桜井線で問題なのは桜井―高田間の9.7kmです。この区間は繰り返し述べているように輸送需要が少なく、また近鉄がこれを買収する動機もありません。逆に言えば、近鉄大阪線という代替交通手段が存在するということなので、将来的には廃止もやむを得ないでしょう。
かつて近鉄に合併された伊賀電気鉄道の伊賀神戸―西名張間や伊勢電気鉄道の江戸橋―大神宮前間は、一旦は存続したものの、大阪線や名古屋線・山田線との並行ルートであるため需要が低迷し、結局は廃止されました。重複区間を無くして効率化を図ることは、大局的に見れば正しい判断です。
桜井線の場合、香久山駅と畝傍駅はそれぞれ約0.5kmの至近距離に近鉄の大福駅・大和八木駅が存在しており、すでに輸送手段としての使命を終えていると思われます。
一方、金橋駅の近くには近鉄大阪線の松塚駅と南大阪線の坊城駅がありますが、いずれも約1km離れており、比較的駅勢圏が広くなっています。また、南へ徒歩約10分の地点に商業施設の「イオンモール橿原」があり、駅の利用客も微増傾向にあります。
「イオンモール橿原」へは大和八木の駅前から奈良交通のバスが平日でも15分毎に運転されているため、畝傍方面からは桜井線の出る幕はありませんが、高田・王寺方面からは利用価値があります。
よって、金橋―高田間2.1kmは盲腸線として存続させ、昼間時は高田折り返しのJR難波直通快速の半数を1時間毎に金橋まで延長するのが妥当です。これは同時に、金橋が始発駅となることを意味しており、朝ラッシュ時の着席需要に応えることができるので、近鉄に対する競争力も向上します。
以上から、奈良―天理間9.6kmは「みやこ路快速」を直通させて存続、天理―桜井間10.1kmは近鉄に売却、桜井―金橋間7.6kmは廃止、金橋―高田間2.1kmはJR難波発着の快速を直通させて存続、というのが最も効果的な処置であると考えられます。桜井―金橋間の電化設備は、関西本線の柘植―亀山間に転用するのが良いでしょう。
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