前項「ブラジル、QRで支払い」でリンクしたサイトの記事内の

役所の届け出や各種支払い、ワクチン接種記録など高度にオンライン化されたブラジルの「IT先進国」としての実態・・・・

という箇所を読んで思い出したことがある(そして日本の実情に接して驚愕)。

 

ブラジルでは所得申告は1997年からインターネット経由になった。勿論これまでの紙によるものでもよい。この数年後、CDより少し大きいペラペラした記録版(というのか?)が同封されてきて、これに入力して収税庁に送れと書いてあるが何だかわからない私は相変わらず紙。翌年は記入紙のみ送られてきて、マニュアルはネットで見ることになった。その次の年は何も送られてこなかった。ぼんやりしている私でもこれは大変!どうしたのだろうと慌てたが、記入用紙は文房具店で買わねばならないことが分かった。

 

そしてその後は、コンピューターでマニュアルを読み、付属のフォームに書き込み、送信するようになった。即ち紙での申告はもうできない。

申告義務があるのは、一定以上の課税対象所得を得た人、不動産を所有している人のみなので、国民全体から見れば申告者数は極めて少なく、申告するような人は皆インターネットを最大限利用するということなのだろう。会計士に頼む人もいる。

給料や銀行口座の動きなども各社のサイトで見て、すなわちオンラインでチェックして入力する。

 

私は日本に本帰国しても2年間はブラジルの所得申告を日本でこのように行った(=全くスラスラとスムースに)。

その後ブラジルで所得がなくなり、日本での申告になったので、インターネット経由をトライするもよく分からなかったのでずっと紙での申告のままだ。驚いたのは、この e-Tax(電子申告)を行うために何とかというガジェットを買わねばならなかったこと。4000円位だっただろうか?。何年間か「e-Taxが普及しない」「今年は数パーセント」等のニュースに毎年接して驚いていたが、よく分からない・面倒と思ったのは私だけではなかったのだろう。今チェックしてみたら令和3年の個人の e-Tax 率は55%と出ていた。

 

とても興味深いのは、カーニバル期間中にすでに何万人かがインターネット経由での申告を行うという事実。

(申告提出期限は毎年ほぼ4月30日。カーニバルは移動祝日であり2~3月になるため、申告受付け開始はカーニバル直前になる年も多い)

カーニバル休みを利用して懸命(=所得税をいかに少なく払うようにするか)に計算に励む人が多数いるとは、「ブラジル人はカーニバル大好き人間で期間中は国中が呆けて踊りまくる」と思っている海外では信じられないだろう(私もびっくり。因みに、民間機関のアンケートによると、カーニバルが嫌いなブラジル人は52%もいる)。