欧州訪問 8/29~9/10

自主独立の党づくりやSNS活用などで交流

志位議長がベルギー労働党書記長と会談

 
 
 日本共産党の志位和夫議長は4日、ブリュッセルのベルギー労働党本部で、同党のペテル・メルテンス書記長と両党間で初めての首脳会談を行いました。軍事同盟強化に反対し、排外主義と闘うことなど連帯の関係を強めることを確認しました。

 志位氏は、ベルギー労働党が6月の総選挙と欧州議会選挙で躍進したことに祝意を表し、「同じ発達した資本主義国で活動する党として、共通の条件、課題、困難があると思う。教訓を学び合い、連帯と協力の関係を強化したい」と述べました。

 メルテンス氏は、党の立て直しの苦闘を振り返り、党勢が長く低迷していた中、2008年の党大会で、教条主義やセクト主義から脱却する党の「刷新」方針を決め、旧ソ連とも中国とも異なる自主独立の路線を確立したことが、政策的にも組織的にも今日の躍進につながったことを紹介しました。

 志位氏は、日本共産党が戦後、旧ソ連や中国による干渉との闘いの教訓を踏まえ、自主独立の立場と綱領路線を確立した経緯を紹介し、両党間にきわめて重要な点での共通の教訓があることの重要性を強調しました。

 志位氏は平和の問題をめぐり、(1)軍事同盟強化や大軍拡を許さない(2)核兵器禁止条約の推進(3)外国軍基地のない世界をめざす取り組み―などの課題を挙げ、連帯して取り組んでいきたいと表明。同時に、極右が台頭するもとでの排外主義との闘いは、人間の尊厳と人権をまもる国際問題でもあるとして、この分野でも連帯して取り組みたいと述べました。メルテンス氏は、それぞれの課題について、ベルギー労働党の立場と取り組みを説明し、連帯の重要性を語りました。
 
 
 また、メルテンス氏は、労働党が選挙での躍進に取り組む上でソーシャルメディアの活用で大きな成果をあげていることを紹介。「草の根の声と運動と結びつけてSNSを活用している」として、青年や労働者、国民の要求や関心にかみあって、短く分かりやすいコンテンツづくりに心がけている点を強調。党本部として、人的にも思い切った特別の体制をとり、宣伝、教育、組織、広報などの諸部門が一体となってソーシャルメディア対策を抜本的に強めている点を丁寧に説明しました。

 同時に、日本共産党が「しんぶん赤旗」を85万という規模で発行し、維持している点に触れ、「素晴らしい。世界の共産党の中で最も大きい部数の機関紙だ」と述べて、機関紙活動についてぜひ知りたいと質問しました。志位氏は、紙の新聞を基本にして国民と結びつく努力を強めつつ、電子版にも取り組んでいると述べるとともに、自民党裏金問題でのスクープなど「赤旗」の役割と機関紙活動について説明しました。

 会談後、志位氏は同党本部内で宣伝やソーシャルメディアを担当する部門を訪れ、多数のスタッフが動画編集やチャット対応などに取り組んでいる様子を質問を交えながら見学しました。
 
 
欧州訪問 8/29~9/10
時短と最賃―連帯の精神で闘いを発展
志位議長、ベルギー労組幹部と懇談

 
 日本共産党の志位和夫議長は4日、ブリュッセル市内でベルギー労働党の労働組合担当者、労働組合幹部と懇談し、同国の労働時間や最低賃金に関する現状を聞きました。

 現在のベルギーの法定労働時間は週38時間ですが、労働組合は32時間への短縮を求めて闘っていると報告。労働党の組合担当者は「フルタイム労働者の労働時間の短縮はパートタイム労働者の労働条件を良くすることにつながる」と指摘。「労働者の『自由な時間』を増やすことは、資本家と闘う時間を確保する上でも重要だ」として、労働者間の連帯を強化していると話しました。

 最低賃金について労組幹部は、現在月収で2050ユーロ(約33万円)、金属労働者では2700ユーロ(約43万円)だが、なお生計費に達していないとして、労働者全体の賃上げのために最賃のさらなる引き上げを求めてストライキに取り組むと決意を語りました。

 志位氏は「労働時間も最低賃金も、労働組合が労働者全体の状態を改善する見地で闘うという“連帯”の精神で頑張っていることに感動した。この闘いの経験を日本に持ち帰りたい」と述べました。