子供か💢見つかると早々に「やめます」と。情け無い限り!

 

 

 自民党の政治資金パーティー収入の裏金問題が発端となり、政治資金規正法改正で国会が紛糾しているこの時期に、裏金問題で派閥を解散した旧二階派の事務総長で、党から役職停止の処分を受けた武田良太元総務相が、新たな政治資金パーティーを予定していたことがわかった。

 

 AERA dot.編集部が入手したパーティーの案内状によれば、8月2日18時半から、武田氏は福岡市内のホテルで、
〈衆議院議員 武田良太政経セミナー〉
 と銘打った政治資金パーティーの開催を予定。
 連絡先は、武田氏が代表を務める自民党福岡県第11支部で、出欠のファクスのあて先は、武田氏の福岡県田川市の事務所になっていた。

 また、これとは別に6月11日にも東京都内のホテルで朝8時から朝食会を開催することもわかった。これも政治資金パーティーに該当する会合だ。

■政倫審では「政治不信を招いた」とお詫び

 自民党では、岸田文雄首相の号令で党政治刷新本部が1月に、派閥(政策集団)による政治資金パーティーの「全面的な禁止」を打ち出した。ただ、禁止されるのは「派閥のパーティー」で、国会議員個人が開催するパーティーは対象外。武田氏のように、パーティーを開催する議員が何人もいるという。

 ただ、武田氏は他の議員とは事情が違う。

 武田氏は自民党の裏金事件で東京地検特捜部の強制捜査も受けた二階派の事務総長として、2月に衆院政治倫理審査会に出席。

「政治不信を招くに至ったことに、志帥会(二階派)を代表してお詫び申し上げたい」
 と頭を下げた。

 自らも1926万円の政治資金パーティー収入の政治資金報告書への不記載が発覚。4月には、党から役職停止1年の処分を受けている。

 実は武田氏は、東京地検特捜部が自民党の裏金事件の捜査を進めているさなかの昨年12月にも、東京のホテルで1000人以上を集める大規模な政治資金パーティーを開催。これをAERA dot.などが報じ、批判を浴びた。

 

 長く自民党で政務調査役を務めた、政治評論家の田村重信氏はこう話す。

「昨年12月は、まだ派閥解散も処分もなかった時期でも批判された。今は党の役員停止という重い処分が科せられている。世間的にはこの処分はたいしたことがないと思われがちだが、党内で役員になれない処分を食らうと、数年は重要ポストがまわってこない重い処分です。閣僚経験者で派閥の事務総長までやって裏金問題で処分を受けた武田氏が、処分中にパーティーの開催となれば、批判をされますよ」

■武田氏の資金力は「けた違い」

 武田氏は当選7回。安倍・菅内閣で国家公安委員長や総務相などの要職を務めた。旧二階派は、二階俊博元幹事長が裏金事件の責任をとって政界引退を表明し、解散となったが、旧二階派の国会議員はこう話す。

「武田氏は二階氏から、『集まってくる者はいるので、後をやらないか』と派閥の後継を打診されたほど嘱望されていた。だが、武田氏は批判が強いことを危惧して後継を断った。時間を置けば自分自身で派閥のようなグループを作れると自信があるからだそうです。確かに、武田氏の資金力はけた違いですからうなずけます」

 共同通信の報道によると、2022年の政治資金収支報告書から集計した国会議員のパーティー収入は、武田氏が全議員の2位で約2億8100万円だった。ちなみに岸田首相は3位で約2億700万円だった。

 武田氏の支援者はこう話す。
「武田氏は、大きなパーティーを東京と地元の福岡で年に2、3回開催して、一気にカネを集める。それを背景に、若い議員を束ねていく旧来の政治手法だ。前に聞いたところ、大きなパーティーをやって、有力議員や有名人に挨拶してもらうことで大きなPR効果がある。それを見て頼ってくる若手議員もけっこういるという」

 この支援者は、8月のパーティーにも参加予定だと言う。
「私は付き合いが長いので、パーティーには参加します。『政治家として将来、上にいくためにはパーティーは欠かせないので支援してほしい』と言われたこともある。武田氏の秘書は常にパーティー券を持ち歩いている印象です。風当たりが強いこの時期にパーティーを開催するのは、二階氏の後継は自分だとアピールしたいのではないか」

 

■「質問書が来てパーティーは中止した」

 これまでやってきたからと言って、政治不信を強めた当事者である武田氏が、この時期に政治資金パーティーを開催して資金を集めようとするのはいかがなものか。武田事務所に質問すると、次のような回答がファクスで届いた。

「6月11日に開催する朝食会は講師をお招きしての定例勉強会です。昨年から日程を決めており、ご案内もすでに済ましている関係上混乱を避けるためにも、政治資金規正法等の法令に基づいて適正に対応してまいります。また、8月2日に福岡市内で開催予定のパーティーは中止させていただきます。今後も引き続き、法令遵守の徹底に努めてまいります」

 武田事務所に電話をして、8月のパーティー中止の理由をさらに聞くと、秘書は、
「中止は(AERA dot.の)質問書を受け取ってから決めた。理由ですか? 総合的に判断した結果です」
 と答えた。

(AERA dot.編集部・今西憲之)

 

裏金疑惑の橋本聖子議員 政倫審での説明と収支報告書が食い違いだらけ 「あまりに無責任。議員辞めるべきだ」と専門家 これが問題の報告書の写真

 

橋本聖子、終焉。

 

 

安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティの売り上げから2018年以降だけで2057万円の高額のキックバックを受け取っていた橋本聖子参院議員が、3月に出席した政治倫理審査会(以下、政倫審)で説明していた内容と、政治資金収支報告書(以下、収支報告書)の記載内容が大きく食い違っていることが分かった。(フリージャーナリスト・鈴木祐太)

 

◆裏金でなく借入金として処理と主張するが
 

橋本議員の「第83支部」の2019年分の収支報告書。1566万円のキックバックがあったのに、橋本議員個人からの借入金は1350万円しかない。差額216万はどこへ? なお「石崎聖子」は、橋本議員の戸籍上の名前。

東京新聞によると、橋本議員は3月14日に開催された参議院の政倫審において、代表を務める「自民党北海道参議院比例区第83支部」(以下「第83支部」)の収支について次のように説明している。

「(派閥事務局の意向で)領収書を発行できなかったために寄付金収入としては計上できなかった。担当者は困惑の末、私個人からの借入金収入として収支報告に計上した上で、政治活動に適正に使った」

この発言通りだと、キックバックを受けた金の処理は、「第83支部」が橋本議員個人から借入した金として処理されていなければ辻褄が合わない。

橋本議員は18年に202万円、自身の選挙があった19年には1566万円、20年には289万円を安倍派からキックバックしてもらっている。21年、22年は、東京五輪組織委員会会長を失言で退任にした森喜朗氏の後を継いだ際に自民党を離党。安倍派も離脱したため、キックバックは受け取っていない。

◆何もかもが不可解だらけ
ところがである。橋本議員が代表を務める「第83支部」の18年の収支報告書には、借入金の記載が見つからないのである。

1566万円のキックバックを受けた19年は、「第83支部」は1350万円を橋本議員本人からの借入金として処理している。しかし、残りの216万円は借入金として処理されておらず、いったいどこにいったのか、政倫審で説明していない。

また「第83支部」は20年に橋本議員から1200万円を借り入れているが、この年のキックバック分289万円を超えているので、一見問題がないように思えるが、なぜ289万円の借り入れにせず、1200万円にしたのか疑問が残る。

それだけでなく、「第83支部」は今年3月1日に、橋本議員からのこの借入金1200万円を493万円に減額訂正している。安倍派からのキックバック分を寄付に訂正するのであれば911万円を減額して289万円にしなければ辻褄が合わない。不可解だ。

 

◆「裏金ではない」の根拠とも合わない不可解
橋本議員は政倫審において次のように説明している。

「私の政治活動に関する収入と支出は全て収支報告に計上されており報道されているようないわゆる裏金ではないということが結論であろうかと存じます」

裏金でないと強弁しているが、橋本議員からの借入金を安倍派からの寄付金と訂正処理すれば済むはずだ。ところが、収支報告書の訂正はこれだけではなく、不可解だらけなのだ。

橋本議員が代表を務める「ジャパニーズドリーム」という資金管理団体がある。「ジャパニーズドリーム」は橋本議員の「第83支部」に、「金銭以外のものによる寄付相当分」として、21年22年ともに6300万円ずつが計上していたが、それが今年3月1日、両年ともに4243万円に減額する訂正がなされている。

その差額は年間2057万円、2年分で4114万円になる。この「金銭以外のものによる寄付相当分」とは、いったい何を指すのか。収支報告書からはまったくわからない。そもそも21年22年とも安倍派から離脱しているので訂正する必要はないはずだ。

安倍派が収支報告書を訂正したのは、今年1月31日だった。しかし、「第83支部」及び「ジャパニーズドリーム」が訂正したのは3月1日だ。

まったく不可解だらけである。橋本議員の事務所に質問状を送ったが、期限までに回答はなかった。

◆政倫審での説明か報告書のどちらかが虚偽
一連の自民党派閥のパーティ券問題を刑事告発し続けている上脇博之神戸学院大学教授は次のように指摘する。

「国権の最高機関を構成する参議院の政倫審において自ら説明した内容が、実際の収支報告書の訂正内容とこれほど食い違い整合性がないのは、あまりにも無責任です。政倫審での説明が真実なら、報告書の訂正は規正法違反の虚偽記入罪になってしまいますし、訂正が真実なら、政倫審での説明が虚偽だったことになります。にもかかわらず、記者の質問に真摯に回答しないというのは、主権者の代表者としての自覚がない。即刻辞職すべきです」

◆東京五輪汚職事件の説明はどこへ行った?
政倫審での説明と実際の収支報告書が、まったく食い違っているのであるから、橋本議員はあらためて説明する責任がある。また、橋本議員は東京五輪組織委員会会長だったにもかかわらず、一連の東京五輪汚職事件でも説明責任を果たしていない。政治家としての資質に疑問符が付くと言わざるを得ない。

■ 鈴木祐太(すずきゆうた)
1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属。