1)三角筋前・中・後部は、上腕の全ての運動において活動する。
三角筋(前・中・後部)の一部分が与えられた運動を行うけれども運動中は関節を安定化させ上腕骨頭を関節窩に保持するために、三角筋の他の部分は、より多くかあるいはより少なく筋収縮している1)。(被験者10名,表面電極使用)
2)三角筋と小円筋の機能(被験者9名,針電極使用)2)
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屈曲 |
伸展 |
外転 |
内転 |
外旋 |
内旋 |
水平外転 |
水平内転 |
三角筋鎖骨部 |
+++ |
-- |
+++ |
+- |
-- |
-- |
+++ |
+++ |
三角筋肩峰部 |
-++ |
++ |
+++ |
-- |
-- |
-- |
+++ |
++- |
三角筋肩甲棘部 |
-++ |
++ |
-++ |
-- |
-- |
-- |
-++ |
+-- |
小円筋 |
+++ |
++ |
-++ |
-+ |
++ |
-- |
+-- |
--+ |
+:active, -:not active
三角筋鎖骨部:
上腕内旋作用について肯定的見解(Scheving and Pauly,Yamshon and Bieman)と否定的見解(Wertheimer and Ferraz,Shevlin et al)がある。また、腋窩神経ブロックによる筋力喪失の研究では、上腕内旋の筋力喪失はなかったという報告がある4)。 本例では内旋作用は認めず。
三角筋肩甲棘部部:
上腕外旋作用について肯定的見解(Wells,Hollinshead,Yamshon&Bieman,Scheving)と否定的見解(Wertheimer&Ferraz)がある。本例では外旋作用は認めず。
三角筋は上腕回旋作用を有すると言われるが、これは上腕を回旋するときに他の動作もあわせ行っているために出現したものと推察され、本例では回旋作用は認められれなかった。
Rotator-cuff-musclesの4筋:全ての肩運動に全筋群が関与するのではなく、個々の筋が関節運動によりMoverとして働き、他の筋群が適時Synergistとして関与することによって固定の弱い肩関節を脱臼から予防し、さらに関節運動を円滑に行わせているものと考えられる。
後編に続く…。