。

 ルパートが、昔二人にも話した殺人の芸術性を話題に出したり、ブランドンの癖(都合が悪い話になると極端にどもる)を指摘したりして、様子見がてら二人を精神的に追い詰めます。

  

 左:おどおどするフィリップ

 中:二人を怪しむルパート

 右:調子に乗るけど詰めが甘いブランドン

 私達はこの映画の中でしか二人を知らないため、昔から二人を知るルパートならではの作戦は面白かったですね。

 また、ブランドンが犯行に及んだ動機についても掘り下げられています。

 

 そして、登場人物の視点の演出が面白い。

 カメラが人物を追い回して、点々と視点が移り変わります。

 誰かの視点から二人の不自然な様子が見えたり、その場にいないデイヴィッドに対するそれぞれの感情が見えたり。

 そして終盤、ルパート視点で物語を大きく動かす証拠が発見されます。ルパートと私達の心がひとつになる瞬間、まさに鳥肌。

 

   ε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ

 

 初めて映画のタイトル以外の画像使ってみました。

 字ばっかりだとなんとなくあれだし。

 

 

続く……窓の外にあの人の顔が