維新・音喜多氏「参加したい政党だけで」 衆院憲法審の起草委めぐり

 

2017年に自民党の改憲4項目を出して、2020年までに新しい憲法を施行すると宣言したが、その時は立憲民主党が団結が残っていて、憲法審査会を開かせなかった。改憲の議論は一歩も進めさせなかった。しかし2021年衆議院選挙で、維新の会が議席を伸した。その後維新の会と国民民主党が明確な形で与党改憲派についた。「改憲の議論をしないのは国会議員の任務の放棄だ、怠慢だ」と、口汚く罵って、憲法審査会は毎週開催という流れになっている。2023年の通常国会で、維新と国民民主党と有志の会が「議員任期延長改憲の条文案、合意案」を発表。これを基に憲法審査会で改憲条文化を早く作れと意気込んでいる。

 「国会議員の任期延長改憲」は①国家有事・武力攻撃事態②大規模自然災害事態③テロ・内乱事態④感染症まん延事態⑤その他これらに匹敵する事態において、適正な選挙実施が困難な場合には、内閣の判断により、半年又は1年(再延長の場合にはそれ以上)、国会議員の任期延長を認める、これが任期延長改憲である。

 国会では任期延長論は野党の奮闘で論破し、憲法審査会でも長谷部泰男さん、土井真一さんなど憲法学者が参考人として理論的に改憲派を論破した。しかし2023年通常国会が終った途端、維新・国民民主党・有志の会は記者会見を開き「改憲の論義が進展したので、臨時国会では条文案がまとまるだろう」と表明。論破されたことなどアリバイ作りのための場であって改憲は数の力で進めるというスタンスである事が鮮明になる。

 そしてそれに挑発されるように、岸田が「自分の任務中に改憲をやる」と維新の質問に答える。これは憲法99条の内閣総理大臣は憲法尊重擁護を課せられているにもかかわらず平然と国会で憲法違反発言をしているのである。公明党の北川一雄が「立憲民主党はいつまでグズグズ賛成しないのなら立憲民主党抜きでやることを考える」と発言があり、維新も「それが民主主義だ。反対するなら多数決でやろう」とまでいってくるのである。

 ロシアの侵略戦争等を利用して煽りながら、憲法に謳われている中に武力攻撃、戦争が明記することを企む維新と国民民主党、そして自公政権、その流れで議員任期延長とセットで改憲に走ろうとする企みは明確である。

 選挙権の停止、国民主権の形骸化でなにが起きたか。1941年12月に太平洋戦争へ突入した歴史を、岸田政権、自公、維新、国民民主党はあの時代を再現復活させようと企んでいるとしかいいようがない。

 維新はカジノの利権のために橋下徹と松井一郎がアベと菅を酒の席に招待し、カジノ承認を得るために「改憲」を約束した「おちょこ事件」、維新は異常に立憲民主党を「恫喝・恐喝・威嚇」するのは、この約束があるからなのだ。

 

 

■■日本維新の会・音喜多駿政調会長(発言録)

 かなり議論の回数を積み重ねてきて相当深いところまで論点は出そろって整理されているので、まずは議論が先行している衆議院(の憲法審査会)から(改憲条文の)起草委員会を作るべきだ。

 自民党にもお願いしたいが、「できるだけ多くの会派でやりたい」という思いはあると思うが、起草委員会は参加したい政党だけでいいと思う。今設置をすれば、(自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党、有志の会の)5会派で一致できる可能性がありますから、今すぐ起草委員会を立ち上げていただいて、具体的な議論に入っていくべきだ。(BSフジの番組で)