田中優子法大元総長、望月衣塑子氏らが幻冬舎と見城徹社長に訴えられる。テレビ朝日株主提案をめぐる配信で

 
「安倍政権下でテレビは執拗(しつよう)な攻撃を受けたが、民放は発言しなかった。ならばわれわれが申し入れをしようとなった」見城徹社長はアベとは繋がりのあったいわば書籍の側でアベを宣伝した人物。公正な姿勢を要求する者を訴えるなんて狂っているとしか言いようがない。
 
 
田中優子法政大学名誉教授・前総長、ニュースサイト「Arc Times」編集長の尾形聡彦氏、同サイトのキャスター望月衣塑子氏らが(株)幻冬舎および同社の見城徹社長から訴訟を起こされていたことがわかった。

前川喜平元文科省事務次官と田中優子氏が共同代表を務める「テレビ輝け!市民ネットワーク」はテレビ朝日ホールディングスに対し、4つの株主提案(会社からは、第4議案~第7議案の通し番号を付されている)を行っており、6月27日の定時株主総会にて議決されることになっている。

このうち第5号議案は子会社テレビ朝日が、放送番組審議会の委員長である見城徹氏の経営する幻冬舎の出版物を、広告であると誤解や疑念が生じさせかねない内容で放送しているとし、第三者委員会の設置を求めるもの。

また第6号議案は見城氏が放送番組審議会委員を約20年以上務め、委員長も11年目となるなど、在任が長期化していて審議会の議論を支配する危険性があるため、定款にて委員の任期を定めるよう求めている。

訴状によると、原告側は「Arc Times」配信の番組内で、これらの株主提案についての被告側の発言に名誉毀損があったと主張している。

「テレビ輝け!市民ネットワーク」事務局の阪口徳雄弁護士、梓澤和幸弁護士、杉浦ひとみ弁護士は、

「訴訟により株主総会における議論の自由闊達さが失われてはならない。また中小の市民メディアの活動を萎縮させることなく、かえってその存在感を輝かせるきっかけにしたい」

という見解を持っており、6月27日のテレビ朝日ホールディングス株主総会後の記者会見にてこの訴訟についても触れるという。
 
代表に対する(株)幻冬舎と見城徹同社社長からの提訴をうけ、作り直された「記者会見のお知らせ」第2弾。「テレビ輝け!市民ネットワーク」提供
 
なおテレビ朝日HDに対する株主提案の内容は以下のサイトの「株主提案の内容のご案内」「提案の補足説明」で読むことができる。

https://tv-shine-more.awe.jp/
 

赤澤竜也
作家 編集者
大阪府出身。慶應義塾大学文学部卒業後、公益法人勤務、進学塾講師、信用金庫営業マン、飲食店経営、トラック運転手、週刊誌記者などに従事。著書としてノンフィクションに「国策不捜査『森友事件』の全貌」(文藝春秋・籠池泰典氏との共著)「銀行員だった父と偽装請負だった僕」(ダイヤモンド社)、「内川家。」(飛鳥新社)、「サッカー日本代表の少年時代」(PHP研究所・共著)、小説では「吹部!」「白球ガールズ」「まぁちんぐ! 吹部!#2」(KADOKAWA)など。編集者として山岸忍氏の「負けへんで! 東証一部上場企業社長VS地検特捜部」(文藝春秋)の企画・構成を担当。日本文藝家協会会員。
 
 

「政治権力に忖度や迎合しない報道を」 田中優子氏、前川喜平氏ら市民グループがテレ朝HDに株主提案

 
 
政治権力のテレビ報道への介入に対抗する市民グループ「テレビ輝け!市民ネットワーク」は8日、テレビ朝日ホールディングス(HD)に、権力に忖度(そんたく)や迎合をしないことなどを求める株主提案を行った。
 
 グループは昨年に発足し、田中優子前法政大総長と前川喜平元文部科学次官が共同代表を務める。メンバー48人でテレ朝HD株を計約4万株購入し、株主提案する準備を進めてきた。
 
 提案では、テレ朝HDに(1)公平公正な報道を行うという放送法の理念に照らし、権力に対する忖度や迎合をしない(2)過去10年の間にあからさまな圧力があれば第三者委員会にかけて調査する(3)放送番組審議会の委員らの任期に上限を設ける(4)前川氏を社外取締役に就ける―の4点を求めた。テレ朝HDは、6月の株主総会で回答する予定だ。
 
 田中氏は、記者会見で「テレビを批判するためでなく、励ますための提案。テレビの影響力はまだまだ強い。信頼しているがゆえにしっかりしてほしい」と指摘した。事務局の阪口徳雄弁護士は「安倍政権下でテレビは執拗(しつよう)な攻撃を受けたが、民放は発言しなかった。ならばわれわれが申し入れをしようとなった」と述べた。今後、大株主の朝日新聞や外国人投資家などにも働きかけるという。(望月衣塑子)