姑息すぎる。目に見える減税のために現場を混乱に陥れる。たった一回の雀の涙の自民党の支持率上昇の策のために。

自分達の金でもないのに恩着せがましく「少しは返してやるから感謝しろよ、次の選挙は自民党に入れろよ」というだけのこと。選挙後には防衛増税と保険料引き上げが待ち受ける。政治を変えないと窮乏化は止まらない。

 

 

6月から実施される所得税と住民税の定額減税について、政府は給与を支払う企業などに対して給与明細に所得税の減税額を明記するよう義務づける方針を決定した。

政府が実施する定額減税では、1人当たり年間で所得税3万円、住民税1万円が減税される。そのうち、給与やボーナスから天引きされる所得税について、定額減税の減税額が明記されることに。また、6月分の住民税は徴収されないため明細上は”住民税0円”と記載され、7月以降に定額減税を反映させた年額を、11か月に分けて徴収する。

鈴木財務大臣は、21日の閣議のあとの記者会見で「デフレマインドの払拭につながる」として、“給与明細へ明記”は減税を実感してもらうことが狙いだと説明。一方で、企業などの事務負担については、「一定の負担が生じることは事実」と認めた上で理解を求めた。減税額の明記義務化は、6月1日施行の関係省令改正で行うという。岸田総理も20日の自民党役員会で「減税の恩恵を国民に実感してもらうことが重要で、給与明細へ明記されるようにする」と話した。

インボイス制度の導入によってすでに企業側の事務負担が重くなっている事業者に更なる負担を”強要”してまで、露骨な減税アピールを行う岸田政権の決定に、ネットやX上でも批判が噴出。

《すげえな岸田文雄!現場の負担お構いなしで給料明細に明記させて「減税の岸田」をアピール作戦かよ!姑息すぎる》
《給与明細見て「お! 減税されてる。岸田さまありがとう」を期待してるのか》
《恩着せがましくてワロタ》
《実績アピールのためだけに事務の負担増やすなよ》
《国民にありがたみを実感させるために明記するんかい。大人しく減税だけしていれば絶賛されたのに》

実際に都内中小企業で給与計算などを行う担当者は、今回の減税についてこのように語る。

「システム対応や扶養内容の確認の必要があるほか、計算や金額表記のチェックも発生しますので、一時的ですが通常ない業務が増えます。恩恵を受けられればいいのですから、処理する方からすれば給付など他にやり方があるのではないかと。仕組みがわかりにくいので会社を経由しないで行って欲しいですし、その場しのぎの減税やってますアピールに感じてしまいます。まだ実際に作業していないから漠然としていますが、実際に作業し始めたら怒りが湧きそうです」

誰のための減税なのだろうかーー。

 

岸田首相の“増税メガネ”払拭狙いミエミエ 「定額減税」給与明細に明記強要の大迷惑

 
 
「減税の恩恵を国民に実感いただくことが重要」──。6月から実施する定額減税について、岸田首相は20日の自民党役員会でそう強調した。祖父も父も衆院議員の世襲ボンボン、中流家庭の苦労を知らない上から目線の発言が鼻につく。減税アピールに心血を注いでいるが、狙いは「増税メガネ」の払拭がミエミエ。国民にはハタ迷惑でしかない。
 
 定額減税では、1人あたり年間で所得税が3万円、住民税が1万円減税される。1人あたり月3000円あまりの小遣い程度に過ぎないのに「減税の恩恵」とは片腹痛いが、わざわざ政府は所得税に関して事業者に減税額を給与明細に明記するよう義務付ける。来月1日に施行される関係省令改正で義務化を行う。

「税理士や社労士、企業の経理担当などは大変でしょう」とは、立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)だ。こう続ける。

「ある医療関係団体で講演したとき、労務士の方から『定額減税によって手間がかかる分、手数料をいただいていいものなのでしょうか』と聞かれました。手数料を取りたいぐらい難しくて大変というわけです。事務負担が増える割に、1人あたりの受益は小さく、極めてバランスが悪いと言わざるを得ません。『減税』を掲げた人気取りにしてもひどすぎる。インボイス制度の導入の際にも指摘されたように、実際に『恩恵』を受けるのは会計ソフトなどを扱う電子産業ぐらいでしょう」

 税制を所管する鈴木財務相は21日の会見で「企業などにとって負担といえば負担だが、ぜひ協力をお願いしたい」と発言。筋ワル政策による事務負担増を分かっていながら、開き直ってみせた。

「そこまでやるか」と言いたくなるが、岸田首相は「集中的な広報などで発信を強める」と鼻息荒い。まさか、「減税メガネ」のアピールに血税をつぎ込むのか。今後の広報活動について財務省に問い合わせると、「総理発言は報道で知っているが、新たな広報戦略を具体化していく方針は今のところない」(主税局)と回答した。

■消費税を下げればいい

「本当に減税に取り組む気なら、消費税を下げればいい。事務負担を増やすだけの定額減税よりも、よほど簡単で効果が分かりやすいと思います」(浦野広明氏)

 ちなみに、政府による電気・ガス代の補助金が6月使用分から消失し、標準世帯では年間約3万円の負担増が見込まれる。雀の涙ほどの「恩恵」すらかすんでは、「増税」から「減税」へのメガネのかけ替えは到底、無理だ。

 

岸田首相 定額減税「俺がやった」アピールが逆効果 システム再構築で企業の負担増

 
 
6月から定額減税が実施となるが、さっそくブーイングが起きている。岸田政権は定額減税を支持率上昇のきっかけと期待。ところが、むしろマイナスとなりかねない事態となっている。

政府は定額減税について企業に対し、給与明細に所得税の減税額を明記することを義務付けることにした。21日に林芳正官房長官が説明。約5000万人いる給与所得者が対象となる。

もともと定額減税は物価高が進むなかで賃金上昇が追いつかないため実施することになっていた。年収2000万円以下の納税者と扶養家族が対象で、1年間で1人あたり所得税3万円、住民税1万円が減税される。6月分の住民税は一律で0円となり、残りの11か月で徴収される。
 
記載義務化は以前から決まっていたというが、反発を生んでいる。ある企業関係者は「プログラミングを変えて給与ソフトの明細欄を増やし、計算も変わる。いろいろなシステムを合わせるのに手間暇かかっています。たった1年の減税のために現場の負担は大きすぎる」と嘆いた。

裏金問題によって自民党と岸田政権の支持率は下降線を描いている。国民に変化をアピールできるはずの政治資金規正法改正でも自民党案は甘すぎると批判される始末。だからこそ6月からの定額減税に岸田文雄首相も力が入っているわけだが、逆効果になりそうだ。

「給与明細をもらって減税額をチェックするたびに『減税よかった』よりも『面倒なことさせやがって』という不満が出そう」(同)

立憲民主党の蓮舫参院議員は「X」(旧ツイッター)に「ならば、防衛費に充てるため2025年度以降行う『所得税とタバコ税と法人税増税』の時にも『私が増税したよ』と誇示してください」と皮肉の投稿をした。

岸田氏の思惑通りにはならないかもしれない。