トップを「エラい」と勘違いさせる周りの媚びへつらいが自己正当化とパワハラの元凶だ
ラサール石井
 
上智大学文学部新聞学科の奥山俊宏教授
「私の見ますところ、今回の告発文書には様々な内容が含まれています。その真実性や真実相当性の程度は様々だと思われます。意図的なウソ、虚偽は見当たらないように思われます」
「告発文書には、法的に保護されるべき公益通報が含まれている可能性がある。一部をとるのでなく、丁寧な判断が必要だった。斎藤知事らのふるまいは公益通報者保護法に違反すると考えます。」
 
 
 最近はある程度大所帯の演劇が行われる場合、顔合わせの時に「ハラスメント講習」を受けることが多くなった。確かに一昔前までは演出家や監督が物を投げる、「死ね」と罵倒する、なんて現場はよくあった。

 さすがに最近ではそういった例は少なくなってきたが、今は自覚のないパワハラが多いそうで、「一生懸命仕事して何が悪い」と本人は気が付かない。

「部下を道具と思わない」「階級の違いはない。役割の違いがあるだけ」などと講習を受けるうち、これはまんま兵庫県知事の斎藤氏に聞かせたいと思った。
 
 客観的に考えて、彼のパワハラはグレーではなく真っ黒で、弁解の余地はないと思うが、本人は全く責任を感じ辞める気配がない。驚くほどの自己正当化。それこそがパワハラ体質なのだが、人が何人も亡くなっているのに眉ひとつ動かさない鉄面皮には空恐ろしくなる。

 そもそも「知事はエラい」と思っているのが間違いだが、実はそう思わせる周りにも問題があると思う。

 神奈川県知事の黒岩氏は私の大学の後輩であり、その関係でしばらくある委員会に呼ばれて出席していた。
 
 彼は温和な人間でパワハラ体質はないが、委員会では我々委員が全員テーブルにつき、それから知事が呼ばれる。知事の歩いてくる経路の箇所箇所に職員が立ち、「知事がいらっしゃいました」「知事がいらっしゃいました」と伝言していき、委員会の部屋に「いらっしゃいました」と通され、本人は「はい」と鷹揚に応えて席に着く。まるで「お殿様のおなーりー」状態だ。

 黒岩氏が悪いのではない、本人は知らないのだ。しかし毎回こうされていたら、自然とそれが当たり前になる。「私はエラい」と勘違いする人間も出てくるだろう。

 この、職員の、とくに幹部職員の媚びへつらい体質が、トップを勘違いさせ権力を振りかざす地盤をつくる。

 これは東京都知事も同じである。議会や記者会見における小池氏の立ち居振る舞いはまさに女帝のそれだ。

 関東大震災で虐殺された朝鮮人慰霊の文をなぜ出さないかと問われ、「震災の被害に遭われた皆さまへは慰霊しております」と答え「震災の被害と虐殺とは違う」と言うと、虐殺には多くの証言が残っており国会議事録にも記載があるのにもかかわらず「さまざまな研究がある」と答える。「虐殺はなかったという研究があるということか」と聞くと、笑顔で「さまざまな研究があるということです」と答えた。

「答えになってません」と記者に叫んで欲しかった。女帝の笑みに「しつこいぞ。もう聞くな」という威圧を感じ背筋が凍った。
 
 

兵庫知事告発 県幹部、文書作成者探しは「トータルで知事の指示」

 

 

 
 兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会の調査特別委員会(百条委)は5日午前、告発者の元県西播磨県民局長の男性(7月に死亡)が公益通報をしたにもかかわらず懲戒処分をした経緯について、原田剛治・県産業労働部長を証人尋問した。「文書の出所を探そうと指示したのは知事か」との問いに、原田部長は「トータルとしてはそうだ」と証言した。

 原田部長は、知事らが告発文を把握した翌日の3月21日、知事や片山安孝・元副知事(7月に辞職)らとの協議の場があったことを明らかにした。この場で知事から「文書に書かれた事実関係を調べよう」と指示があり、可能性のある職員の公用メールの調査などを始めたという。
 
 一連の問題は元局長が3月、知事のパワハラを含む七つの疑惑を告発する文書を報道機関や県議に配布したことで発覚した。
 元局長は県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じた公益通報者保護法の対象外と判断。内部調査を進めた結果、「核心部分が事実でなく、誹謗(ひぼう)中傷に当たる」と断じ、元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。

 元局長は7月、県内の親族宅で亡くなっているのが見つかった。処分に踏み切った県の対応に問題がなかったか百条委で調査が進められている。

 知事は8月30日にあった百条委の証人尋問で告発文について「事実でないことが多く含まれ、誹謗中傷性が高いものだと判断して調査した」と説明。元局長を処分したことは「適切だと思っている」と正当性を主張した。

 一方、百条委では県職員が「公益通報の結果が出るまで処分しないほうがいい」と進言していたことが明らかになっている。【幸長由子、藤河匠】
 
 

「兵庫知事らのふるまいは公益通報者保護法に違反」 百条委で識者

 
まさに「独裁者が反対者を粛清」
「知事らは告発の矛先を向けられている当人であり、告発文書に関する判断から自ら身を引くべきだったが、正反対の行動を選んだ。冷静な対応ができず、まるで独裁者が反対者を粛清するかのような陰惨な構図を描いてしまった」
 
 
 兵庫県の斎藤元彦知事がパワーハラスメントなどの疑惑を文書で告発された問題で、県議会の調査特別委員会(百条委)は5日午前、告発者の元県西播磨県民局長の男性(7月に死亡)が公益通報をしたにもかかわらず懲戒処分を受けたことについて、参考人の奥山俊宏・上智大教授から見解を聞いた。

 内部告発者の保護法制に詳しい奥山教授は県の対応について、「元局長の告発を公益通報に該当しないと判断したのは拙速で、知事らのふるまいは公益通報者保護法に違反する」と述べた。

 一連の問題は元局長が3月、知事のパワハラを含む七つの疑惑を告発する文書を報道機関や県議に配布したことで発覚した。
 
 元局長は県の公益通報窓口にも通報したが、県は通報者への不利益な扱いを禁じた公益通報者保護法の対象外と判断。内部調査を進めた結果、「核心部分が事実でなく、誹謗(ひぼう)中傷に当たる」と断じ、元局長を停職3カ月の懲戒処分にした。
 元局長は7月、県内の親族宅で亡くなっているのが見つかった。処分に踏み切った県の対応に問題がなかったか百条委で調査が進められている。

 知事は8月30日にあった百条委の証人尋問で告発文について「事実でないことが多く含まれ、誹謗中傷性が高いものだと判断して調査した」と説明。元局長を処分したことは「適切だと思っている」と正当性を主張した。

 一方、百条委では県職員が「公益通報の結果が出るまで処分しないほうがいい」と進言していたことが明らかになっている。【大坪菜々美、砂押健太、芝村侑美】
 
 

【速報】「斎藤知事らのふるまいは、公益通報者保護法に違反」公益通報の専門家が百条委で証言「告発文書は公益通報に該当と考える」との意見

 
 
5日の兵庫県の百条委員会には、公益通報に詳しい上智大学文学部新聞学科の奥山俊宏教授が出頭。

奥山教授は、「私の見ますところ、今回の告発文書には様々な内容が含まれています。その真実性や真実相当性の程度は様々だと思われます。意図的なウソ、虚偽は見当たらないように思われます」と述べました。

そして奥山教授は、「告発文書には、法的に保護されるべき公益通報が含まれている可能性がある。一部をとるのでなく、丁寧な判断が必要だった。斎藤知事らのふるまいは公益通報者保護法に違反すると考えます。」と証言しました。

元幹部職員の男性は、今年4月に県の公益通報窓口に通報しましたが、県は告発文書について、「核心的な部分は事実でない」として対応、5月に元幹部を停職3か月の懲戒処分にしていました。男性はその後、死亡しました。

また、これまで斎藤知事らは、「対応は適切」と述べています。
 
 

兵庫・斎藤元彦知事の発言は「公開パワハラ」と専門家 百条委、通報者保護法違反の指摘も

 

 

 
斎藤元彦兵庫県知事の疑惑告発文書問題で、県議会の調査特別委員会(百条委員会)が5日開かれ、参考人として出席した上智大の奥山俊宏教授は告発文書に公益通報が含まれていることは明らかだと指摘し、斎藤氏らの対応は「公益通報者保護法に違反する」との見方を示した。文書を作成した元県幹部の男性について斎藤氏が「公務員失格」と記者会見で発言したことも「いわば公開パワハラ。許されない」と批判した。

午後には贈答品受領疑惑も含めた検証が始まり、側近幹部や県の特別弁護士ら数人を尋問する。出頭予定だった前総務部長は体調不良などを訴え、欠席が認められた。

6日は午前に副知事を辞職した片山安孝氏、午後に斎藤氏の尋問がある。日本維新の会は証言内容を踏まえ斎藤氏への不信任決議案を出すかどうか判断すると表明しており、県議会最大会派の自民党も6日夜に総会を開き対応を協議する。

文書は元県幹部の男性が作成したもので斎藤氏のパワハラなど疑惑7項目を列挙。男性は関係者や報道機関に配布後、県の公益通報窓口にも通報したが、通報者への不利益な扱いを禁じる公益通報者保護法の対象とされず、懲戒処分を受けた後に死亡した。

「公益通報に当たらない」とする斎藤氏の主張について、奥山教授は「公益通報者保護法について誤解に基づいているものが一部ある」と指摘。通報窓口を県内部ではなく外部の弁護士事務所などに置くべきだとした。

文書には斎藤氏の「おねだり体質」も挙げられ、地元企業からコーヒーメーカーを受領したり、協定を結んだ企業からロードバイクを贈られたりしたなどと記載。職員アンケートでも革の高級ジャンパーを関係者に要求したとの証言があった。(共同)
 
 

橋下徹氏「維新の内部はガタガタ」現場の執行部への不満が沸点まで「馬場代表たちは気づいてない」斎藤兵庫県知事のパワハラ疑惑で

 
維新組長橋下徹は焦りまくっている。資質の極端に悪い維新はこうなってしまうと始末に終えない!
 
 元大阪府知事の橋下徹氏が5日、日本テレビ「情報ライブ ミヤネ屋」に出演。斎藤元彦兵庫県知事がパワハラ疑惑が問われていることに関して、日本維新の会の現状を「内部はガタガタ」と明かした。

 斎藤氏は、2021年の知事選で自民と維新の推薦で当選した。自民は百条委員会の設置に賛成したが、維新は「真相解明をした後に記者会見で説明すべき」と反対の立場を取っていたが、有権者からの批判を浴びている。

 橋下氏は大阪府知事だった2010年に、大阪維新の会を設立し、12年には日本維新の代表に就任した、いわば、維新の生みの親。しかし、この日は「いま、維新の内部はガタガタになっています。国政維新の馬場さんの執行部に対して、維新のメンバーが不満がもう沸点まで達して、エライことになりそうな状況になってるのに、馬場さん達も維新執行部も気づいていないという状況です」と話した。
 
 さらに「元々、維新執行部は斎藤さん擁護で行ったんです。これは職員のクーデターだと。だから事実解明ではっきりすれば、パワハラやおねだりの事実は大したものが出てこないというのが維新の見立てだったんです。百条委員会が終わるまで、ずっと調査をやっていけば、大したものが出てこないだろうと言っていたのが、どんどんどんどん、こういう風になってきて、現場の方は不信任に賛成しないとエラいことになるぞ。でも執行部は『いやいや、事実解明が優先だ』というから、現場の方は馬場さんたちにものすごい不満が起きている」と突き放した。

 兵庫県議会の維新所属議員は21人。橋下氏は「知事を守ろうとしているんです。で、内部で割れ始めて、世論がこうなっているんで、維新のスタンスは、どちらかというと、職員にものすごく厳しかったんです。百条委員会にも反対していたんですから。でも、これだけ世論になって、グダグダになって、なんとか不信任に方向転換しなきゃいけないんじゃないかと」と、知事支持から転向を謀っているが、執行部とのズレが起きているとした。

 吉村洋文知事と松井一郎前知事は、かつて大阪府の財政課長だった斎藤氏の上司だった関係。「斎藤さんが自分の部下として働いているときは、こんな人物だとは思わなかったと言っている。だから最初は、職員からクーデターを起こされていると思ったみたい。課長時代はみじんもこんな姿を見せずに誠実にやっていたのに、知事になってからこうなったのは、怖くないですか?」と話す橋下氏は、そこに気づけなかった維新の執行部は「大変なことになっていますね」と腕を組んだ。