きょうの潮流
 

 文は人なり。18世紀フランスの博物学者ビュフォンのことばとして知られています。文章を見れば書き手の人となりがわかる、という意味です

 

▼96歳まで書き続けた英文学者でエッセイストの外山滋比古(とやま・しげひこ)さんは、ことばの表現は心であって、技巧ではないといいます。文は人なり、を引きながら、文章に上達するには、心を練る必要があると

 

▼外山さんは著書『知的文章術』の中で文章を料理に例えています。食べる人のことを思い、中身を考え、おいしく食べてもらう。文章も、何が言いたいのか、読む側にはっきりと伝える。相手の関心をひく“おもしろさ”も足して

 

▼昨今はメールやSNSの普及で文章を書くことが増えています。手軽さの一方で真意が伝わらず誤解をうんだり、うまく意思疎通ができなかったり。また、みずからの考えや意見を正当化するために相手の人格を否定し、誹謗(ひぼう)中傷する書き込みが社会問題にもなっています

 

▼ことばや文章は相手を傷つける刃(やいば)にもなります。外山さんはそうした風潮を嘆きながら、ことばを見直し、新しい文化をつくろうとする動きもあると。「心のはたらきをよくする、賢いことを考えるためのことばが必要であると感じる人たちが、静かに動き出しているようである」

 

▼文章をよくするには推敲(すいこう)も欠かせません。唐の詩人、賈島(かとう)が「僧は推す月下の門」という自作の詩句について「推す」を「敲(たた)く」とすべきか苦慮したとの故事にもとづきます。これを怠ると思わぬ間違いも。自戒を込めて。

 

「小泉進次郎」総裁選で「生き分かれた母」に言及のワケ 支持者は「お涙ちょうだいで票がほしいのか」と困惑

 
 
 過去最多の9人が立候補した自民党総裁選の火ぶたが切られた。小泉進次郎元環境相の優勢が伝えられるが、15日間の選挙期間中に行われる公開討論会で失言などがあれば、情勢が一変することも考えられる。はたして、進次郎氏はこのまま逃げ切れるのか。また、後ろ盾となっている菅義偉前首相の意向はどう影響を及ぼすのか。関係者を取材した。
 
*  *  *

 9月8日、横浜市のJR桜木町駅前で開かれた進次郎氏の街頭演説。そこに現れた菅氏は「小泉進次郎さんに日本のかじ取りを託したい。そんな思いで皆さんと一緒になって応援している」と初めて公の場で進次郎氏を支持すると明言した。

 菅氏に関しては衰えを指摘する声もあるが、記者会見で菅氏と対峙してきた東京新聞の望月衣塑子記者はこう話す。

「目や手の動きはちょっと鈍いかなと思いましたが、声には覇気がありました。ただ、選挙カーに立つのは桜木町の1回きりだとも言われています。菅さんはキングメーカーであることをあまり表に出したくない。それでも1度だけは、『俺が進次郎のバックにいるぞ』ということを公の場で示し、影響力を見せつけたかったのだと思います」

 実際、選挙戦においても菅陣営が深く入り込んでいるようだ。横浜市の自民党関係者はこう話す。

「進次郎さんへの支持を訴える電話作戦は、菅事務所が仕切っています。スタッフが手分けして、全国の党員・党友に1人1日あたり200~300人くらい電話かけをしています。その結果や反応は、菅事務所にも毎日報告しないといけません」

 進次郎陣営が作成したとみられるカラー写真入りのチラシには「決着 新時代の扉をあける」という見出しの下に、「私は総理になって、時代の変化に取り残された日本の政治を変えたい。長年議論ばかりを続け、答えを出していない課題に決着をつけたい」などと書かれている。「決着」というキーワードを強く押し出している。

 一方、首相になるには、総裁選に立候補した他の候補者たちとも選挙で「決着」をつける必要がある。

 12日には9人の候補者が一堂に会した「所見発表演説会」が行われたが、進次郎氏を幼少期から知る横須賀の自民党員はそれを見て違和感を覚えたという。
 
■最高のチームとは「菅氏のチーム」のこと

「進次郎さんが突然、生き別れ状態だった母・佳代子さんについて触れ、『今年、初めて母に会いに行きました。詳しくは控えますが、会って良かったと思います』と告白したのは驚きました。進次郎さんは私たちにもプライベートなことは本当に明かさない人ですから、この場でそんなことを明かすのかと思いました。他の8人が政策を中心に語っていたのに対して、少し場違いでしたし、進次郎さんらしくないなと。お涙ちょうだいに訴えてでも、票がほしいのでしょうか……」

「所見発表演説会」では、9人の候補者が一人一人ステージの中央に立ち、自らの信念などを語る場面があった。この”語り”でも進次郎氏に不安を感じたという。

「9人の候補者の中で、進次郎さん一人だけ、頻繁に下を見て、カンペを読んでいるような感じを受けました。他の候補もカンペは見ていたけどチェックする程度でしたから、大丈夫かなと……」(同)

 前出の望月記者はこう話す。

「進次郎さんは地方に行っておにぎりを食べたり、野球をしたり、福島でサーフィンをしたりと、場面、場面を見せるのはうまい。その一方、政策論争となると、危なっかしさを感じます。石破茂元防衛相は政策発表会見で1時間50分、カンペなしで質疑応答をしていました。進次郎さんの出馬会見は、時間が短かったにもかかわらず、カンペがありそれを見ていたようでした」

 こうした不安に対し、菅氏の周辺はこう反論する。

「私は出馬会見の質疑でもちゃんとしゃべれていたと思いますよ。フリージャーナリストから『知的レベルの低さで恥をかくのではないか』と質問されたとき、進次郎は『(私に)足りないところを補ってくれる最高のチームを作ります』と見事に切り返したでしょう。この『最高のチーム』とは、菅さんが目をかけているメンバーで作るチームということ。進次郎ひとりでは若さや経験不足から頼りなさがあるけど、進次郎を中心に置きながらも、菅さんがバックについた『最高のチーム』を作る。だからこそ、政権運営ができるということなんです」
 
■チームの要は元官邸官僚の「和泉洋人氏」?

 では、もしも「小泉進次郎政権」が誕生した場合、菅氏はどのようなポストで処遇されるのか。前出の望月記者の見立てはこうだ。

「菅さんは、もう幹事長や官房長官はやらないでしょう。進次郎さんは出馬表明の記者会見で、政治資金の透明化を強調し『政策活動費は廃止する』と述べました。今まで、幹事長は使途を公開しなくていい政策活動費が年間約10億円も使えました。進次郎さんが本当に政治改革をすれば、それがなくなってしまうのだから、もう“うまみ”はありません。官房長官は、たとえば夜中に大地震が起きたら朝イチで記者会見を開くなど緊急対応が求められ、今の菅さんには体力的にもキツイでしょう。やはり自民党副総裁というラインが現実的だと思います」

 一部メディアではすでに進次郎内閣になった場合の“閣僚名簿”まで報じられているが、政権運営には「官邸内」の人事も重要になる。そこで重要ポストに就くのはどのような面々が考えられるのか。

「まずは菅官邸の中で、側近中の側近だった元首相補佐官の和泉洋人さんを『チーム進次郎』の要に据えるのではないかと思います。和泉さんは現在、大阪府と大阪市の特別顧問を務めています。また、菅内閣で首相秘書官を務めた財務省主計局総務課長の大沢元一さん、外務官僚の高羽陽さん、経産官僚の門松貴さんらの名前が浮上しています。彼らは菅さんが官房長官のときに側近だった官邸官僚たちです。菅さんは政治家が何を言っても、官僚が動いてくれないと行政は変わらないことがわかっている。だから、菅さんにとって、自分が使いやすく、手足となって動いてくれる官僚は重宝したい。進次郎さんだけでは力不足だとわかっているので、菅さんは自分の側近を官邸官僚として入れてフォローさせたいと思っているのではないでしょうか」

 菅氏に重用された官邸官僚たちが集うことで「最高のチーム」を作ろうとしているのか。前出の菅氏周辺の関係者はこう断言する。

「2021年に菅政権から岸田政権に変わりましたが、進次郎が首相になれば、再び菅政権に戻るということ。新たな菅政権の誕生になるんですよ」

 進次郎氏の背後には、復権に向けた菅氏の執念が渦巻いているようだ。

(AERA dot.編集部・上田耕司)
 
 

小泉進次郎氏が怒り 説教質問にカチン!語気荒げ反論→橋本五郎氏に「そんなこと分かってますよ」と一蹴され、笑い 石破氏は苦笑 候補討論会

 
進次郎,質問にマトモに答えられず,あまつさえ逆ギレ…自民の方,ホントにコレでいいのですか!?!?

「総裁選の日に解散すると思っている人も居るがそれは無理だ」←誰も思ってない
「兎に角早期解散問題ナシ,僕は総裁選で政権構想十分説明してる💢」←十分じゃナイだろ!
 
 
 日本記者クラブ主催の自民党総裁選候補者による討論会が14日に行われた。
 
 終盤に、日本記者クラブ企画委員として代表質問した橋本五郎氏(読売新聞特別編集委員)が、総理大臣になった場合は早期解散を行うとしている小泉進次郎氏に、早期解散で総選挙となった場合は「何を基準に国民は選んだらいいのか。せめて与野党の論戦があって、新しい総理大臣はそういう態度で国政運営しようとしてるんだなと。それを分からずして、ただ選べと言ったって、それは無茶な話ではないのか」「いつやるか。意識的に触れないような感じがした」と聞いた。
 
 進次郎氏は「これは橋本さんみたいなベテランの方だったら、お分かりで聞いてるんだと思いますけど、そりゃ何月何日とは言わないですよね。ただちに、できるだけ早期にと言ってます」とした。

 橋本氏は「そりゃ言いませんよ。早期って言ってるでしょ」と返した。

 進次郎氏は「今まるで27日に総裁選が終わって、その日に解散するかのような印象で、橋本さん、もしくは一部の方は言ってるかもしれませんが、それはできないんですよ。なぜなら、そのあとに首班指名を受けて…」と述べ、橋本氏が「そんなこと分かってますよ」と返して、笑いが起こった。

 進次郎氏は「印象として間髪入れずと思われてる方は、まずそれはできないんです。ただし内閣総理大臣に指名されたあかつきに、できるだけ早期に解散するというのは、判断材料がないというのは、まったく当たらないと思います。史上最長の総裁選ですよ。そして首班指名うけたときに、それまでの主張とがらっと変えて選挙打つ人なんていますか?」と述べた。

 橋本氏が「総裁選にしろ、みんな、いいことしか言わないんですよ。いいことしか言わないのを比較せよって、どうするんですか?今度は総理大臣になって何をするかっていうことをやるわけですから」と語ると、進次郎氏が「あの橋本さん」と制し、強い口調で「これ我々全員、総理大臣になったら何をするかを話してるんですよ。総裁になったらっていう範囲内で話している人は誰もいないですよ!」と述べた。

 横並びの候補者の中で、石破茂氏は苦笑しながら聞いていた。

 進次郎氏は「総理大臣になったら何をやりたいかを話してるんですよ。それを選ばれた方が、この9人の中で誰か。いつ解散するかは私以外の方は分かりません。ただ私だったらできるだけ早期に解散するというのは、改革プランは明確に話しています、そのうえで政治と金の問題があって、はやく国民の皆さんに信を問うたことを礎としての政権運営をしなければ、どんな政策だって前に進まない。そういった判断と考え方は、私はご理解いただけるのではないかなと思います」と語った。

 橋本氏は「まあ、一応、分かりました」と返した。
 
 

小泉進次郎氏、質問者をいら立たせる 衆院解散の前に国会論戦する意思があるか問われ 自民党総裁選討論会

 
 14日に行われた日本記者クラブ主催の自民党総裁選候補者による討論会では、早期の衆院解散・総選挙を主張する小泉進次郎元環境相が具体的な解散時期を問われたのに対し、首相指名選挙を行う臨時国会を召集しないと解散できないと説明。質問の焦点をずらすような回答に、質問者がいら立つ一幕があった。
 
◆質問者「そんなことは分かっている」
 質問者は、国民に判断材料を与えるためにも、全閣僚が出席して一問一答形式で議論する予算委員会を臨時国会で行った後に解散する意思があるかと問うた。
 
 これに対し、小泉氏は「総裁選が終わった27日に解散するかのような印象で言っているが、首相指名を受けて…」と説明し始めたため、質問者が「そんなことは分かっている」と反論した。小泉氏は総裁選を通じて判断材料は与えられるとし「できるだけ早期に解散する。改革プランは明確に話している」と強調。予算委を行うか明言は避けた。
 
 小泉氏の回答に対する感想を問われた石破茂元幹事長は、予算委は行うべきだと指摘。「解散でこの国から衆院議員がいなくなる。世界情勢がどうなるかわからないのに『すぐ解散します』と私は言わない」と述べた。(川田篤志)