自民党富山県連が2022年に開いた政治資金パーティーで会場の収容人数を大きく上回る約7800人分のパーティー券を販売していたことが12日、県連への取材で分かった。実際の出席者は約3千人だった。政治資金規正法はパーティーを「対価を徴収して行われる催物」と定めており事実上の寄付を受けていた可能性がある。
 県連の政治資金収支報告書などによると、パーティーは22年5月29日に富山市で開催。参加費は1人1万円で、7832万円の収入があった。
 会場の富山産業展示館の収容人数は約3千人。県連は取材に「(販売は)出席を前提としており、人数の制限も設けていない」とし、違法性はないとの認識を示した。

 

 

鈴木氏記載漏れ282万円に訂正 自民法案提出者、66万円から

 
 
 自民党の政治資金規正法改正案提出者の鈴木馨祐氏は、12日の参院政治改革特別委員会で、自身が代表を務める党支部の2021年政治資金収支報告書に計282万円の記載漏れがあったと明らかにした。5月の衆院政治改革特別委員会で計66万円と答えていたが、精査したとして訂正した。「大変反省しており、おわびしたい」と述べた。
 
共産党の井上哲士氏は記載漏れについて「順法精神が欠如している」と批判した。鈴木氏は21年の衆院選の際に「陣中見舞いなどの寄付で企業・団体に関するものが全て漏れていた」と説明。不記載は当初の6件でなく10件で、ミスだったと強調した。
 
 

政策活動費を合法化

自民案 規正法を改悪

井上氏追及「非公開の拡大も」

参院政治改革特委

 
 
 自民党の裏金事件を受けた政治資金規正法などの改正に向けた参院政治改革特別委員会が12日に開かれました。日本共産党の井上哲士議員は、脱法的行為である「政策活動費」を法律に書き込んで合法化し、お墨付きを与えるのが自民案だと批判し、改悪の中身をただしました。
 
 井上氏は、政治資金規正法は政治活動を「国民の不断の監視と批判の下」に置くために政治資金の公開を定めていると指摘。自民党が続けてきた党の役職者に渡せば使途を公開しない政策活動費を認める条文がどこにあるのかと迫りました。

 自民案提出者の鈴木馨祐衆院議員は、条文を示せず、「プライバシーや公開になじまないものについてのみ政策活動費で対応している」と答弁。井上氏は、岸田文雄首相が非公開の理由に「党の戦略的運動方針が明らかになる恐れ」をあげていると示し、「それは党の都合にすぎず、非公開とすることは規正法に反する」と批判。「幹事長の場合、年間10億円もの金を党から受け取り、使途を明らかにしていない。党の役職として支出するというなら、その内容を党本部に報告し、通常と同じように公開すればいい」と迫りました。

 自民案は、政策活動費の領収書や明細書などの公開は10年後としていますが、具体的な制度の内容は固まっていません。

 井上氏は、政策活動費の受け手が役職者だけでなく国会議員・候補者まで広げられることで、「政治資金の非公開が拡大するのではないか」と指摘。規正法違反の時効は5年のため、10年後の公開では罪に問えないとして、「不適切な使途が明らかになった場合、10年に達する前でも情報公開請求の対象となるのか」とただしました。自民党の勝目康衆院議員は「条文上想定されていない」と否定しました。

 井上氏は、10年間非公開では有権者が選挙の際に政治資金の内容を通じて判断することも不可能だと述べ、「国民の信頼回復といいながら、このような法案を強行すれば、ますます国民の不信は広がる」と批判しました。