高市大臣 岸田内閣支持率低迷の理由について「国民が望んでいる方向性が打ち出せていない」

 

 

 
高市経済安全保障担当大臣は、岸田内閣の支持率が低迷している理由について「国民が望んでいる方向性が打ち出せていない」と述べました。

高市経済安保担当大臣は、けさ公開されたラジオ番組で、岸田内閣の支持率が低迷している理由について「国民の皆様が望んでいる方向性が打ち出せていない」「率直に国民が一番望んでいることにきちっと取り組めていないのではないかという危機感を持っている」などと述べました。

また、岸田政権が取り組んでいる子ども・子育て支援について、所管外と断りつつも、「一つ一つ結果は出してきているけれども、うまく国民に理解を求めるとか、都合の悪いことを全部率直に言うべき」などと指摘しました。
 
 

規正法「改正」自民案 「評価せず」7割

政権交代期待 52%

世論調査

 
 報道各社が今月の世論調査(18、19両日実施)を一斉に報じましたが、裏金事件などで岸田内閣への国民の不信が強まっていることが分かりました。

 「毎日」調査の岸田内閣支持率は前回調査(4月20、21両日実施)から2ポイント減の20%に。不支持率は前回と同じ74%でした。

 また、裏金事件を巡り自民党が単独で国会に提出した政治資金規正法「改正」案を「評価しない」は68%で、「評価する」の21%を大幅に上回りました。同紙は、与党・公明党の支持層でも「評価しない」が6割強にのぼったとしています。

 企業・団体献金禁止に「賛成」は54%にのぼり、「反対」は28%。裏金事件の実態解明の取り組みを国会で「続けるべきだ」は80%にのぼりました。

 テレビ朝日系ANNの調査では、次の衆院選後に「政権交代を期待する」が52%を占め、「自公政権の継続を期待する」の39%を上回りました。岸田内閣支持率は20・7%で、前月調査より5・6ポイントも下落。「支持しない」は9・1ポイント急増の60・8%でした。

 子育て支援の財源として医療保険料に新たな負担金を上乗せして確保する法案を「支持する」は29%で、「支持しない」が62%を占めました。

 「朝日」調査でも、内閣支持率は前回比2ポイント下落し24%に。規正法改正への取り組みを「評価しない」は62%にのぼり、「評価する」の29%を大きく上回りました。

 

企業・団体献金禁止 政党助成金廃止を

金権腐敗 根を断て

自民裏金 塩川氏 首相に迫る

衆院予算委

 
 
 日本共産党の塩川鉄也議員は20日の衆議院予算委員会で、自民党派閥の裏金問題について「自民党ぐるみの組織的犯罪行為だ。全容解明し、政治責任を明らかにし、金権腐敗の根を断つ抜本的改革を実現すべきだ」と岸田文雄首相に迫りました。

 塩川氏は、裏金問題に深く関わるとされる森喜朗元首相について、森氏が岸田首相からの電話で裏金のことを聞かれていないとインタビューで述べたと指摘し、「国民にうそをついたのか」とただしました。

 岸田首相は「森元首相に再聴取は考えていない」と否定しました。塩川氏は「森氏の電話の中身は答えない、記録もない、同席者もいない。これで真相解明できるはずがない」と批判し、自民党総裁として森元首相に対して証人喚問に応じるよう求めよと迫りました。

 塩川氏は、自民党の政治資金規正法改定案は「肝心要の企業・団体献金禁止がない」と批判。裏金の原資である派閥の政治資金パーティー収入について、「形を変えた企業・団体献金だ。なぜ禁止しないのか」と追及。岸田首相は「企業・団体献金を禁止する理由はない」と強弁し、1970年の最高裁判決を持ち出して「多様な出し手により政治活動を支えることは重要だ。企業にも政治活動の自由がある」と開き直りました。

 塩川氏は「選挙権を持たない企業から多額の献金を受け取ることは国民主権をないがしろにするものだ。企業による献金は本質的に賄賂だ」と強調。財界本位に政治をゆがめる役割を果たしてきた歴史を告発しました。

 この20年間で、大企業の求めに応じて法人税は30%から23・2%に引き下げられ、その穴埋めとして消費税は5%から10%へ増税される一方、自民党への企業献金は464億円にも上ると指摘。「企業・団体献金が賄賂となり、財界・大企業の利益を優先し、国民生活を顧みない政治腐敗を生みだしたのは明らかだ」と批判しました。

 塩川氏は「企業・団体献金の全面禁止とともに、政党助成金制度が問われている」と提起。1990年代の「政治改革」は、企業・団体献金をなくす代わりに政党助成金を導入したが、いまだに「二重取り」を続けていると批判しました。

 また、制度導入以来、政党助成金は9250億円に上り、そのうち4450億円が自民党に支払われ、同党の運営資金の63%、3分の2が税金に依存する“官営政党”になっていると指摘。塩川氏は「税金にどっぷり漬かったことが自民党の堕落を生み出した」と厳しく批判し、金権政治腐敗を一掃するため、企業・団体献金禁止と政党助成金の廃止を主張しました。

 
野党に袋叩き岸田首相…3カ月前に断言「透明性・公開性の向上」「責任体制の厳格化」どこに?
 
 
「当事者が一番遅くて内容のないものを出す。反省がないのではないか」「顔を洗って出直して来いとたんかを切りたい」――。

 政治資金規正法改正を巡る論戦が行われた20日の衆院予算委員会。立憲民主党の野田佳彦元首相(67)は自民の改正案を酷評し、岸田文雄首相(66=自民総裁)に向かって語気を荒げる場面がSNS上で話題となっている。

 野党側が厳しい口調で迫ったのも無理はない。自民の案は企業・団体献金の見直しに一切触れておらず、いわゆる連座制も「抜け穴だらけ」と指摘されている。専門家も「現時点で議論のたたき台にすらなり得ない」と呆れているからだ。

 岸田首相の責任も重い。党総裁としてのリーダーシップがまるで感じられない。そもそも、岸田首相は自分の発言をきれいさっぱり忘れてしまっているようだが、わずか3カ月余り前に何と言っていたのかを思い出すべきだ。

 2月14日の衆院予算委員会で、規正法改正について同じ自民党の上野賢一郎議員(58)とやり取りした時の言葉だ。
 
 上野氏「今回の不正事案のようなことが今後決して生じないように、政治資金規正法などの制度改正をどのように進めていくか、これが非常に大切になります。(略)自浄能力を発揮をし、あくまで法の理念や目的に規定をされている国民の視点に立った政治改革を実行していくためには、総理の強いリーダーシップが不可欠だと思います。(略)これまでの国会の議論を踏まえた政治改革への決意、これを改めて総理からお伺いをしたいと思います」

■もはや党を解体的出直しするのではなく、解体した方がいい

 岸田首相「政治資金の運用に疑義が生じ、国民の信頼が失われるということになれば、民主主義の基盤が揺らぐということになります。(略)国民の信頼なくして政治の安定はないし、政治の安定なくして政策の推進もない、このことを肝に銘じて、我が党は、解体的な出直しを図り、信頼回復に努めなければならないと強く感じています。(略)自民党として自らできることについては、いわゆる派閥の政治資金パーティーの禁止を始め、様々な取組を行う。(略)政治資金規正法を始めとする法改正を伴う制度面についても、自民党として、政治資金の透明性あるいは公開性の向上、そして責任体制の厳格化、こういった点を通じてルール作りにしっかりと貢献していく」
 
 上野氏「政治家の責任に関する連座制の強化につきましては、友党の公明党からも強い要請があります。(略)職を失うかもしれないという強い強いプレッシャーを政治家にかけなければ、今回のような問題は一向に解決をされないおそれがございます。(略)総理の見解をお伺いをしたいと思います」

 岸田首相「政治資金が政治資金規正法にのっとって適正に扱われる、これは当然のことであり、違反した場合に厳正な対応を行うことを可能とし、違反の抑止力を高める、こういった問題意識は私も強く感じています。(略)法律違反に直接何ら関わっていない場合にあっても失職するなどの制裁を科す理由において、政治資金規正法においてどう定義するかとか、それから、おとりなどによる制度の悪用防止、こういった点においての議論が必要であるということは認識をしております」

 この時、岸田首相は明確に「政治資金パーティーの禁止」を始め、規正法改正について「自民党として、政治資金の透明性あるいは公開性の向上、責任体制の厳格化」「ルール作りにしっかりと貢献」と言っていた。

 にもかかわらず、いざフタを開けてみれば、政治資金パーティーは禁止どころか、パーティー券の購入者の公開基準の金額を巡ってゴタゴタし、資金の透明性、公開性の向上もヤル気なし。ルール作りに貢献するのではなく、ルールの抜け穴作りに血道を上げているわけだ。

「国民の信頼なくして政治の安定はない」

 岸田首相が繰り返す言葉だが、まさにその通りだ。


「『減税の岸田』アピール作戦かよ!」4万円定額減税の給与明細記載義務化方針にSNS猛反発
 
 
「いくら減税されたかを示すことで手取りの増加を実感してもらうねらい」

「これで支持率も景気も爆上がり!」
これ国民が心底馬鹿にされてるの分かりますよね?
 
 
政府が今年6月から始める1人当たり4万円の所得税と住民税の定額減税について、各企業に所得税の減税額を給与明細に記載するよう義務付ける方針としたことについて21日、SNSに反発のコメントが多く寄せられた。

この日朝、この方針が報じられるや、「国民実感」「明記義務化」「給与明細」などの関連ワードが、次々にインターネットのトレンドワードになった。

「『これっぽっちでエラソーに』ってなるかも知れんのに『コレで支持率上昇』しか頭にないみたい…」「すげえな岸田文雄!現場の負担お構いなしで給料明細に明記させて『減税の岸田』をアピール作戦かよ!姑息すぎる」「ボタン一つで給与明細を変えられると思ってやがる…」「自分の成果をアピールする為だけに企業に無駄な労力を義務づけるなんて…本当に他者に対する嫌がらせを思いつく事に関しては天賦の才があると思う」など、SNSには批判のコメントがあふれた。

岸田首相にとっては肝いりの定額減税だが、現金給付と比べるとありがたみが薄いとの指摘もある上に、6月を目の前にしたこの段階で新たな方針が表面化。雇用主に給与明細への記載を求める省令は、6月1日に施行される見通しで、首相の自信とは裏腹に国民の怒りは大きい。支持率が低迷する首相が、「減税の岸田」のアピール作戦に打って出たとすれば、国民の気持ちとはほとんどかみ合っていないのが現実だ。