バカバカしくて見ちゃいられない 自民党総裁選の公約はどれも実現できない空手形

 

 27日投開票の自民党総裁選では各候補とも政治改革の必要性を声高に叫んでいるが、それでいて、改革のために作った特別委を無くそうと動いているのだから呆れるばかりだ。

《自民党はやっぱりヤル気ないな。裏金事件を何とも思っていない》

《総裁選に出ている人たちは皆、政治改革を言っているけれど。本気じゃないのがよく分かった》


 

自民党総裁選で加藤勝信さんが、公約として「子ども医療費無料化」を掲げています。
実は、1年間に国会で加藤大臣は「必ずしもこどものためになるとは言えない」と答弁していた。
この答弁の根拠とした東大の飯塚教授らの論文は、根拠になりえないと、昨年、徹底追究しただけに、感慨深い

 

 

2023年4月5日 衆院厚生労働委員会 国の制度で無料化を 子ども医療費で宮本徹氏主張

 

 


《国民を完全になめているな。こういう姿勢を二枚舌と言うのだ》

 

 喉元過ぎれば熱さを忘れる――。

 最初から形だけでヤル気なしの姿勢は明らかだったが、ここまで酷いとは国民の誰もが予想していなかったのではないか。

 立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主の野党4党の国会対策委員長が19日、国会内で会談。10月1日に召集される臨時国会で、新首相が衆院を解散する前に、衆参両院で所信表明演説と各党代表質問を実施し、予算委員会を開くよう与党に求めることも決めたのだが、驚いたのは会談後に立憲の安住淳国対委員長(62)が発した内容だった。

 ナント!自民党派閥の政治資金パーティーを巡る裏金事件を受けて衆参両院に設置した「政治改革特別委員会」について自民党側から「廃止」を求められていると明かしたのだ。

 裏金事件を受け、与野党は3月、それまでの「政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会」(倫選特)を改組する形で「政治改革特別委員会」を新たに設置することで合意。委員数を増やし、再発防止策や政治資金規正法の改正、衆院の選挙制度改革も含めて議論を深めることになった。

 

■「政治が国民の信頼を取り戻す第一歩」の組織だったはず……

 特別委の設置時、自民党の石井準一参院国会対策委員長(66)は記者団に対し、「与野党間では特別委員会で国民に納得してもらえるような制度設計をしていくことで合意した。政治が国民の信頼を取り戻す第一歩なので、国民に理解してもらえる議論をしっかり行いながら、法案を成立させていきたい」などと言っていた。

 政治改革を実現するため、「政治が国民の信頼を取り戻す第一歩」となる組織だったにもかかわらず、わずか半年間で「廃止して」とは言語道断ではないか。安住氏は自民党の廃止要求について「断固拒否する。政治改革の熱がないことの証明だろう」と言っていたが、その通りだろう。

 27日投開票の自民党総裁選では各候補とも政治改革の必要性を声高に叫んでいるが、それでいて、改革のために作った特別委を無くそうと動いているのだから呆れるばかりだ。

《自民党はやっぱりヤル気ないな。裏金事件を何とも思っていない》

《総裁選に出ている人たちは皆、政治改革を言っているけれど。本気じゃないのがよく分かった》

 

《国民を完全になめているな。こういう姿勢を二枚舌と言うのだ》

 

自民総裁選の選管“口止め”通達
アンケート「回答自粛」要求

 

 自民党総裁選についての報道機関や各種団体のアンケートに対し、総裁選の選挙管理委員会(逢沢〈あいさわ〉一郎委員長)が回答の自粛を求める通達を出したことが20日までに分かりました。統一協会(世界平和統一家庭連合)問題の質問状には全候補者が回答せず、通達が事実上の“口止め”になっています。

 通達は総裁選告示前の4日、自民党所属の国会議員に逢沢委員長名で出されていました。アンケートが投票行動に「影響を与える可能性が極めて大きい」として「公正・公平な運営を図るため、その対応について自粛する」との方針を決定したと記されています。

 総裁選には9人が立候補しています。本紙は「統一協会との接点」などを問うアンケート用紙を9候補の事務所に送りましたが、期限を過ぎても回答がありませんでした。

 統一協会の被害者救済に取り組む「全国霊感商法対策弁護士連絡会」(全国弁連)の公開質問状にも、9候補は答えませんでした。

 小泉進次郎元環境相の選挙対策本部は、本紙や全国弁連に「党からの通達により、回答を見送る」とコメントしました。

 また、性的少数者の当事者団体「LGBT法連合会」による「同性婚法制化」の賛否を問う候補者アンケートには、7候補が回答しませんでした。

 総裁選の広報担当者は「『誰に投票するのか』などの質問に答えることが投票行動に影響すると考えて自粛をお願いした。政策に関する候補者の回答を制限する意図はなく、アンケートへの対応は各事務所が判断する」と説明しました。(丹田智之)

 

政活費廃止、増税停止、選択的夫婦別姓…自民総裁候補の“主張”に透ける「野党からの政策パクリ」

 
 
自民党総裁選に過去最多9人が乱立し、同時期に代表選をぶつけた立憲民主党が「メディアジャック」(野田佳彦元首相)されている。乗っ取られたのは、世間の注目だけでない。政策まで「パク」(枝野幸男前代表)られる始末だ。
 
使途公開の義務がない政策活動費の「廃止」を主張するのは、茂木敏充幹事長、小林鷹之前経済安全保障相、小泉進次郎元環境相の3氏。今年6月の通常国会で立憲を中心に野党が求めたが、自民は「10年後の領収書公開」で押し切り、改正政治資金規正法を成立させたばかりだ。

妥結した「10年後公開」についても、小林氏は「10年後はあり得ない」と「毎年公開」を表明している。林芳正官房長官も公開時期の「前倒し」に言及。立憲から「どの口が言ってるんだ」(泉健太代表)と突っ込まれた。

茂木氏に至っては「増税ゼロ」を唱え、1兆円を超える防衛増税の「停止」も公約。政府は防衛力強化の財源を法人、所得、たばこ3税の増税で確保する方針を打ち出し、野党のみならず、閣内からも公然と批判が持ち上がりながら、2023年度の与党税制改正大綱にねじ込んだ経緯がある。政権中枢による「ちゃぶ台返し」にほかならないが、茂木氏は「矛盾はない」と言い張る。

小泉氏が「決着をつけるとき」と息巻く選択的夫婦別姓の導入も、立憲が2021年の衆院選で公約に掲げた看板政策だ。野党は協調してたびたび議員立法を国会に提出しているが、自民は党内保守派に配慮して放置してきた。

ちなみに自民の政策ジャックは、3年前の前回総裁選でも指摘されている。「新しい資本主義」を唱えた岸田文雄首相のうたい文句は「分配なくして次の成長なし」。酷似する「分配なくして成長なし」はもともと、枝野氏の専売特許だった。

当時、米紙ニューヨーク・タイムズは、岸田首相のやり口を「野党が最初に打ち出した政策を採用するのがうまい自民党おなじみのテンプレート」(2021年9月29日)と皮肉った。

岸田氏は首相就任後、目玉政策だった富裕層に対する金融所得課税の強化を棚上げし、前回衆院選に突入。「分配」も選挙後に封印し、「成長のための投資」にすり替えている。政策ジャックして国民の審判をやり過ごし、看板を掛け替えたわけだ。

首相就任後「できる限り早期」の衆院解散を公言する小泉氏は今月14日の討論会(日本記者クラブ主催)で反論され、こうすごんだ。「首班指名を受けたときに、それまでの主張をがらっと変えて選挙を打つなんて人がいますか?」

いるのである。

(文:笹川 賢一)