「爆弾の代わりに花の種をまけば…」8歳が願う戦争がない世界 地雷被害の絵本からイメージした「花畑」

 
 
<平和の俳句2024>

おとすのはばくだんではなくはなのたね

  鈴木悠日(はるひ、8歳) 東京都目黒区

 「爆弾で壊された街をニュースで見ると悲しくなってしまう。代わりに花の種をまけば一面の花畑が見られるのに」。俳句にそう思いを込めた。トキワ松学園小学校(東京都目黒区)の2年生。授業で習ったのをきっかけに俳句を始めた。

 校長が昨年、朝礼で読んでくれた絵本「地雷ではなく花をください」(自由国民社)の内容がずっと心に残っていた。過去の戦争で埋められた地雷で、命を落としたり、けがをしたりする人がいる。そのことを主人公のウサギが伝え、撤去を呼びかける。絵本から花畑を思い浮かべた。
 ロシアによるウクライナ侵攻などのニュースを見ながら、母の悠花さん(40)と戦争について話すことがある。「世界中から戦争がなくなって、みんなが幸せに暮らせるといいな」

◆曽祖母から聞いた79年前の終戦当時の話
 昨年8月に95歳で亡くなった曽祖母の松山昭子さんから、終戦当時の話を聞いていた。食料不足の中で貴重なミカンの缶詰を開け、家族に誕生日を祝ってもらったという。79年前まで日本が戦争をしていたことを想像するのは難しい。

 でも、当時の苦労を聞くたびに思うようになった。「戦争をしてはいけない」(服部展和)

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 若者を兵器にする人間魚雷が保管された洞穴、空襲で犠牲になった友の家にあったサルスベリ…。今も残る場所や草木が、戦争を経験した人たちにいや応なく「あの日」を思い起こさせてきた。東京新聞が8月中に掲載している、読者が詠んだ「平和の俳句」。ウクライナやパレスチナ自治区ガザなどで今も戦火がやまぬ中、つづられた「平和の俳句」には、悲しみ、怒り、不戦への願いが宿っている。
 
 

藤沢市民 平和の思いスピーチ 辻堂駅で15日「不戦のちかい」

 
 
 神奈川県の藤沢市民有志が15日午後4時から同市のJR辻堂駅北口で、集会「ふじさわ・不戦のちかい 平和行動」を開く。参加者は思い思いにスピーチし、歌や踊りを交え、戦争のない平和な世界を願う気持ちを訴える。

 集会は2004年に始まった。前年12月、当時の小泉内閣がイラクへ自衛隊を派遣するための基本計画を閣議決定した。これに対して「憲法違反ではないか」と抗議の声を上げた市民らが「平和への思いを込めたアクションを続けよう」と集会を企画した。

 以来、20年間にわたり、「敗戦の日」の8月15日と「開戦の日」の12月8日の年2回、藤沢駅や辻堂駅周辺で開催。護憲を主張する団体や個人、地方議員、国会議員、核兵器廃絶を求めて署名活動に取り組む「高校生平和大使」らが参加し、それぞれの立場からアピールを続けている。
 集会を呼びかけた1人で実行委員の島田啓子さん(80)は「世界中で紛争が起きているが、今は世界が協力して気候危機に立ち向かわなければいけない時代。争いのない国、世界を次の世代に渡したい」と話す。(吉岡潤)