「子どもという商品の価値を高めて輩出するのが学校」県教育委員の発言を共産県議が批判、知事は議員の批判を「大変不適切」と逆批判

 
教育勅語のような子供たちの国に奉仕させる道具の一つに見ている。子供たちは真っ白な純粋な心を持って学ぶ場へ行く。そこで社会奉仕に貢献できるような従順な人間形成の場になって良いのか??富山県の教育現場の荒廃されていく一端を見たような気がする。富山県に旅行したときに「私の娘は40歳の今ままで非正規に教員。今年は正職になるべく頑張っているのです」と聞いたことを思い出している。教育現場が非正規の人たちに責任を正規の教員と同じ労働力で使う。子供も本人も犠牲者だ。
 
 
 決して保護者のためではなく、国家繁栄のために教育があることを肝に銘じてほしい――。こうした富山県教育委員の牧田和樹氏の発言について、共産党県議と新田知事が19日、県議会で賛否を巡る応酬を繰り広げた。

 発言は昨年8月29日~9月6日に富山経済同友会が主催した欧州視察であった。視察報告書によると、牧田氏は9月3日にデンマークで、同行した県内の現役教員らに講話し、教育を貨幣経済になぞらえた上で、「社会の役に立つ人材、つまり子どもという商品の価値を高めて輩出するのが学校」と語った。
 
 これに対し、火爪弘子県議(共産)は県議会一般質問で、「子どもたちを商品と言い放ち、(人格の形成を趣旨とする)教育基本法を否定する考えの方は教育委員として不適格」と指摘し、任命者の新田知事の見解を問うた。これに対し、新田知事は「経済人として商品を磨き上げるのは当然」とし、「教育で質を上げる対象は子ども。それを先生や学校がやるというレトリックでお話をされた」と述べ、不適切ではないとの考えを示した。
 
 さらに、新田知事は「民間人で公職についている方を、議会で議員が名指しで批判するのは大変に不適切」と火爪氏を批判し、「教育基本法のどこに違反するのか理解できない」とも語った。

 また、牧田氏は読売新聞の取材に「一般論として任意団体主催の事業で発言したことを、公選された人間が議会で取り上げるのは異常だと思う」と述べた。

 県教育委員会によると、教育委員は特別職の非常勤職員。議会に人事案を提案して、議会の同意を得た上で知事が任命する。