望月衣塑子氏が危ぶむ小池都知事の“独裁化” 「対決するには蓮舫氏が適任」 会見は「菅さんの方がまし」

 
 
今日のミヤネ屋は酷かった。 
田崎と橋下で蓮舫批判。 
「当選したら議会が動かなくなる」って 
じゃ政権交代など永久に出来ない。
 次の議会議員選挙で自公を落とせばいいだけだよ。
 
 
「側近が告発してる」のに4年前と同じく学歴問題は影響しないとスシロー、この人本当にジャーナリストか?

田崎史郎「この問題は4年前の都知事選の前に発生して、その結果、小池さんが366万票で圧勝したわけです、だから学歴問題は都民の選挙の時の判断基準にはなってない」
 
 
 多くの政治通たちも度肝を抜く、衝撃の展開だった。立憲民主党の蓮舫参院議員は5月27日、東京都知事選(7月7日投開票)への立候補を表明。自民党や小池百合子都知事が抱える問題を精力的に取材してきた東京新聞の望月衣塑子記者は、「反自民党政治・非小池都政」を掲げる蓮舫氏の出馬に期待を寄せているという。望月記者が危険視する、「菅義偉・元官房長官のときよりも“異様”」な都庁での記者会見、そこから垣間見える小池氏の“独裁っぷり”とは――。
 
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――蓮舫氏が都知事選に出馬すると聞いて、どう感じましたか

 びっくりはしましたね。先週までは都議たちの間に「小池3選は確実」というムードが漂っていて、野党サイドも「小池さんに対抗できる候補者を絞り込めなくて悩んでいる」って言っていたので。

 でも、やっぱり今の“流れ”ですよね。自民党の裏金問題に対する国民の怒りが渦巻く中、静岡県知事選でも目黒区の都議補選でも自民党系候補は落選していて、岸田首相のお膝元である広島県府中町長選なんて3千票差で負けています。

■小池さん1強という空気はガラっと変わりました

 小池さんも最初は自民党と対立姿勢だったのに、最近は自民党候補を応援するなど、親密さが目立ちます。蓮舫さんは「自民党裏金政治との決別」を宣言していて、「それは都政とは関係ないのでは?」って言う人もいるけど、全国に広がる自民不信が各地の選挙結果に表れています。

 小池さんは言葉に力がある政治家なので、彼女と対決するには、普段から言葉で戦ってきた蓮舫さんは適任でしょう。実際、小池さん1強という空気はガラっと変わりましたよね。国会で裏金問題の追及が続く中、蓮舫さんが今の勢いに乗って当選したら、政権交代に向けた大きな起爆剤になると思います。野党側もそれを狙っているでしょうし。

――小池都政について問題視していることはありますか

 音楽家の故・坂本龍一さんが亡くなる直前、声が出せなくなっても訴えていた明治神宮外苑再開発と同じような問題が、日比谷公園など都内各地で起きています。開発を進める三井不動産のグループ2社には、都の元幹部が天下りをしているとの報道もありました。
 
 小池さんが掲げた待機児童ゼロ、介護離職ゼロ、都道電柱ゼロ、多摩格差ゼロ、残業ゼロなど7つのゼロ、12のゼロの公約はほとんどが未達成。そんな中、都の予算の多くが小池さんのアピールの場に使われているとの指摘もあります。

 蓮舫さんの出馬会見のとき、小池さんの顔写真やメッセージ付きの防災ブックを配るために11億円の予算増、防災ポスターを張った町会には総額8.5億円の補助金が支払われたという指摘が出て、驚きました。形を変えた選挙活動だと言われても致し方ないし、税金の使い道としておかしいのでは?という話になる。選挙戦をきっかけに小池都政の問題が掘り起こされて、何が出てくるのかは今後期待したいところです。

 個人的には、「今も都庁前の炊き出しに800人もの列ができる中、都庁舎のプロジェクションマッピングはいつまで続けるのか」「関東大震災での朝鮮人虐殺への追悼文の取りやめはどうするのか」といったテーマにも問題意識は持っていますが、何よりも危機感を抱いているのが、今の都庁記者クラブの異様な状況です。

■都合の悪い質問が見事なまでに出ない

――「記者クラブが異様」とは、具体的にどのような状況なのでしょうか

 記者会見の質疑応答で、小池さんにとって都合の悪い質問が見事なまでに出ないんです。たとえばプロジェクションマッピングの件は都民からも批判が上がっているのに、問題を追及する代わりに、「せっかく人が集まっているのに、都庁のコンビニが土日に閉まっていては経済効果が半減するのでは?」みたいな質問が出る始末で。

 小池さんの学歴詐称疑惑については、うち(※東京新聞)の都庁キャップが何度か聞いていますけど、他社はあまり追随しません。批判的な姿勢が煙たがられているのか、うちの記者は都民ファーストの会や自民・公明系の都議になかなか取材を受けてもらえない、受けてもらえても文句しか言われない、みたいな嫌な目に遭っているという話も聞きました。
 
 フリーランスの記者が会見の場から締め出されていて、オンライン上からしか参加できないことも、今の閉鎖的な空気の一因でしょう。2017年に小池さんが希望の党を設立したとき、フリー記者の横田一さんから「(合流を目指す旧民進党の議員を) 排除するんですか?」と問われて、「排除いたします」と言ってしまった、あの失言を機にフリー記者に対する恐怖心があるのかなと思います。

――菅義偉氏が官房長官だったとき、望月さんは孤軍奮闘で菅氏に厳しい質問をぶつけていました。今の小池都知事の会見に、当時と似た雰囲気を感じますか

 私は都庁担当ではないので、会見は中継で見ているのですが、菅さんの会見のほうがまだましだと思いますよ。官房長官会見は、都知事会見以上に多くの人が見ていることもあり、会見の最後には一応望月も指して2問くらい質問させる感じでした。でも今の小池さんに、都合の悪い質問をする記者はほとんどいません。

■学歴詐称疑惑には明確な回答を避け続ける

 記者会見に限らず、都議会でも “独裁化”が進んでいるように見えます。3月の予算特別委員会で、立憲民主党の関口健太郎議員が「知事に対して厳しい質問をしたり、耳ざわりなことを言ったりする議員には76%の確率で答弁拒否をしている。答弁拒否どころか答弁差別だと思う」と小池さんを批判したら、都民ファと自公は「不穏当な発言」として速記録から削除を求め、賛成多数で動議が可決されました。

 かつて小池さんは、「東京大改革の一丁目一番地には情報公開がある」と言っていたのに、メディアがきちんと監視・追及してこなかったせいで、ある種のモンスターを生んでしまったように思えます。

 一方、蓮舫さんの出馬会見では、フリーランスの記者もけっこう指されていましたよね。私も参加しましたが、久々に普通の会見だったなという印象でした。

――望月さんは、次の都知事として蓮舫氏に期待しているのでしょうか

 小池さんは、学歴詐称疑惑に対していまだ明確な回答を避け続けています。また小池さんが出馬した場合、裏金問題に反省の色が見られない自民党と、それをアシストする公明党が支持するとされている。
 
 記者クラブの状況ふくめ、長期化による閉そく感が漂う小池都政と、自民党中心の政治をリセットしない限り、都民のための政治を取り戻すことはできないのではないかと感じています。

 もちろん、都政を変えるのは大変だと思います。仮に蓮舫さんが知事になっても、都民ファ・自公が圧倒的多数を占める都議会の構成を変えないことには、なかなかやりたいことを通せないでしょうから。でも、まずは今とは違う人がトップに立たないと、何も変わらない。

■「私と少し似ているところも」

 蓮舫さんは、私の中では「質問力に長けた政治家」という印象です。先日の政治倫理審査会でも裏金問題について厳しく問い詰めて、あの世耕さん(※自民党・世耕弘成前参院幹事長)をワタワタさせていたし。容赦なく切り込んでいくスタイルには、私と少し似ているところも感じますが、蓮舫さんは一つひとつの質問が手短だし、とても頭の切れる方だと思います。

 とはいえ、問題を追及したり政策を細かく点検したりする能力と、手持ちの材料をうまく使って政治を動かしていく能力はまた別物だろうとも思うので、知事になったときの手腕というのは未知数ですね。

――望月さん自身は、政治家を目指そうという気持ちはないのですか

「そんなに政治批判ばかりするなら、選挙に出たらいいんじゃない?」と、知人や与野党の議員の方々から言われたことはあります(笑)。でも私、全然向いてないんですよ。与党はもちろん、野党勢力と言えども、いつなんどき与党になるかは分からない。政治の中枢に入るよりも、時の為政者をきちんと監視したいという思いのほうがずっと強いですね。

(AERA dot.編集部・大谷百合絵)