きょうの潮流
 

 米国の大学で次々に設営されるガザ連帯キャンプ。学生たちの怒りが社会を突き動かしています

 

▼米東部のコロンビア大学で始まった動きは今や全米50カ所以上に。暴力的排除に乗り出す大学がある一方、学生に耳を傾け、イスラエル関連企業への大学基金による投資引き揚げの検討を表明する大学も

 

▼不正義への抗議が社会を前進させることを米国の歴史は教えています。公民権運動の闘士たちは反人種差別の行動で何十回も逮捕されながら運動を続けました。ベトナム侵略戦争、南アフリカのアパルトヘイト…。米国の学生たちの抗議の伝統は今も

 

▼イスラエルの報復攻撃が7カ月にわたり続くガザ。ジェノサイド(集団殺害)に加担することは許されないと大学に迫る学生たち。イスラエルのネタニヤフ首相が一貫して攻撃をやめないのも、軍事支援を続けるバイデン大統領の後ろ盾があるからだと見抜いています

 

▼米国のラップ歌手マックルモアさんが学生たちの行動をたたえる新曲を発表。「投資の撤退、平和を求めることの何が脅威なのか。問題は抗議行動ではない」と歌います。「あんたの手は血で染まっている。われわれは全て見ている。絶対にノーだ。秋には投票しない」とも。バイデン大統領へも痛烈です

 

▼ガザについては意見表明がみられないと指摘される米音楽業界。マックルモアさんは、ジェノサイドに沈黙を続ける同僚アーティストにも行動を促します。「学生たちが立ち上がった。さあ(われわれも)始めよう」と。

 

 

米政府高官 ガザ攻撃『ジェノサイドではない』 イスラエルの大規模攻撃には反対姿勢

 

ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官は、ガザ地区での戦闘の犠牲はジェノサイド=大量虐殺ではないとの認識を示しました。

サリバン大統領補佐官
「我々はガザで起きていることがジェノサイド=大量虐殺だとは考えていない。そのような主張を断固として拒否してきた」

 サリバン補佐官は13日、イスラエルによる攻撃でガザで多くの犠牲者が出ている状況について、「ジェノサイドだとは見ていない」と述べました。

 ICJ=国際司法裁判所では、イスラエルの攻撃がジェノサイドに当たるとして裁判が続いています。

 また、サリバン補佐官は100万人以上の避難民が逃れているガザ地区南部ラファで、イスラエルが大規模な軍事作戦を行うことは「誤り」だと強調し、イスラエルが強行すれば武器・弾薬の供与を制限するとのバイデン大統領の見解を示して、イスラエルに自制を求めました。

テレビ朝日