裏金議員44人の政倫審は「訂正された収支報告書」が突破口?自民“上から目線”で申し立て賛成の何サマ

 
 メディアがどう厳しく取り上げて報じるのかも焦点だ。議員たちがノラリクラリはぐらかしたら、ドジャース大谷翔平(29)を追いかけ回すくらいの熱意で徹底追及するべきだ。
 
 
「裏金議員よ、今夜は震えて眠れ」となるのか。それとも例によって「茶番劇」で終わるのか。
 
 自民党派閥の政治資金パーティーの裏金事件を巡り、同党は8日、立憲民主党などの野党側が求めていた関係議員44人に対する衆院政治倫理審査会(政倫審)の審査申し立てに賛成する方針を示した。

 自民が同日、立憲との国対委員長会談で伝達。審査の開催は委員の過半数により議決される見通しとなった。自民の御法川信英・国対委員長代理(59)は会談後、記者団に「申し立てが出た場合、自民としてもしっかり対応する」と言い、立憲の安住淳・国対委員長(62)も「自民の決断は評価したい」と語っていたが、応じるかどうかは個々の議員の判断に委ねられるため、どうなるか分からない。

■「開催に応じてもいいよ」と言わんばかりの態度…

 とはいえ、自民側が「賛成する」「しっかり対応する」などと説明していること自体が妙な話。

 複数年にわたって派閥からキックバックされた怪しいカネを受け取り、政治資金収支報告書に記載しないという違法・脱法行為を常習的に繰り返し、ため込んできたのだ。本来であれば、野党側の要求がなくても、関与した自民議員は裏金事件が発覚した時点で自ら率先して政倫審に出席し、コトの経緯をすべて明らかにするべきだったのに、「野党が求めるなら仕方ない。開催に応じてもいいよ」と言わんばかりの“上から目線”の態度に呆れている国民は少なくないだろう。

 関係議員は仮に政倫審に出席しても、安倍派(清和政策研究会)幹部らのように「知らなかった」「秘書に任せていた」と繰り返すか、あるいは「検察に立件されなかった」「党の処分を受けた」などと責任逃れの発言で逃げ切れると考えているのかもしれない。

 ただ、安倍派幹部らの政倫審の時と状況が異なる点がある。カギを握るかもしれない「資料」があることだ。

「裏金事件を受けて訂正された政治資金収支報告書でしょう。収支報告書にはもともと不透明な部分が多いとはいえ、訂正された部分をひとつずつ見ていけば不自然な点はいくらでも見つかるのではないか。議員によっては、なぜか3回も4回も訂正している収支報告書もあるほか、支出先が怪しいのもありますし。結局はつじつま合わせなので、ツッコミどころ満載だと思います」(野党議員秘書)

 メディアがどう厳しく取り上げて報じるのかも焦点だ。議員たちがノラリクラリはぐらかしたら、ドジャース大谷翔平(29)を追いかけ回すくらいの熱意で徹底追及するべきだ。

 

「何が物価高を超える賃金上昇だよ」実質賃金24カ月連続減少で形骸化する自民党「公約」に国民から怒りと悲鳴

 
外遊中は海外への資金援助を相次ぎ発表した岸田首相。国民の負担は増すばかりだ

5月9日、厚生労働省は「毎月勤労統計調査」(令和6年3月分結果速報)を公表した。

公表資料によると、3月に労働者が受け取った現金給与の総額は平均30万1193円で、2023年の同じ月と比べて0.6%増え、27カ月連続で前年を上回った。

しかし、その一方で、消費者物価指数の前年同月比は3.1%上昇し、現金給与総額の伸びを上回っており、物価の影響を考慮した「実質賃金」は2.5%の減少で、24カ月連続のマイナスとなった。この実質賃金の減少は、1991年以降で過去最長を記録したという。
 
公表資料によれば、前の年の同じ月より実質賃金がどれくらい減ったか、という実質賃金指数を見てみると、この1年間は次のような数値になる。

23年4月(-3.2)5月(-0.9)6月(-1.6)7月(-2.7)8月(-2.8)9月(-2.9)10月(-2.3)11月(-2.5)12月(-2.1)24年1月(-1.1)2月(-1.8)3月(-2.5)

政権与党の自民党は、ホームページや党広報の公式SNSで、堂々とこううたっている。

《物価上昇を超える、さらなる「賃上げ」を実現する。》

過去最長の24カ月連続の実質賃金マイナスの報に、国民からは怒りと悲鳴の声が上がっている。Xを見ると、

《何が物価高を超える賃金上昇だよ 岸田くんにはこの資料は手元にいかないのかな?》

《このまま物価高が続いたら生活できないだろうが 岸田君が何とかしろよ 国民から税金を1円でも多くもぎ取るより自分たちがボーナス返上したり、議員報酬を50%カットとかしろよ いつもそうだ自分たちは傷を負いたくないから国民に全て負担させる これが日本の実態だ》

自民党のベテラン議員秘書はこう言う。

「いま、政治資金規正法の改革に向けて議論されていると思いますが、国民のいちばんの関心事は、物価や光熱費、税金、社会保障費などの値上げです。少しばかり給料が上がったからといって、生きていくためのお金が減っているわけですから、死活問題なのです。このまま実質賃金がマイナスの状態が続けば、岸田政権の息の根が止まりかねない。党は、物価上昇を超えるさらなる賃上げを実現する、とぶち上げていますが、実現できなければ『公約違反』と集中砲火を浴びてしまいます。岸田さんには、生活実感というものがないのかもしれません」

物価上昇を上回る賃上げが、本当に実現する日は来るのだろうか。