主要7カ国首脳会議(G7サミット)が13日、イタリアで開幕した。初日はロシアによる侵攻が続くウクライナ情勢や、パレスチナ自治区ガザで続く戦闘などについて議論。ウクライナのゼレンスキー大統領も出席し、岸田文雄首相との首脳会談を調整中だ。

 サミットは15日までの3日間。13日午前、議長国イタリアのメローニ首相が岸田首相やバイデン米大統領らG7首脳らを出迎え、記念撮影。その後、議論が始まった。

 初日の討議では、ウクライナ支援の継続について議論を交わす。G7がウクライナ支援のための基金を創設し、各国が貸し付けたうえで、その返済にロシアの凍結資産が生み出す利益を充てる案を検討している。首脳会議と並行して、合意に向けた実務者協議が開かれている模様だ。

 対ロシア制裁の強化も議論される。日本はロシアへ軍事転用可能な物資の提供が疑われる中国など第三国の企業・団体に対し、新たな制裁措置を打ち出すとみられる。

 首相とゼレンスキー氏の会談が実現すれば、G7広島サミット以来、1年ぶり。ウクライナの復旧・復興や人道状況の改善のため、具体的な支援策を示した協力文書を交わす見通しだ。

 サミットでは、生成AI(人工知能)への対応も議論される。AIの活用と安全性をどう両立させるかが焦点。インド太平洋と経済安全保障のテーマでは、中国の過剰生産や輸出規制への対応が主な議論になりそうだ。14日までに議論の成果をまとめた首脳コミュニケ(声明)が採択される。

 サミット終了後、首相はスイスへ向かい、ウクライナ和平の道筋を協議する会議に参加する。(イタリア南部プーリア州=村松真次)