京津線と東西線の連携強化 | 京阪大津線の復興研究所

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大津線とは、京阪の京津線と石山坂本線の総称です。
この大津線の活性化策を考えることが当ブログの目的です。
そのために、京阪線や他社の例も積極的に取り上げます。

「京津線の応急処置」の記事では京阪山科―蹴上・東山間の普通運賃を東西線山科発着時と同額にすることを提案しましたが、京阪が東西線の運営権を得れば、これが三条京阪以遠にも拡大することになります。

 

ここで再浮上してくるのが、京津線直通列車の準急運転です。蹴上・東山を通過させれば御陵で東西線の各駅停車に乗り換える必要が生じますが、山科地下ホームへ移動するよりは体力的に楽であり、言わばエレベーター代わりに準急を利用してもらうことになります。

 

御陵は上下方向とも京津線と東西線の線路がホームを挟んで向き合っているので、準急の発車直後に各駅停車を入線させることができ、時間のロスも1分程度に収まります。京阪山科―御陵の1駅間だけは混雑に耐えてもらうしかありませんが、ここを我慢すれば比較的空いた状態で到着する各駅停車に乗り継げます。

 

一方、逆方向は各駅停車が準急の接続を待って同時に御陵を発車するのが良いでしょう。これならば、準急の混雑具合に応じて、乗り継ぐか各駅停車に留まるかを判断できます。

 

ただ、山科の利用が便利になるだけでは、京津線と東西線はいつまでたってもJRの端末交通の地位から抜け出せません。競争力を高めるには、京津線全区間運転の列車を再び京都市役所前から太秦天神川まで延長する必要があるでしょう。今度は自社内の運転ですから、増収にも直結します。

 

その場合、烏丸御池で烏丸線、二条でJR 嵯峨野線、太秦天神川で京福嵐山本線に接続できるので、利便性は大きく向上します。二条城前と西大路御池を通過させれば、京都市役所前―太秦天神川は往復16分で走行でき、全区間の運用本数は1本増の5本に収まります。加えて、蹴上・東山の通過で所要時間を往復4分短縮できるので、折り返し時間の確保も容易です。

 

問題は、四宮または京阪山科―京都市役所前の区間列車が加わることです。これを準急運転しても運用本数は2本必要なので、8本しか在籍しない京津線用の800系車両は1本しか残らなくなってしまいます。

 

800系は全電動車の高価な4両編成であり、気軽に増備できる車両ではありません。ただ、これは大津市内の逢坂山の急勾配に対処するためです。京都市内のみを走る区間列車にはそこまでの性能は不要です。

 

実際、東西線用の50系車両は6両編成のうち中間の4両のみが電動車です。よって、そのうち1本から電動車2両のユニットを抜き取り、先頭車2両を増備した上で京阪型ATSの車上子を搭載して連結すると、四宮まで直通可能な4両編成が2本誕生します。これと800系1本を組み合わせれば、余裕を持って区間列車の運用に充てることができます。

 

なお、東西線は保安装置としてATO(自動列車運転装置)を採用しています。無人運転またはその前段階として添乗員乗務の自動運転を行えば、人件費の抑制につながります。

 

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