政府がメールのやり取りを常時監視し、情報を保存するようになるということ。プライバシーを侵害する危険があります。
「メールの件名や本文のようなデータ本体は原則、収集の対象外」としていますが、つまり「例外」があります。例外を拡大するのは政府の常套手段です。
政府はサイバー攻撃に先手を打って被害を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」を巡り、インターネットの住所に当たるIPアドレスや通信量の変化などの付随的な「メタ情報」について、政府機関による監視を平時から可能とする方向で検討に入った。プライバシーに配慮し、メールの件名や本文のようなデータ本体は原則、収集の対象外とする。複数の政府関係者が14日明らかにした。
ネット空間の監視強化には憲法21条が規定する「通信の秘密」を侵害するとの懸念がある。攻撃元検知を目的に、直接的に個人が特定されないメタ情報限定で収集するならば、正当な行為として許容されると判断した。
関係者によると、国内の通信事業者が保有するメタ情報を政府が取得する仕組みの構築を検討。情報の収集、管理は内閣サイバーセキュリティセンターを発展的に改組する新組織を中心に行う構えだ。政府は外国から日本への通信に加え、外国間であっても日本を経由する不審な通信情報を中心に収集・監視する方向で調整している。