全国に広がっていくべき!

 

 

 栃木県鹿沼市の佐藤信市長は29日の記者会見で、男女の事実婚のケースで使われる住民票の表記を同性カップルに適用する新制度を7月から始めると発表した。「社会に認められるきっかけになる」と語り、同性婚の議論を進めたい思いだ。鳥取県倉吉市、長崎県大村市などの先行事例があり、県内自治体では初の試み。

 市はこれまで同性の事実婚の場合、住民票の続柄に「同居人」と記載してきたが新制度により男性同士のカップルなら「夫(未届)」、女性同士のカップルは「妻(未届)」と記載できるようになる。新たな権利は発生しないが、現代社会の要請に応える措置という。

 市は、LGBTQなど性的少数者のカップルの関係を認める「パートナーシップ宣誓制度」を2019年に県内で初導入。市営住宅の申し込みなど一般の婚姻に近い行政サービスを提供してきた。
 佐藤市長は「市は人それぞれの多様性を認め合う社会を目標に掲げている。先進的に取り組む他自治体を孤立させたくない」と話した。(梅村武史)

 

 

同性婚の動きに法相「身を乗り出して注視」 住民票に「夫」と記載

 
 長崎県大村市が今月2日、市内の男性の同性カップルに対し、続き柄欄に「夫(未届)」と記載した住民票を交付したことをめぐり、小泉龍司法相は29日、衆院法務委員会で同性婚についての国内外の動きについて「我々は受け身じゃなくて、積極的に、身を乗り出して注視する。そういうスタンスでしっかりと臨みたい」と述べた。立憲民主党の山田勝彦氏=長崎3区=への答弁。

 また山田氏は、交付された住民票をもとに同性カップルが申請した雇用保険の移転費について、厚生労働省側が単身分の費用しか支給しない通知を出したことを指摘。厚労省の三浦靖政務官は「同性パートナーは(支給要件)の対象に含まれた形で取り扱っていない」とした上で、「他制度における検討状況も踏まえ、必要に応じて労働政策審議会において議論した上で検討したい」と答えた。

 「夫(未届)」の記載については、住民票制度を所管する総務省の馬場成志副大臣は一般論とした上で、「夫(未届)の記載は実務上、婚姻届を届けていない内縁の夫婦の場合の続き柄で、異なる用いられ方であれば実務上の課題が生じるのではないか」と答弁し、大村市などから聞き取りをする考えを示した。(榧場勇太)
 
 

総務相、事情聴き対応検討

長崎の男性カップル、住民票記載

 

 松本剛明総務相は28日の記者会見で、男性カップルに対し続柄欄に事実婚関係を示す「夫(未届)」と記載した住民票を長崎県大村市が交付したことについて「市から事情を聴いている。その状況を踏まえて対応を検討したい」と述べた。現行制度上、認められるかどうかの見解は明らかにしなかった。

 同性婚は日本で認められておらず、住民票で同性パートナーの続柄は「同居人」「縁故者」などと書くのが一般的とされる。大村市はカップル側の希望を踏まえ協議した結果、「夫(未届)」とする住民票を交付した。