改悪法採決で日本共産党は、外国人に対する「差別と排斥の歴史を終わらせ、保護と共生へ」「つないだ手を絶対に離さない」と決意を表明

 

 

 

 日本の難民認定制度では、難民と認定すべき外国人が排斥されています。

 2023年に国民の批判を押し切って成立し、6月10日に全面施行された改悪入管法は、この問題点を何ら改善しないものでした。

 この法律を岸田文雄政権は先の通常国会でさらに改悪し、永住者資格取り消し制度の導入、技能実習制度の育成就労制度への看板掛け替えなどを行いました。

 外国人の人権問題は焦眉の課題です。

■難民不認定を覆す
 そうしたなか、難民認定のあり方に一石を投じる判決が4日、ありました。同性愛を理由に迫害を受け日本に逃れた北アフリカ出身の男性が日本政府に難民不認定処分の取り消しを求めた裁判で、大阪地裁は「難民に該当する」として国の処分を取り消しました。

 判決が、帰国すれば家族から迫害され、本国から逮捕や訴追を受けるおそれがあると認定したことは重要です。「性的少数者だという事情は、人間の尊厳にとって根源的なもので」「変更や放棄を強要されるべきではない」としました。

 裁判で難民不認定の判断がただされれば強制送還を回避できますが、時間がかかりすぎます。本来、入管庁・法相の難民認定手続きで適正な判断がされるべきです。不認定が裁判で覆ったケースを第三者機関が検証する必要があります。

 ところが、難民審査参与員の一部は「送還ありき」で審査数をこなし、審査に弁護士の立ち会いも録音録画も認めていません。世界で当たり前の透明性・公平性からかけ離れています。

■保護と共生に向け
 難民認定制度を抜本的に改革すべきです。出入国管理と難民保護機関の分離、独立した難民等保護委員会の設置が必須です。

 現状では入管庁は、「送還忌避者」と一方的に決めつけ、強制送還しています。仮放免中は働くことを許さず、深刻な生活苦によって帰国せざるを得ない状況に追い込んでいます。施行された改悪入管法は送還忌避罪などを設け、生命の危険など母国に帰れない事情を抱えた外国人の送還をさらに容易にするものです。

 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が6月に発表した世界の難民等に関する『グローバル・トレンズ・レポート2023』は、24年5月時点で避難を余儀なくされた人が12年連続で増加、過去最多の1億2千万人に達したと報告しています。すでに外国人は私たちと共に生きています。

 23年の改悪法採決で日本共産党は、外国人に対する「差別と排斥の歴史を終わらせ、保護と共生へ」「つないだ手を絶対に離さない」と決意を表明しました。

 支援を求める外国人は増加の一途なのに、日本の入管行政は外国人、特に難民に対してUNHCRからも厳しすぎると非難される政策をすすめています。宗教、特定の社会的集団、政治的意見などを理由に「迫害を受けるおそれがあるという十分に理由のある恐怖」を持つ人は難民として保護すべきだとする難民条約を批准した責任を、政府に果たさせなければなりません。外国ルーツの人たちを尊厳ある人間として受け入れ共に生きる制度をつくるために広範な運動と入管法の抜本改正が不可欠です。