昼間時に近鉄奈良―大阪難波―阪神三宮を直結する列車が20分毎の快速急行だけというのは、都市鉄道としては少なすぎます。大阪難波止まりとなっている近鉄奈良線の急行を阪神三宮まで延長するのが妥当ですが、その際に見直したいのが停車駅です。
なんば線の好調に隠れていますが、純粋に本線だけで比較するとJR・阪急に対する阪神の劣勢は否めず、中間主要駅の乗降人員で両社に肩を並べられるのは甲子園と尼崎ぐらいのものです。阪神の快速急行と直通特急・特急は尼崎・甲子園・西宮・芦屋・魚崎に重複停車していますが、明らかに供給過剰です。阪神伝統の「千鳥式停車」で分散を図りたいところです。
改正案として、直通特急は梅田・甲子園・御影・三宮・元町、特急は梅田・甲子園・西宮・芦屋・魚崎・三宮に停めます。急行は大阪難波・桜川・ドーム前・九条・西九条・尼崎・武庫川・甲子園・西宮・芦屋・魚崎・三宮に停め、甲子園で直通特急を待避します。快速急行は大阪難波・桜川・ドーム前・九条・西九条・尼崎・武庫川・甲子園・御影・三宮・元町に停め、甲子園で特急の接続を待って先に発車するものとします。
※区間急行は野田ー梅田間で福島にも停車
※準急は尼崎ー出来島間で大物にも停車
各々20分毎、甲子園以東では直通特急と特急、快速急行と急行を合わせて10分毎、甲子園以西では直通特急と快速急行、特急と急行を合わせて10分毎に運転すればパターンが統一され、直通特急と快速急行を山陽方面へつなぐことができます。これらに加えて、梅田―尼崎間に区間急行を10分毎に運転し、多客時には甲子園まで延長します。
西宮・芦屋・魚崎・御影からは、梅田直通と難波・奈良直通がともに20分毎になりますが、甲子園での接続を含めれば10分毎に利用できます。平日昼間時の阪急淡路では、京都本線の普通と千里線の普通を接続させ、20分サイクルで交互に梅田方面と天下茶屋方面に振り分けていますが、甲子園もこれに似た役割を担うことになります。
この場合、例えば阪神梅田から特急に乗車すると、甲子園で先行の快速急行に追いつき、その快速急行が先に発車して三宮に先着することになります。三宮に早く着くためには乗り換えが必要であり、逆に乗り換えなければ4分程度遅くなります。梅田から西宮・芦屋・魚崎・御影へ向かう際も2回に1回の割合で乗り換えが必要になりますが、いずれも役割分担の観点からはやむを得ないことです。
先にも述べたように、純粋に本線だけに限ると、阪神は「第三のルート」に甘んじているのが現状です。 これを打開し、阪神なんば線の効果を最大限に引き出すためには、相当に思い切ったダイヤ改正が必要です。
京阪は都市間輸送において阪神よりも健闘していると言えますが、これには京都・大阪で独自のターミナルを持っていることが大きく作用しています。阪神もなんば線の開通により、そういった方向性を探るべき段階に入ったのではないでしょうか。
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