トヨタという“日本の病巣”を国税OBが告発! 株価以外すべて破壊「日本人の給料を下げ続けたトヨタ」失われた30年の真実

 
連合の組合で幅を効かせ、労使一体の国民民主党が主導権を握っている弊害が長い間続いている。
 
 
トヨタは日本経済に「貢献していない」衝撃の事実
本メルマガでは、前2回で「近年の日本の税制はトヨタなど大企業ばかりを優遇している」ということをご説明してきました。
 
「トヨタの社員は潤っているんだから間接的に日本経済に貢献している」

という反対意見をチラホラ見かけました。

そういうふうに思っている日本人も多いと思います。

が、これらの意見はとんでもない勘違いをしています。

確かにトヨタは日本最大の企業であり、日本経済にとって重要な存在です。トヨタがつぶれれば、日本経済は大きな打撃を受けるでしょう。

だからといって、トヨタばかりを優遇する税制を続けていれば、ほかの産業にひずみが出て、結果的には日本経済を停滞させることになります。

実際、現在の日本経済はそうなっているのです。

トヨタは、近年、世界最大の自動車販売を何度も記録し、史上最高収益を何度も更新しています。しかし、トヨタの大躍進と反比例するように、日本経済は衰退しています。

「トヨタの社員は潤っているから間接的に日本経済に貢献している」というのは、あきらかに大きな勘違いです。

というより、トヨタはこれだけ儲かっていて、税金もほとんど払っていないのに、この2~30年、社員の賃金をケチりにケチってきたのです。
 
日本人の賃金が下がったのはトヨタが原因
2002年から現在まで、トヨタがベースアップしたのは、2年に1度程度です。特に2003年から2005年までの5年間、ベースアップをまったくしませんでした。トヨタは2004年に過去最高収益を上げているにもかかわらず、ベースアップがなかったのです。
 
このトヨタの賃金ケチり政策は、トヨタの社員だけではなく、日本全国の企業、サラリーマンにも大きな影響を与えたのです。

ご存知のようにトヨタは日本最大の企業です。トヨタの賃金政策は、そのまま全国の日本企業に波及します。

「トヨタがベースアップしないなら、うちもベースアップしなくていい」ということになるのです。
 
特に、史上最高収益を出した2004年前後でさえ、ベースアップをしなかったということは、労働界に大きな衝撃を与えました。

トヨタのような好業績の企業でさえ、ベースアップしなかったということは、業績がそれほどよくない企業は、まったくベースアップをしないし、業績が悪い企業は、大手を振って賃金を下げることになります。

その結果、日本経済はどうなったでしょうか?賃金が下がりっぱなしとなったのです。

この30年の間、先進国で賃金が上昇しなかったのはほぼ日本だけなのです。

日本はあまりに賃金が上がらなかったので、現在では韓国よりも賃金が低くなってしまいました。

そして、賃金が上がらなければ、国民の生活は豊かにならず消費も冷え込みます。景気がよくなるはずがないのです。「平成の失われた30年」の最大の元凶は低賃金であり、その流れをつくったのはトヨタだといえるのです。
 
トヨタの開発トップが中国企業へ引き抜かれる
トヨタの社員を大事にしない低賃金政策は、トヨタ自身の首を絞めることにもなっています。
 
2021年にはトヨタのカムリの開発者責任者が、中国の自動車メーカー「広州汽車集団」に引き抜かれたという報道がありました。

日本企業の最高峰の技術者が、中国企業に転身したということです。

このカムリの開発責任者は、「広州汽車集団」の製造部門のトップに据えられました。
 
カムリというのは、現在のトヨタを代表する車種であり、アメリカで16年連続売上1位を記録した世界戦略の主力車です。

このカムリが2017年にフルモデルチェンジをしたときの開発トップが、中国メーカーに移ったのです。日本としては大変な損失と言っていいでしょう。

実はバブル崩壊以降、日本の大勢の技術者たちが韓国や中国の企業に引き抜かれました。

韓国や中国の工業が、この2~30年で急激に発展した背景には、日本人技術者の存在があるのです。

日本人技術者が、中韓企業に移った最大の理由は、日本での賃金が低すぎたことです。

そして、日本人の賃金低下の大きな原因として、トヨタの「低賃金政策」があるのです。
 
「トヨタこそ日本経済の武器」という洗脳から脱却せよ
日本経済の最大の武器は、自動車産業でもトヨタでもありません。
 
「有能で勤勉な国民」です。

しかし政府や大企業は、この有能で勤勉な国民に対して、まっとうな報酬を払ってきませんでした。

今、日本が衰退している最大の理由は、ここにあるのです。
 
トヨタは、ここ数年の春闘では組合側の要求に対して満額回答をしています。以前のトヨタでは考えられないほどの大盤振る舞いです。

「社員の賃金を下げることは企業自身の将来を危うくする」ということに今さらながら気づいたのでしょう。

が、気づかないよりはマシではありますが、「失われた30年」を取り戻すにはまだまだ全く不足しています。

2000年代、史上最高収益を出した時にも賃上げをしなかったケチケチトヨタの罪は大きいのです。

これまで述べてきたようにトヨタは、この2~30年の間、史上最高収益を何度も更新し、税金でも優遇されていたのに、従業員の賃金は極限まで削ってきました。

では一体、何にお金を使ったのかというと株主への「配当金」なのです。
 
トヨタは株主の方だけを向く
トヨタは、この2~30年の間、配当金が爆上がりし、2000年代前半から現在までの間に配当金の額は約10倍にも達しているのです。
 
つまりトヨタは、日本国に税金も払わず従業員の賃金もケチり、ひたすら株主の方に莫大な利益を貢いでいたのです。

資本主義というのは、利益に株主を還元する経済システムではありますが、それはきちんと税金を納め、社員にまっとうな賃金を払った上での話です。

トヨタのやり方は、資本主義のモラルを完全に逸脱するものです。
 
しかも昨今のトヨタの株の多くは外国人に握られています。

言ってみれば、トヨタは外国人投資家に貢ぐために存在するというようなものなのです。

次回は、トヨタの配当金が今どうなっているのか?その配当金で誰が儲かっているのか?を掘り下げたいと思います。
 
 

日本を滅ぼす「トヨタの大罪」を国税OBが告発。輸出戻し税はトヨタへの補助金、嘘でもデマでもない税逃れ国富収奪30年

 
 
元国税調査官が暴くトヨタ“もう1つの不正”と「輸出戻し税」のカラクリ
消費税には、輸出還付金(輸出戻し税)という制度があります。

この輸出還付金は、事実上、輸出企業への補助金とさえいえるものです。輸出企業は、消費税を納付していないのに、還付金を受け取っているからです。

なのですが、昨今、ネット上では賛否両論が渦巻いています。「輸出還付金は、輸出企業が当然受け取るべきものである」と主張される方も多くおられるのです。
 
そこで今回は、この輸出還付金論争について解説したいと思います。

まず輸出還付金の仕組みについてご説明しますね。消費税というのは、不思議な仕組みがいくつもあり、そのうちの一つが、「輸出還付金」というものです。

消費税には、「国内で消費されるものだけにかかる」という建前があります。だから、輸出されるものには、消費税はかかりません。

ところが、輸出されるものというのは、国内で製造する段階で、材料費などで消費税を支払っています。そのため「輸出されるときに、支払った消費税を還付する」という仕組みがあるのです。それが、輸出還付金というものです。

「輸出戻し税はトヨタへの補助金」が嘘でもデマでもない理由
消費税の建前上の仕組みからいえば、この輸出戻し税というのは、わからないことでもありません。輸出企業は、製造段階で消費税を払っているのに、売上のときには客から消費税をもらえないので、自腹を切ることになるからです。

しかし現実的に見ると、この制度は決して公平ではありません。

というより、この戻し税は事実上、「輸出企業への補助金」となっているのです。というのも、大手の輸出企業は、製造段階できちんと消費税を払っていないからです。

消費税がかかっているからといって、下請け企業や外注企業は、価格に消費税を転嫁できません。製造部品などの価格は、下請け企業が勝手に決められるものではなく、発注元と受注企業が相談して決めるものです。

となると、力の強い発注元の意見が通ることになり、必然的に消費税の上乗せというのは難しくなります。

トヨタなどの巨大企業となるとなおさらです。トヨタから発注を受けている業者は、常にコスト削減を求められています。表向きは消費税分を転嫁できたとしても、「コスト削減」を盾に価格を引き下げられることはままあります。

となると、トヨタなどの輸出企業は製造段階で消費税を払っていないにもかかわらず、戻し税だけをもらえる、ということになるのです。
 
下請けいじめとセット。トヨタが輸出戻し税に寄生している証拠
「トヨタは消費税を払っていないのに輸出戻し税だけをもらっている」というのは、私が勝手に空想しているのではなく、実際にデータとしても証明されています。
 
2014年8月の帝国データバンクによる、トヨタ自動車グループの下請け企業の実態調査結果の発表によると、全国約3万社の下請け企業の2007年度と2013年度の売上を比較したところ、2007年度の水準を回復していない企業が約7割を占めたのです。

トヨタ自体は、この間にリーマン・ショックの打撃から回復し過去最高収益を連発していますが、それは下請けにはまったく反映されていないということです。というより、トヨタは下請けに対する支払いを削ることで最高収益を上げたともいえるのです。

当然のことながら、下請け企業が消費税分を価格に転嫁することなどはできていないのです。
 
また、今年(2024年)の3月には、日産自動車が下請け企業に減額を強要したとして公正取引員会から「下請法違反」だという指摘を受けています。公正取引員会から指摘を受けるというのは相当なことです。これほどの減額要請をしているのだから、下請け企業が消費税分を上乗せして請求できるはずなどないのです。

このようにトヨタでも日産でも、下請けが消費税を価格に転嫁できているとはとても言えないのです。

日本を代表する産業である自動車業界でこのようなことが行なわれているのです。トヨタ、日産だけがやっているとは思えず、日本の輸出企業全体が、同様の空気を持っているといえるでしょう。

その一方で、輸出企業の戻し税は昨今、急激に増額しています。つまり、輸出企業は「戻し税」を丸儲けしているということなのです。

日本の税制そのものがトヨタに歪められてきたという事実
この消費税の戻し税のことだけを見ると、「たまたま輸出企業に有利になっているだけで、仕組みの上では無理のあるものではない」と思う人もいるかもしれません。

ですが、ここ2~30年の税制の流れを見てみると、明らかに輸出企業(特にトヨタ)に有利な方向に行っているのです。

だから、この消費税の戻し税について論じる場合は、税制の大きな流れまで視野に入れて考えないと「木を見て森を見ず」の状態になってしまうのです。
 
過去30年の税制改革は、すべて「トヨタ優遇政策」だった
ここまで、「消費税には輸出還付金という制度があり、これは事実上、輸出企業への補助金になっている」ということを指摘してきました。この制度の建前は、
 
消費税は、国内で消費されるものだけにかかり、輸出されるものにはかからない
だが、輸出されるものも、国内製造の段階で、材料費などの消費税を支払っている
そのため、ものが輸出されるときに、支払った消費税を還付する
というものです。この理屈だけを見ると、輸出還付金は別に輸出企業の補助金ではなく、まっとうな制度のように見えます。が、輸出している大企業のほとんどは、国内で製造するときには、下請け業者に対してまともに消費税は払っていない、だから、事実上、還付金だけ受け取っていると、筆者は述べたのです。

しかし、筆者がこう述べても、まだ「輸出還付金は別に補助金ではない」と思っている人もいるでしょう。

そこで、さらに別の角度から、この「輸出還付金」について分析したいと思います。この2~30年の税制が、いかに輸出企業(特にトヨタ)を優遇するものになっていっているのかを明らかにしたいと思います。

ここ2~30年の税制の流れを見てみると、明らかに輸出企業(特にトヨタ)に有利な方向に行っているのです。この消費税の輸出還付金について論じる場合も、税制の大きな流れも視野に入れて考えないと「木を見て森を見ず」の状態になってしまうのです。

あまり語られることはありませんが、ここ2~30年の日本の税金は、あからさまにトヨタが得をするような変革をとげてきました。日本の税制は、トヨタを中心に回っているといってもいいほどなのです。トヨタが関連する最近の税改正をあげてみましょう。

●1989年:物品税廃止
これにより自動車購入にかかる税金は消費税を含めてもかなり割安になった。

●1989年:消費税導入
消費税の輸出戻し税制度により、トヨタは消費税の納付よりも還付金の方が多く、トヨタにとって消費税は納めるものではなくもらうものとなった。

●2003年:一定の研究開発を行う企業に大減税
これによりトヨタの法人税は、実質20%減となる。

●2008年:子会社からの受取配当金を非課税とする
トヨタはこの恩恵のために、5年間、法人税を払わずに済んだ。

●1980年代~現在:法人税減税
大企業の法人税は1980年代と比べて約半分になった。

以上のように、90年代から現在にかけて、トヨタ関連は矢継ぎ早に減税されています。しかも2010年代以降も、法人税減税などがされており、トヨタには減税に継ぐ減税が行われているのです。

日本を代表する大企業のトヨタが、日本人の富を吸い上げている
以前、このメルマガでもご紹介しましたが、トヨタは2008年から5年間も法人税を払っていませんでした。この間に、トヨタは最高収益を更新しているほど儲かっていたというのに、です。
 
だからトヨタは、2008年からの5年間は、税金を払わずに還付金だけを受け取っていたのです。つまり、トヨタにとって、「税金は払うものではなくもらうもの」だったのです。

トヨタが、税金を払っていなかった最大の理由は、「外国からの受取配当金減税」と「試験開発費減税」が行われたからです。

「外国子会社からの受取配当減税」とは外国の子会社から配当を受け取った場合、その95%は課税対象からはずされる、というものです。
 
これは、現地国と日本で二重に課税を防ぐ、という建前でつくられた制度です。外国子会社からの配当は、現地で税金が源泉徴収されているケースが多く、日本でも課税すれば二重課税になるという理屈です。

しかし、二重課税を防ぐのであれば、外国で払った税額を控除すればいいだけです。実際に以前はそうされていました。

が、2008年から外国で支払った税金を控除するのではなく、外国子会社からもらった配当金そのものを所得から控除できることになったのです。

これにより、外国で支払った税金が日本の法人税よりも安ければ、その分、企業が儲かることになったのです。

そのため、タックスヘイブンのような税金の安い国に、子会社を設け、その子会社に利益を集中させるような企業も増えました。

減税額の65%を、日本企業全体の0.2%に過ぎない大企業が享受
そして、トヨタが税金を払わずに済んだもう一つの減税、「試験開発減税」について。

2003年に導入されたこの減税は、製造業の大企業に大きなメリットがあります。

研究開発費の減税というのは、簡単に言えば、「試験開発をした企業はその費用の10%分の税金を削減しますよ」という制度です。限度額はその会社の法人税額の20%です。

これを大まかに言えば、製造業の大企業の法人税が20%も下げられたのです。減税対象がかなり緩く設定されているので、製造業の大企業のほとんどは対象となったからです。

この試験開発費による減税額は、2023年度に7636億円にも達しています。

そしてこの7636億円の減税額の65%は、日本企業全体の0.2%の大企業が享受していたのです。紛れもなくトヨタなどの大企業のための減税策なのです。

それやこれやの減税により、トヨタは2008年から5年間も法人税を払わずに済んだのです。

それ以降、トヨタは史上最高収益を何度も更新したので法人税は払うようになりましたが、消費税の還付金が莫大だったため差引納付額はほとんどありませんでした。
 
トヨタ本社と自民党の“不正”が日本を衰退国にした
これらの税制の流れを見れば、明らかにトヨタが優遇されていることがわかるはずです。
 
またそもそも、消費税も実はトヨタの強い意向で導入されたものなのです。

この流れを見たとき、いくら消費税の輸出戻し税に関してそれらしい理屈をつけても、トヨタ優遇の一環ではないか――そう見られても仕方のないところだと筆者は思います。

日本最大の企業であり、日本でもっとも儲かっている企業が、日本国にほとんど税金を払っていないという事実。これは、現代日本を象徴する事象であり、日本衰退の大きな要因でもあります。
 
ちなみに、トヨタは長年、自民党の最大の献金企業です。今の日本は、だいたい全体的にこんな構造になっているのです。日本は滅ぶべくして滅んでいるのです。