大阪万博は災害対応もグダグダ…大雨で会場孤立化・水没の想定も「防災実施計画」策定されず
大阪で大雨警報出てる時に大阪府知事がスタジオ生出演?夢洲も今豪雨でえらいことになってると思うけど万博の宣伝より会場に被害が無いか把握する方が先では。維新の顔だからテレビ出演して選挙に勝ちたいだけ。コロナ禍テレビで売れたコロナ対応最下位吉村知事。
水があふれ出している夢洲万博。
「どこか気の緩みがあるんじゃないかと」──。2025年大阪・関西万博の会場で発生したメタンガス爆発事故をめぐり、関西経済連合会の松本正義会長は27日の会見で、万博協会の対応に苦言を呈した。協会の副会長に名を連ねる自身の立場を棚に上げ、「爆発はいけませんな」などと言いたい放題。責任を負わされる現場はたまったもんじゃないだろう。
そもそもメタンガスが噴出している土地で開催を強行する“お偉方”の意思決定がオカシイのは言うまでもない。爆発事故の懸念は払拭されないどころか、災害対応もグダグダだ。
気象台は28日、大阪市内に大雨警報を発表。万博会場の夢洲は工事関係者から水はけの悪さが指摘されている。SNS上では〈夢洲の状態が気になってしまう〉〈土砂降りの大雨でどうなってるのか〉など懸念する声が続出した。
実際、大雨によって会場はどうなるのか。協会が策定した「防災基本計画(初版)」によると、1時間に約80ミリの大雨をもたらした2018年の台風21号に匹敵する台風が襲来した場合、ザッと次のような被害が想定されている。
〈道路が川のようになる〉〈静けさの森の池が溢れる〉〈水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる〉〈排水機能を超えた雨水が建物1階部分から浸水する可能性がある〉〈車の運転は危険〉
加えて、市内から夢洲へのアクセスルートである夢咲トンネルは〈冠水もしくは冠水のおそれがある場合に通行止めとなる〉という。実際、昨年6月には大雨に伴う冠水によってトンネルの一部が7時間以上にわたり通行止めとなった。
孤立化した“水没万博”になる恐れがあるというのに、避難経路などの具体策を盛り込んだ「防災実施計画」は、いまだ策定されていない。肝心の実施計画を話し合う安全対策協議会は、内容も資料も原則非公開だ。来場者の安全に大きくかかわる会議すら公開せずに、何が「いのち輝く未来社会のデザイン」か。
府内の小中高(特別支援学校含む)の児童・生徒を万博に無料招待する事業を進める府教育庁に、どう児童・生徒の安全を担保するのか聞くと、「『協会から具体的な避難計画などについては夏ごろに詳細を取りまとめると聞いている』と学校側に伝えています」(教育政策グループ)と回答した。
吉村知事は無料招待の対象校の約半数にあたる950校が「参加希望」だと胸を張ったが、残る半分のうち330校は「未定・検討中」、620校が未回答である。都合のよいことだけ喧伝する大人は信用ならない。
まさか…コレに言われるとは思ってなかったな… https://t.co/Z7GWT9b7O9 pic.twitter.com/lgwRdrZNpf
— 人民パットと楽しみ (@patandfun) May 28, 2024
タダでも大阪万博には行きたくない? 子ども100万人無料招待計画 爆発事故が起きてもゴリ押し
「大阪・関西万博に行きたいという学校は一つもございませんでした。市長としてはこの際、無料招待は『学校で行かなくてもよい』と表明します」
回答期限が今月末に迫る中、学校単位での参加は難しいと表明した交野市。山本市長は会見で、会場まで電車移動するのは混雑状況から「非常に危険」と述べた。バスを使えば計約3000万円が必要とし「市が負担したり、保護者に求めたりできる額ではない」と説明した。3月に会場の建設現場で、埋め立てられた廃棄物から出たメタンガスに工事中の火花が引火した爆発事故も挙げ、「児童生徒に何らかの不利益があってはならない」と強調した。
こうした中で大阪府は27日、各学校への意向調査の途中経過を発表。24日時点で約1280校から回答があり、約75%の約950校が来場を希望したとして、吉村知事は「非常に大きな意義があると考えている学校の先生方が非常に多い」と強調した。裏を返せば、約25%の約330校が「未定・検討中」ということになる。
懸念が再燃している爆発事故は3月28日午前10時55分ごろ発生。万博協会は当初、現場の写真1枚を示し、コンクリートの床約100平方メートルが破損したと発表したが、その後、大阪市消防局への通報が発生の約4時間半後だったと報じられた。今月22日に天井10カ所にへこみがあることを公表し、27日には新たな現場写真3枚を公開した。
万博協会の広報担当者は「現場で火が出ていなかったため、施工業者はまず労働基準監督署に連絡し、結果的に消防への連絡が午後3時ごろとなった」と説明。次々と新事実が出てくる事態だが、「消防から指摘を受けた施工業者からの報告を受け、情報を公表した。写真も報道機関の要請を受けて業者に公表をお願いした。決して隠蔽ではない」と強調する。
不安が残るまま子どもがイベントに動員されかねない事態は、東京五輪・パラリンピックの状況と重なる。都内の公立校の81万人と私立校の9万人が「学校連携観戦プログラム」での観戦を希望していた20年の東京オリパラは、新型コロナウイルス感染拡大を理由に1年延期された。
1964年の東京五輪でも東京近郊の児童生徒が招待された歴史がある。なぜ為政者は子どもを動員しようとするのか。
夢洲は「2008年大阪五輪」予定地の一つだった。「史上初の海上五輪」を掲げたが、招致で北京に敗北。その後、東京五輪開催が決まると、「五輪後の経済活性化策の目玉」に大阪万博が誘致された。今後は海上万博? 海上カジノ? イベント依存は、いい加減に終われないか。(本)
「壊すものを造って、批判を浴びとる。万博は、もっと夢があるもんやと思ってた」工事業者が語った「士気の上がらない現場」 リングやパビリオン建設の下請け経営者や作業員の本音
リングが先に完成すると、
パビリオン建設のために重機等入れるのが難しくなって
プレハブ工法みたいな簡素なものに限られる…
それもあいまって、タイプXへの移行を促してるのか
「張りぼてのまま開幕するんやろか」。大型トラックが次々と行き来し、重機が音を立てる夢洲(ゆめしま)の万博会場建設地や事務所で、建設会社の担当者や作業員らに話を聞いて回った。国策の現場で明らかになったのは、工事関係者でさえ魅力を感じていない現実だった。(共同通信=小島鷹之、武田惇志、岡田学時)
▽つぶすもん
関西地方にあるリング工事の下請け会社を経営する40代男性の今宮さん(仮名)は開口一番、ため息交じりに語った。
「結局、つぶすもんやないですか」
取引のある大手企業からの依頼で、下請けとして工事に参加している。
日本国際博覧会協会(万博協会)は、約350億円を投じてリングを建設するが、閉幕後に現地から撤去する可能性がある。「世界一高い日傘」と揶揄(やゆ)する声や、無駄遣いとの批判が上がっている。
▽日当1万円→1万8千円
新型コロナウイルスの流行・収束と、ウクライナ戦争を機に、資材価格は上昇。国内の働き手不足から、賃金も高騰している。
万博の会場整備費は当初試算の1250億円から2倍近くに膨れあがる可能性もある。
今宮さんが人集めの実情を明かす。
「日雇い労働者が集う大阪・西成で、万博工事以外で作業員を集めようとすれば、数年前までは日当1万円やった。今は1万8千円。こんな状況やから、わざわざ予算の限られた万博に職人さんが来うへんし、そもそも職人さん自体が減って、おらん状況や」
▽プレハブ
今宮さんによると、リングは当初、昨年4月に着工予定だった。だが、元請けの大手ゼネコンが改めて建設費用を見積もると、建設資材と人件費の高騰で、想定予算を大幅に超えることが判明。着工は結局、昨年6月にずれ込んだという。
リングの工事は順調に進んでおり、夏には完成しそうだ。それに伴い、新たな懸念が生まれている。リングの内側に建設するパビリオンの工事の進み具合が低調で、リングが先に完成してしまうと、中に建設用の重機や資材を入れられない事態に陥る可能性がある。
「パビリオン建設のために重機を入れられへんと、工法はプレハブみたいな簡素なものに限られるはずやろ。誰が入場料数千円も払ってプレハブのパビリオンを見に来るんやろか」
▽海外パビリオン
パビリオン建設も、リング同様に士気は低調だ。ある海外パビリオンの建設を設計事務所から請け負った中部地方の建設会社は、関西での仕事も国家規模の仕事も、これまで経験がない。「良いものを造って名をはせたい」と、大阪に拠点を設け、工事を進めている。
会社の担当者は、万博工事を機に全国展開したいと野望を語るが「人員を割いて大阪に来ており、万博の工事が終わったら、地元のお客さんが離れているかもしれない」と不安も口にする。
リングは既に円になっていて、パビリオン工事は苦戦している。
「ゼネコンさんには、リングの組み立てをもう少し計画的にやってほしかった。こっちが遅れていて、リングが計画通りなのかもしれませんが。中のものを造っている人の気持ちも考えてほしい」
▽作業員の声
会場近くまで延伸し、新設されるのが大阪メトロ夢洲駅だ。駅の建設に携わる40代男性作業員は「急いでる感じがしない。開幕直前に突貫工事になると思う」と不安顔。
夢洲で道路や橋を造る50代男性は「今は土日は休めているが、このペースで今後休みが取れるのか」と遅れを心配した。
▽「万博よりも、熊本と種子島やね」
再び今宮さんに話を戻す。今宮さんは、活気に欠ける万博工事とは対照的に、建設ラッシュに沸く地域が他にあると指摘する。
鹿児島県西之表市の馬毛島で建設が進む自衛隊基地計画に伴い、住宅需要が急増する種子島や、半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が工場建設を進める熊本などがそうだ。
会社の利益を考えれば、そちらに人員を割いた方が良いと指摘する。予算が頭打ちの万博は、他の大規模案件と比較しても、建設業者にとって利益が薄く「うまみがない」という。
「造った物が後世にも残るなら、宣伝にもなるやろ。せやったら赤字覚悟で引き受ける企業もあってもおかしくないんやけど、地元からはそういう声は聞こえへんね」
▽もうちょっと夢があるもんやと
そんな今宮さんだが、1970年の大阪万博には、憧れを隠さない。事務所には当時のシンボル「太陽の塔」の模型を飾っているほどだ。本音では、仕事で万博に関わることに喜びを感じている。
取材班は最後に尋ねた。来年の開幕日までに、建設工事は間に合うのか。
「中止はないんちゃいますか。工事が間に合わなくても、張りぼてのまま開幕させるんやないか」。そして、ちょっと考えてから口を開いた。
「万博は、もうちょっと夢があるもんやと思ってた。でも、『子どもを連れて行きたい』って人が、工事の関係者内には現状、誰もおらんのがこの万博の現実を示しとるような気がするんですよ」
【速報】万博会場のシンボル「大屋根リング」中高生向けに見学ツアーを実施「いろんな報道あるが百聞は一見に如かず」と知事
万博の会場となる夢洲で建設が進む「大屋根」はおよそ350億円の建築費がかけられ、完成すれば高さおよそ20メートル、1周およそ2キロで世界最大級の木造建築物となります。
大阪府と大阪市は、子どもたちが大屋根リングをリアルに体感することで万博への期待感を高めることを目的として、博覧会協会と協力し、中学生と高校生向けに6月末から大屋根リングの見学ツアーを実施すると発表しました。
■「いろんな報道もあるが百聞は一見に如かず」と知事
大阪府の吉村洋文知事は29日の会見で「リングについては様々なご意見もありますし、いろんな報道もあります。ただ実際に見たことがない人がほとんどでありまして、僕も現場で本物を見ると『これはほんとにすごいな』と圧倒的な存在感を感じます。百聞は一見に如かずというものになろうかと思いますので、ぜひ木造建築物の技術の素晴らしさ、どういうものが出来上がっているのかというのをぜひ体感してもらえたら」と話しました。
■実際に大屋根に登れる見学ツアー
ツアーに参加した生徒は、大阪府咲洲庁舎の高層階から会場を見ることができるほか、大屋根リングに実際に登って建設が進む会場の様子を見学できる予定です。
対象者は、府内の中学校や高校に通う生徒などで参加費は無料です。(ことし4月時点で12歳~17歳の生徒など)
■定員は各回25人 6日間 1日あたり3回ツアー実施
ツアーは、ことし6月~10月の週末に6日実施される予定で、時間を区切って1日あたり3回ツアーが行われ、定員は各回25人、あわせて450人が参加できます。
【ツアー実施予定日 6月30日(日)、7月28日(日)、8月4日(日)、8月25日(日)、9月29日(日)、10月27日(日)】
ツアーに参加するためには事前にホームページで応募する必要があり、毎月1日~10日にその月の月末のツアー分の募集が実施されます。
応募者多数の場合は抽選になるということです。
また、中高生向けのツアーとは別に、博覧会協会は対象者を限定しない一般向けのツアーを実施する予定です。
この一般向けツアーについても中高生向けツアーと同じ日に実施されます。
関西テレビ