主張
「政策活動費」

使い道不明の裏金は廃止せよ
 

 本気で問題を改革しようという姿勢はまったく感じられません。自民党の裏金事件を受けた政治資金改革をめぐり、自民・公明両党が9日、大筋で合意した政治資金規正法改定案の中身です。問題の大本にある企業・団体献金の禁止に踏み込んでおらず、「政治改革」の名に値しません。

 政治資金パーティーについては、券購入者の公開基準を現行の20万円超から引き下げるというだけで、企業・団体献金の抜け穴という役割はそのままです。公開基準の金額さえ合意していません。政治家の責任強化についても抜け道を残しました。

■「闇金」の温床に
 なかでも闇に置かれたままなのは、政党から議員個人に支出されている「政策活動費」です。

 「政策活動費」とは政治資金規正法に規定されたものではなく、自民党が幹事長や政調会長、国対委員長ら党幹部に渡す“つかみ金”です。それでは外聞が悪いので「政策活動費」などともっともらしい名前をつけているだけです。

 政治資金規正法は「政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため」、政治資金の収支の公開と透明性を求めています。マスメディアは「政策活動費の使い道の公開義務はない」などと報道していますが、本来、何に使ったか政治資金収支報告書に記載すべきものです。

 政治資金規正法は、政治資金の収受は「国民の疑惑を招くことのないように…公明正大に行わなければならない」と規定しています。これを長年、踏みにじってきたのが自民党です。

■税金で選挙買収?
 二階俊博元幹事長は約5年の在任中、手にした政策活動費は約50億円に上ります。全額使途不明、事実上の裏金です。2022年の政治資金収支報告書によると自民党は幹部15人に計14億1630万円の政策活動費を支出しています。最多は茂木敏充幹事長の9億7150万円で、同年の参院選公示前後に同氏には1億3000万円が渡されています。巨額の資金が何に使われたのか全く不明です。

 自民党には幹部が選挙応援に入る際、政策活動費を「陣中見舞い」として渡すという慣行があります。自民党の収入の3分の2は国民の税金である政党助成金です。税金が「裏金」となり、使途を明らかにできない飲み食いや選挙応援、買収にも使われた可能性があります。

 今回の自公合意では、政党から支払いを受けた議員の側が党に使途を報告して、党の政治資金収支報告書に記載するとされました。しかし、使途の公開範囲も、どんな形で報告するかも決まっていません。

 自民党は自公協議の中で、「政治活動の自由」を理由に、政党から議員個人への支出段階における「調査研究」とか「党勢拡大」とか大まかな項目の公開にとどめるべきだと主張していました。それでは、いままで同様、使い道は闇に葬られたままです。

 公開できない金を「政策活動費」の名でブラックボックスに入れているわけで、そのブラックボックス自体を廃止すべきです。そうすれば当然、使途の全面公開になります。キッパリ廃止するしかありません。



自民・麻生副総裁やりたい放題…飲み食い豪遊に年1900万円超! 脱税疑惑の巨人坂本に匹敵

 

自民党の居直り姿勢は完全に独裁姿勢と合致する!

 

 

巨人の坂本勇人内野手(35)に脱税疑惑が持ち上がっている。税務調査で年間2000万円、直近5年間で総額1億円もの過大経費計上が確認されたという。「夜のクラブ活動」をめぐり、当局と見解の相違があるようだ。

その勢いで「政治とカネ」にもメスを入れてもらいたいもの。自民党の麻生太郎副総裁(83)の飲食費は決して引けを取らない。コロナ禍の2022年は1900万円超。非課税の政治資金をいいことにやりたい放題だ。

発売中の「週刊新潮」によると、東京・渋谷税務署が区内在住のスポーツ選手の重点調査を打ち出し、坂本に申告漏れの疑いが浮上。確定申告で銀座や六本木の高級クラブなど、年間2000万円の飲食費を必要経費として確定申告で計上していたという。坂本の推定年俸は日本人選手最高の6億円。なんともケチくさい話だ。坂本側は「これまで飲食費は認められてきた」などと主張し、当局と協議を続けているという。

 

翻って麻生氏の「政治とカネ」だ。突出した豪遊は知られるところだが、傘寿を迎えても衰え知らず。麻生氏の資金管理団体「素淮会」の22年分の政治資金収支報告書には、「会合費」が280件も記載され、総額は1934万円に上る。料亭や高級レストランなど、ウン十万円の支払いがゴロゴロある。毎月約161万円、毎週約37万円を使った計算だ。

自粛、自粛の日々だったコロナ禍1年目の20年もアクティブで119件、1722万円を支出。21年はやや減って86件だったものの、944万円を費やしていた。

■政治資金規正法の俎上にのせないと…

立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏(税法)はこう指摘する。

「市民目線からすれば、高級店での飲食は政治活動には見えません。一般企業に税務調査が入り、社長の私的な交際費を経費として処理したことが判明すれば、必要経費とは認められない。追徴課税のペナルティーを食らいます。麻生氏もそうですが、政治家は同じ日に数軒をハシゴするケースが多々見られる。政治活動と全く関係のない事務所内外の出費を収支報告書に紛れ込ませている疑いもある。国会では政治資金規正法改正をめぐる審議が本格化していますが、こうした問題も俎上にのせないと、ザル法が温存されてしまいます」

国会議員は年間2000万円超の歳費のほか、領収書不要の調査研究広報滞在費(旧・文書通信交通滞在費)を毎月100万円も手にしている。それでも足りないと献金や政治資金パーティーを通じて集めたカネは、飲み食いに消える。永田町の住人以外、納得がいかない。見直し必須だ。

 

 

販売価格「1枚1万円」から…マイナカード「偽造工場」摘発、河野大臣は「現場がしっかりやれば防げた」の “意識低い” 系発言

 
 
 5月15日、警視庁池袋署は、千葉県船橋市のアパートの一室でマイナンバーカードなどを偽造したとして、有印公文書偽造などの疑いで、いずれも中国籍で住居不定の彭楽楽(ポンローロー)・陸成龍(ルーチョンロン)の両容疑者を逮捕した。同日、東京新聞が報じた。
 
 報道によると、警視庁は2022年から千葉、東京、大阪で中国人グループの「偽造工場」の摘発を進めており、今回の拠点を4月24日に家宅捜索。

 偽造されたマイナカード7枚と在留カード約100枚、材料のカード約1万2000枚、プリンター、パソコンなどを押収。捜査関係者によると、偽造マイナカードの販売額は1~2万円ほど。ラミネートにホログラムが施される在留カードに比べ、「マイナカードはホログラムがないから楽だ」と話すメンバーもいたという。

 マイナカードの偽造をめぐっては、大阪府八尾市の松田のりゆき市議が、本誌の取材に総額350万円の詐欺被害を訴えるなど、詐欺事件が相次いでいる。松田市議は、偽造したマイナカードを身分証として使われ、スマートフォンを勝手に機種変された。その後、携帯を止めているにもかかわらず、ロレックスなどを買われたと証言している。

 河野太郎デジタル大臣は、5月10日、記者会見で詐欺事件が相次いでいることについて「右上のマイナちゃん(うさぎのキャラクター)がパールインキで印刷されており、偽物は色が変わらないからすぐわかる」とし、「目視でも、ていねいにカードをチェックすれば偽造は見破れる」と強調。偽造かどうかを見分けるチェックポイントを記した文書を、事業者向けに配布する方針を示した。

 さらに14日の会見でも、「現場でオペレーションがしっかりしていれば、防げたものだと思う」とコメント。そのうえで、「厳格な本人確認をするため、カード読み取りアプリの開発の必要性について検討をおこなっている」と述べた。

 だが、本人確認時のICチップ読み取りの義務化については未定で、今後、関係省庁と議論していくという。

 偽造マイナカードによる詐欺被害が相次ぐなか、河野氏が「現場のオペレーションがしっかりしていれば」と語ったことに、「X」では批判的な声が殺到している。

《マイナ偽造被害をオペレーションのせいにする。責任転嫁の河野太郎》

《マイナンバーカードを身分証明書にするの止めるべきだな。河野太郎のいい加減なコメント見たけど、マイナちゃんの印刷の色なんて中国偽造業者からしたら一瞬で真似できるだろって話》

《保険証や運転免許証、銀行口座などを紐づけを計画しているくせに本体のマイナカードが簡単に偽造できるのを重視しないのか。マイナカード自体をいったん止めないのか》

 マイナンバーには、行政手続きを簡略化する機能もあるが、5月15日、会計検査院が公表した調査では、1258機能のうち自治体が使ったのは年金申請などわずか33機能(3%)。税金減免など485機能(39%)はまったく使われていなかった。

 また、マイナカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の4月の利用率も6.56%と低迷している。まったく便利になっていないばかりか、誰でも詐欺にあいかねないマイナンバー。河野氏のように「現場の意識が低い」と責任転嫁するような発言は、逆効果ではないか。

 

円安・物価高で「100円均一」崩壊間近…業界は売り上げ好調も、価格維持いよいよ困難に

 
 なんでも100円で買えた時代は終わりつつある――。

 物価高で高まる節約志向を背景に「100円ショップ」業界は順調に売り上げを伸ばしていることが、帝国データバンクが15日発表した調査でわかった。大手4社を中心とした国内100円ショップ市場(事業者売上高ベース)は、2023年度に初の1兆円を突破し(前年度比で約5%増の1兆200億円前後)、店舗数は10年で1.5倍へと成長を遂げているのだ。
 
 ただ、調査によれば、業界はすこぶる好調な一方で、「100円均一」という価格の維持は難しくなっているようだ。100円ショップで扱う商品の多くは海外生産品であるため、急激に進む円安により輸入コストや原材料価格が高騰している。商品によっては採算が取れなくなり、サイズ、量など規格が見直されるケースもある。

 日刊ゲンダイが15日、都内の100円ショップを訪れると、特にプラスチック製品の価格改定が気になった。ポケットファイルなどの事務用品や食品容器には、200円や300円の値札がチラホラ。従来は100円で買えた商品だけに、値上げの影響を実感する。

 帝国データバンク情報統括部の飯島大介氏は、業界の現状をこう分析する。

「100円ショップが生まれた40年前と比べて、取り巻く環境が変化しています。かつて中国は人件費が安く、安価な商品を現地の工場で大量生産できた。それが今や、中国の人件費は上昇し、日本の賃金上昇率は伸び悩み、立場が変わった。原油価格も上昇し、以前より輸入コストがかかっています。ここまで状況が変わるとは、業界にとっては予想外のはずです」

■「300円ショップ」が拡大中

 近年はよりデザイン性や品質に優れた「300円ショップ」の店舗網が拡大し、2023年度末には1000店舗を超えた。ある程度の値上げは、受け入れられつつあるようだが……。

「今まで100円均一という看板でやってきただけに、各社は難しい判断を迫られます。100円にこだわるか、それとも値上げに踏み切るか。少なくとも、100円の価格を維持するのは苦しい状況です」(飯島大介氏)

 業界は曲がり角にきている。