性的マイノリティ
理解に繋げるため必要な事
《はじめに》
現在日本では、「性的指向及び性自認の多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案」(「LGBT理解増進法案」)が各政党において検討されていますが、
未だ国会には法案として提出されていません。
その理由として、性的指向及び性自認を理由とする差別は許されないと言う文言を追加することについて、自民党内から「差別の内容がわからない」「訴訟が多発する」などとの反論が出た結果であるとのこと。
また、G7の加盟国の中でもLGBT差別禁止法がないのは日本だけとなっています。
このように、具体的に性的マイノリティを守る法律の制定は未だ日本では実現されていません。
ですが理想論、法律がなくとも国内で性的マイノリティへの理解が広まり差別がなければ理解を促進を目的とする法律や差別を禁止する法律などは必要がないとも考えられます。
では、法律以外の方法で理解を広めるためにはどうしたらいいのか、理解増進法案・差別禁止法についても触れならがら当事者同士で話し合った内容をまとめてみました![]()
○理解増進法・差別禁止法の賛否
そもそも、性的マイノリティ当事者が実際にどのような差別をされているのでしょうか?
調べてみると、性的マイノリティの差別には
・トランスジェンダーだと告げると、ウチでは対応できませんと面接を打ち切られた。
・ゲイは他の利用者を襲うかもしれないからと、老人ホームの利用を断られた。
・レズビアンだと暴露されて遠くの支店に飛ばさた。
・同性愛者だということが知られ、学校を追い出された。
などの現状があることが分かりました。
また、性的マイノリティ当事者の自殺率はそうでない人と比べて6倍〜10倍高いと言われています。
この背景には、差別や偏見による社会からの引け目を感じたりしてしまっているのではないでしょうか。
ここで言えることは、社会にこうした差別の現状を知ってもらう(可視化する)ことが差別を減らすことに繋げる一歩だと思うのです。
当然、法律について当事者の全ての人が賛成しているわけではなく、当事者の中でも賛否は様々です。
もちろん、前提として差別があってはいけないという認識はありますが、きちんと法律の内容を明確に制定しない限りは、逆に理解が得られにくくなってしまうということも考えられるでしょう。
○他国と日本の現状の違い
認定NPO法人虹色ダイバーシティによると50カ国以上が「性的指向で差別してはならない」と定めています。
ですが、日本の現状と他国の現状等も違うので「他の国が認めているから認めよう」とは言えないというのが現実でしょう。では、LGBT差別禁止法が認められている国と日本の違いは何でしょうか?
一つは、「宗教」にあると考えられます。理由として、例を上げると宗教の一つに「キリスト教」というものがありますが、ご存知の通りキリスト教が同性愛を禁じていることは有名なことです。
そのため宗教と個人の価値観というのは関わりが深く、ホモフォビア的思考も根強いと考えられます。
また、海外の性的マイノリティにおける差別は日本における差別に比べ、暴力的なものが多いです。
例えば有名なものを上げると、同性愛嫌悪を動機として同性愛者を標的としたオーランド銃乱射事件。(2016年6月12日未明にアメリカ合衆国フロリダ州オーランドにあるゲイナイトクラブで発生した銃乱射事件)
などが起こっています、なので当事者を守るためにより強い法律で差別を禁止しなければならなかったのではないでしょうか?
逆に言えば、海外と比べ日本では宗教を信仰している人口がとても少ないです。それに加えて、古くから日本は男色文化も深いため、比べ根っからの差別意識というのが低いのではないかと考えられます。
○理解を広げるために必要な事
何故差別が起こるのか、(日本での)その原因の大半は偏見からきています。
やはり世の中、同性を好きになる人より異性を好きになる人が多いので、そういったマイノリティを身近に感じて接することも少ないです。
だからこそ、偏見を持たないこと・理解をすることが難しいのだと思います。
理解する上で大切なこと。それは当事者を特別視をしないことです。性的マイノリティの当事者は決して「私たちはこんなに辛いんだ、だから優遇してくれ」と思っている訳ではありません。むしろ、周りと同じように平等に、自然に接してもらいたいのです。
だからより、存在を身近に感じてもらう(可視化する)ことが必要になります。
では、そのためには何を変えたら良いのか。
それは教育だと思います。
もちろん、時間はかかりますが教育が変われば人の意識も変わります。
教育といえど、年に一回全校集会なので講習会を行うなどではなく、日頃から道徳や保健・家庭科の授業なので授業の一環として行い、慣れることが必要なのではないでしょうか。
ただ内容や表現によっては、当事者の生徒が自分自身を追い込んだり、周りから異常だと言われてしまうきっかけになる可能性もあるため、
LGBTを題材として伝えるよりかは、あくまで皆んなが当事者であり当てはまるSOGIとして伝えていけると、異質性を伝えることなく「こういう形もある。こういう人もいる。普通は一つじゃなくて皆んなそれぞれあるよね」と伝えることができるのではないでしょうか。
またそれに加えて、思春期の子供と向き合う・接する立場である教師こそ理解が必要ではないかという意見もあります。
・学校の先生が差別発言をしてしまった。
というケースも少なくありません。
現在も教師の方が受けるLGBT研修というのもありますが、一回ではなくより積極的に受けてもらうことも必要なのかもしれません。


